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『視力を失っても、自分でメイクがしたい』という願いをもっと多くの人が叶えられるように。視覚障がい者のためのメイク技法「ブラインドメイク」の訴求活動に取り組むOSAJIディレクターの想い

(PR TIMES STORY) 2024年09月20日(金)12時58分配信 PR TIMES

OSAJI(オサジ)は2017年、ブランドファウンダー・茂田正和の家業である日東電化工業株式会社の一事業として創設されました。その後、2023年に株式会社OSAJIとして事業分割され、現在に至ります。

OSAJIは「美容」という行為を一面的なものではなく、多様な個性を尊重する文化的社会の基礎となるような概念として捉え、一人ひとりが本来あるべき個性を叶えることに寄り添い、真摯なプロダクトやサービスを提供しています。


「ブラインドメイク」とは、視覚障がいを持つ方でも手指の感覚を使い、鏡を使わずに自分でフルメイクができる化粧療法です。この技法は、化粧がクオリティ・オブ・ライフの向上に役立つことに着目した大石華法氏(公益社団法人 国際化粧療法協会会長)によって2010年に考案されました。左右対称な手指の使い方や身近なツールの使い方を習得することで、ベースからポイントメイクまで鏡を見ずに自力で完成させることができる技法です。


皮膚科学に基づき、健やかで美しい皮膚を保つためのスキンケアライフスタイルを提案するOSAJIのブランドディレクターを務める茂田正和が大石さんと出会ったのは、ブランドを始めてすぐの頃でした。視覚障がい者のためのメイク技法に出会った茂田は、その衝撃を受け、すぐにこの技法を美容関係者に紹介する場を設けました。そして、2020年には「一般社団法人日本ケアメイク協会」の副理事にも就任します。


本ストーリーでは、「ブラインドメイク」の訴求活動を続けるOSAJIディレクターの想いをお伝えします。


写真中央:一般社団法人日本ケアメイク協会理事長 山岸加奈子さんと副理事(株式会社OSAJI 代表取締役)茂田正和

ブラインドメイクを初めて見たときの衝撃。人の心を晴れやかにする、化粧品の力と本質を知る

茂田正和:たとえ視えている、視えていないに関わらず、女性がメイクを施し美しくありたいと願うことはごく自然なことです。しかし、初めてブラインドメイクを見た時、私は衝撃を受けました。自分が開発し世に送り出している「化粧品」の本質はこれだったのかと深く考えさせられました。


今でこそ化粧品の男性ユーザーは増えていますが、私自身はメイクをしないので、OSAJIをスタートして化粧品開発を進めていく中で実際に使用する人の気持ちをどれだけ理解できているのか、世の中のためになれているのかと自問自答する日々でした。しかし、メイクを施すことで人はこんなにも心が晴れやかになり、気持ちも強くなり、自信を持った表情になることがわかり、自分自身にも勇気と自信を得たのです。

トロンボーン奏者・山岸加奈子さんとの出会い。参画を志願し、一般社団法人日本ケアメイク協会副理事に就任

茂田:その時ブラインドメイクを教えてくれたのは、現在一般社団法人日本ケアメイク協会の理事長を務める山岸加奈子さんです。元々は見える生活を送っていて、大学卒業の頃に全盲となった山岸さんは、トロンボーン奏者でもあります。ステージに立ち続けるためにも、“視力を失っても自分の力でメイクをしたい”という強い意志を持ち、大石さんの元に通い続け、技術を習得しました。

最初は地元の神奈川県にブラインドメイクをレクチャーできる化粧訓練士が誕生するのを待っていたそうですが、最終的には盲導犬のアリエルと共に単身で当時の協会の本拠地である名古屋へ。ブラインドメイク考案者の大石先生を訪ねることを決意したそうです。


明るい清らかな表情でブラインドメイクの魅力を語る山岸さん


「人生で初めての1泊のひとり旅。大冒険でした。名古屋に着くまでの道中の過ごし方などに不安がないわけではなかったのですが、ついにブラインドメイクを習えることが楽しみで。本来ブラインドメイクの講習は、洗顔の仕方から始まることもあって1日2時間程度の講習を何回かにわけて習得していくものですが、私の場合は2日間かけてみっちり10時間の集中講座(笑)。実際、自分のものにするまでに数ヶ月はかかりましたが、ブラインドメイクは指先の感覚を使って行うので、肌もどんどん変わってメイクのりも良くなり、新しい体験を通じて自信を持てなかったことが取り払われ、大変というよりはわくわく感のほうが大きかったですね」(山岸さん)


茂田:彼女がメイクをする様子は、両手指を用いて左右対称に動かすため、その所作が大変美しく、初めて目にする人が感動し、自然に涙が伝うこともしばしばあります。ブラインドメイクを始めてから塞ぎがちだった心も開き、活発に外に出るようになり、その後出会った方と結婚もされました。


それまでは恋愛に積極的ではなかった女性がメイクによってそういった気持ちを持てるようになり、色への興味もさらに増して、服やメイクの色、季節に合わせてサロンでジェルネイルをお願いするようにもなって人生をより豊かに過ごすようになったのです。

もっとこの技法を視覚障がい者の方、晴眼者の方両方に知ってもらいたいと山岸さんが2020年に同協会を立ち上げ、自分も参画させてほしいと志願しました。

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実際のブラインドメイクの実演動画

化粧訓練士だけでなく、もっと多くのスタッフがブラインドメイクを伝授できるように。新たな資格UBAが誕生

茂田:当時、ブラインドメイクを当事者に伝授できるのは「化粧訓練士」という資格保持者だけでした。主に医療従事者が取得しており、化粧品販売店で取得している方は現在理事として参画している方1名だけ。協会が描く理想像は、全国どの県でも技法が学べる環境作りだったため、まずはこの資格をライトな段階にして、化粧販売店で働く人達が取得しやすくすることでした。それがUBA(Universal Beauty Adviser)です。


山岸さんと資格取得に必要な座学・実習について協会内で規定を作り実装する時、「こういった資格取得の取り組みを始めるのだけれど、試験を受けたい人はいるだろうか」とOSAJIの実店舗スタッフに尋ねたところ、多くのメンバーが受けたいと申し出てくれました。そのため、UBA第1号は自社のOSAJIから誕生しました。

2022年に大きな講習会を開き、当時多くのスタッフが資格を取得。その後、手指を用いる技法のためコロナ禍では実施が難しく中断していましたが、今年に入って再開。店舗運営メンバーが中心となって参加し、無事資格を取得しました。

その後、OSAJI内でも化粧訓練士の資格取得者を輩出することができました


OSAJIの店舗運営メンバーが受講した、UBA講習会の様子


二人1組となり、当事者役とUBA役に分かれて実習をしている様子

受講者の感想


「入社時からずっと受けたいと思っていた講習でしたので、今回機会を頂けた事がとても嬉しかったです。OSAJIではまだ視覚障がい者の方を接客する機会がありませんが、前職で接客させていただいた際にあまりお役に立てず、お客様の期待を上回ることができなかった経験があるため、今回の講習を受け今後は自信を持ってお迎えができそうです。」


「目が見えないといっても、少し見えていたり、霞んで見えていたりなど、全く見えない訳ではない方もいるということを認識できたのが大きかったです。どれくらい見えていますか?の一言があるだけで、ご提案やお伝えの仕方も変わると思いますので、想像しながら、しっかり伝わっているかお客様と相互確認しながら、落ち着いて色やアイテムを選定できるようにしていきたいと思いました。」


「『普通のお客様の接客となにも変わらない、少し工夫をするだけ』という言葉が心に残っていて、習っていないから分からないということではなく、こちらがお客様の立場になって考えて寄り添うだけでも全然変わってくるのかもしれないと思いました。」


口紅は両手小指先に取り、双方の指先をこすり合わせて上唇から順につけていきます


店頭で実践している様子


その後、実店舗でも接客の実習を兼ねて秋の新作コスメをご紹介


手を添えて、実際にご自身でアイテムを使えるように使用方法をレクチャー


必ず店頭でご自身で試していただき、適切な使用方法をアドバイスします


お会計の際も、お釣りは種類に合わせて順番にお渡しします

ブラインドメイクの認知と理解がさらに広がることを願って。活動に懸ける想い

OSAJIのショップリストには「UBA在籍店舗」の案内が入っています。そこでブラインドメイクについて知っていただくお客様も多く、他社ブランドから中途採用で入社したスタッフからは「OSAJIは他のブランドよりも、障がい者の方の利用が多い気がする」という気づきを教えてくれました。おそらくはブラインドメイクの取り組みを知って、当事者理解があるお店と感じてご来店くださったのではないかと推測しています。



とはいえ、実際に資格取得をしても、頻繁に視覚障がい者のお客様がご来店いただけるわけではありません。化粧訓練士保持者であっても年に数回が現実です。もっと認知を得て、まずは知っていただきながら当事者の方の利用と同時にUBA及び化粧訓練士保持者を増やしていくことが必要不可欠です。そのためには、一般の方がこのメイク技法について知ること、そして視覚障がい者への理解を深めることが第一歩。

まず、はじめの一歩が日本、そして世界各地で踏み出せるように、活動を進めてまいります。


▼“目の愛護デー”「ブラインドメイクを世界に広げよう!プロジェクト」イベント概要

ブラインドメイク体験コーナーの他、デモンストレーションや写真展「dear face 自分と出逢うとき」などを予定。


<関東地区>

開催日:2024年10月10日(木)

東京会場:丸紅ビル4階

コミュニケーションラウンジ Oasis

     東京都千代田区大手町1-4-2

開催時間:18時20時

実施内容:ブラインドメイク デモンストレーション、体験会



<関西地区>

開催日:2024年10月14日(月・祝)

大阪会場:千寿製薬株式会社 2階 大阪市中央区瓦町三丁目1番9号

開催時間:14時16時


詳しくは協会公式サイトをご確認ください。

https://caremake.jp/


<参考サイト>

一般社団法人日本ケアメイク協会 山岸理事長インタビュー

https://osaji-journal.net/journal/journal-a1624/

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