プレスリリース
シンガポール発、ライブ配信とECを組み合わせた「越境ライブコマース」という新しいビジネスモデル。日本の魅力ある商品をシンガポールの消費者へ
シンガポールを拠点にアジア全域を対象としたマーケティング×クリエイティブ会社
DOU Creations Pte Ltd(以降、DOU Creations)がシンガポール・ホーム・クックスと協力して展開する「越境ライブコマース」は、ライブ実演(英語・中国語)を通じて、シンガポールの視聴者に日本の商品を紹介し販売することができるサービスで、ライブ配信と電子商取引(EC)を組み合わせた新しいビジネスモデルです。
たった1回の短時間のライブ配信で1000万円以上の売り上げを記録するなど、想像以上の成果を遂げています。特にコロナ期間中において、新型コロナウイルスの外食規制を受け、余剰食材の販売先として注目を浴びており、コロナ禍が追い風となり、強力な流通チャネルとして成長しています。
2013年からシンガポール・ホーム・クックスによってライブコマースが展開されており、フェイスブックページ「SHC Live」を通じて、シンガポール国内のファンコミュニティー約8万人に配信されています。日本からのライブ配信は、週34回程度、英語と中国語で行われ、一回の配信での最高売り上げは1000万円以上、平均的な売り上げは50万円から200万円前後です。
日本の商品をシンガポールへ!現地の人気Facebookファンコミュニティを通じて
日本の商品は、シンガポールのECサイトでも豊富に提供されています。しかし、良い商品であっても売り上げに結びつかないものがたくさんある。その原因は、商品の魅力が地元消費者に十分に伝わっていないことや、価格帯の不適合があることです。
そこに課題意識を持っていたDOU Creations 代表の吉地が、2022年5月、シンガポール・ホーム・クックスと協力し日本から直接商品を仕入れてライブコマースで紹介、販売する事業をスタートさせました。日本でしか手に入らない商品や日本の売れ筋商品をシンガポールの消費者に適正価格で提供するためです。SHC Liveのスタッフが、直接日本の店舗を訪れて商品を紹介し、その魅力を生配信でアピールしています。品目は食品をはじめ、アパレル、ライフスタイル関連商品など多岐にわたります。
日本商品を海外でも同じ価格で提供し、需要の拡大を目指す
多くの商品の一番の課題は「価格付け」です。これまでは海外卸商社や海外デパートでの販売を前提にコストを積み上げることで多くの商品が日本の23倍の値段で販売されているのが現状です。果たしてこれでその商品は売れるのでしょうか。日常的な商品の価値は商品そのものが持つ魅力と価格で構成されます。それが海外にいったからといって2倍になる理由はなぜでしょう。
アマゾンなどではすでに日本の商品を世界中に配送することができるようになっています。海外では手に入らないから高額でというのは幻想になりつつあります。わたしがこれまで扱って来たデジタルカメラは世界中どこでも同じ価格で購入ができます。それゆえにグローバル商品として成長することができていると確信しています。それはiPhoneでも同じだと考えています。
どのようにして日本の商品を海外でも同じ価格で提供できるようにするか。それにより日本商品の需要が世界で大きく拡大すると考えています。
これがわたしたちのDOU Creationsのビジョンであり、ミッションです。
シンガポールと日本の価値観の融合と、商品選定プロセス
シンガポール・ホーム・クックスはシンガポール企業がつくりあげたライブコマースプラットフォームです。販売する日本商品の選定については、シンガポールのメンバーと毎回議論を行います。
DOU Creationsが持つ日本の価値観と、シンガポール人の地元の価値観をぶつけ合います。もちろんそこで否定されることもありますが、それでも商品の魅力や成長性を説明して、メンバーと価値のすり合わせを行い、合点がいくポイントを絞り出す作業をしています。これは骨の折れる作業ですが、これこそが本サービスの付加価値であり、地元に受け入れられる要素だと思っています。
人気商品のポイントと、DOU Creationsのスタンス
SHC Liveで売れる商品のポイントは有名ブランドではなくとも特徴があり、地元や国内にファンの多くいる商品や、丁寧なものづくりで限定された流通ルートのみで販売されてきた商品などです。ターゲットは、30〜40代で女性が7割。積極的に力をいれているのはリピート購入の多い商品です。化粧品やシャンプー、うどんやそばといった食品など23ヶ月に一度は購入する必要がある商品を中心に構成するようにしています。
その中でも「商品ブランドをいかに育てていくか」というのが我々のスタンスです。初回のライブで高い売り上げをたたき出さずとも、じっくりと、じわじわと足元の客層を増やしていくことこそ重要だと考えています。
<実績紹介>
スキンケア・・・売上:970万円/3回目 前回比:3倍 販売点数:653点
お菓子・・・・・売上:180万円/2回目 前回比:9倍 販売点数:300点
畳・・・・・・・売上:870万円/2回目 前回比:17倍 販売点数:1,865点
ライブコマースの成功事例。開発者自らが熱くアピール
ライブコマースでの成功事例として、当時シンガポールで知名度のなかった日本のフレグランス専門店「ショーレイヤード」の商品を例に挙げます。1時間半のライブ配信で300万円以上の売り上げを記録しました。フレグランスのように、香りを嗅がなくてはわからない商品でも売り上げにつながった訳は、その訴求性にあります。社長が自らライブ配信に登場し直接アピールしたのです。インフルエンサーにPRを依頼すれば簡単に済むところを、実際に開発した人が誰よりも熱くライブで語る。商品の訴求力とライブ配信の熱量が成功の要因だと思います。
ECでの販売も並行しておこなっていますが、ライブ前の平均的売り上げは2030万円程度、それが1回のライブで23百万円の売り上げを達成しています。
「やってみないとわからない」のハードルを下げる。売れる商品に改良するための取り組み
ライブコマースは、単なる訴求力の高い販売チャネルというだけではなく、海外進出支援の一環としても位置付けています。最近では円安の影響により、日本企業の海外進出にかかるコストは企業にとって相当な負担です。
ライブコマース活用の大きなメリットは「海外進出の初期投資費用を低く抑えられる」ということです。前述した通り、我々は、商品がシンガポールで売れるように一緒に育てていくというスタンスを大事にしているので、一度ライブコマースで販売をしてみて苦戦した商品も、結果を元に試行錯誤を繰り返し、着実に売り上げを伸ばしている商品もあります。それがテストマーケティングの本来意味するところであり、成功と失敗を繰り返しながら売り上げを伸ばす過程が面白く、かつ低コストでそれが実現できるのです。
日本では需要があっても海外で同じような需要があるかどうかは、やってみないとわかりません。この「やってみないとわからない」のハードルを極端に下げる試みをライブコマースとして提供させていただいております。売れない商品、売れない説明の仕方をやってみることで体感し、それをベースに最終的には売れる商品、売れる説明に改良させていくこと、マーケティング用語でいうプロダクトマーケットフィットに向けた取り組みをぜひご一緒させていただければと思います。
他のアジア諸国にも進出を目指しつつ、お客様に寄り添ったチャンネル作りを。
現在は、北は北海道、南は沖縄まで、多様な日本の商品がエントリーしてくださっていて、じわじわと希望者が増えており嬉しい反響があります。また、今後はプラットフォームのファンの拡充を目指し、エンタメ性を高め、チャンネルとしても魅力を上げていきたいと思っています。新着動画が上がっていたらついクリックしてしまうくらいに、消費者にとって身近なチャンネルとしての魅力を向上させていきます。
なお、今後は新たな市場の開拓にも取り組んでいきます。台湾やマレーシアへの進出も検討中であり、多様な商材を提供することで、ライブコマースの利点を最大限に活かす予定です。
<越境ライブコマース>
https://doucreations.com/live_commerce/
<Singapore Home Cooks>
会員数が8万人以上いるシンガポール最大級の大人気フード系ライブコマースサイト。