プレスリリース
「今こそ読まれるべき本」に贈られる八重洲本大賞。今年は、1960年に書かれた異色の文章読本が受賞しました。
株式会社KADOKAWA(本社:東京都千代田区、 取締役 代表執行役社長 CEO:夏野剛)より2016年10月に刊行された岩渕悦太郎 編著『悪文 伝わる文章の作法』(角川ソフィア文庫)が、2023年11月10日(金)に発表された第6回八重洲本大賞(主催:八重洲ブックセンター)を受賞しました。
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八重洲本大賞とは?
今年、第6回を迎える八重洲本大賞は、「従来の既存のジャンルにとらわれず、今こそ読まれるべき本を選び、幅広い読者に届けること」を目的として、株式会社 八重洲ブックセンターが毎年、選定しています。
これまで、ブレイディみかこ 著『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』や田中孝幸 著『13歳からの地政学 カイゾクとの地球儀航海』などの話題作が受賞してきました。
2023年は「始動」をテーマとして選考が行われ、岩渕悦太郎 編著『悪文 伝わる文章の作法』(角川ソフィア文庫)と今井むつみ 著『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(中公新書)が受賞しました。
ーー第6回のテーマは「始動」とし、コロナ禍を経て再び動き出した世界を生き抜く「新たな気づき」「発想の転換」に出会える書籍を、動きながら読み・考えるためのポケットブック(文庫・新書)を中心にノミネート作品を選定、八重洲本大賞社内委員による選考とお客様による投票結果をもとに厳正な審査を行い、大賞作品を決定いたしました。(八重洲ブックセンター公式サイトより/https://www.yaesu-book.co.jp/topics/21130/)
受賞作『悪文 伝わる文章の作法』とは?
時代を超えて役立つ、普遍的な文章読本
メール、履歴書、企画書、ブログ……その文章、伝わりますか? 不用意な語順、たった一文字の助詞のちがい、身勝手な句読点の打ち方によって、日本語は読み手に届かないばかりか、誤解や行き違いをひきおこしてしまう。
すらりと頭に入らない悪文の、わかりにくさの要因はどこにあるのか? 随筆、ニュース、論説、広告、翻訳文など、伝わらない文章の具体例をあげて徹底解剖。悪文の撃退法を50の鉄則で示し、添削法を明かす。
国立国語研究所の国語学者による共著
日本語のスペシャリストが集う国立国語研究所。その所長であった岩渕悦太郎氏(1905-1978年)を中心に、8人の国語学者が集結。身近な文章を「悪い例」として引用しながら、ときに歯に衣着せぬ批評によって、文章作法の要点をコンパクトに解説する一冊です。
巻末の「悪文をさけるための五十か条」は必携
巻末には、本文の要約と索引を兼ねた「五十か条」を掲載。「長すぎる文は適切に区切る」、「受身形をなるべく少なくする」、「ひとりよがりの新造語や言い回しをさける」など、簡潔な教えが満載なので、文章のプロの中には、この部分をコピーして座右に置く人も少なくありません。
『悪文 伝わる文章の作法』目次より
悪文のいろいろ
わかりにくい文章 / 誤解される表現 / 堅すぎる文章 / 混乱した文章
構想と段落
段落なしは困る / 改行しすぎは段落なしにひとしい / 構想の立たない文章 / 構想のよくない文章
文の切りつなぎ
長すぎる文はくぎる / 判決文のまずさ / ニュース放送のわかりやすさ / すぎたるは及ばざるがごとし / 歯切れのよい文章
文の途中での切り方
中止法のいろいろ / 長い文は読みにくいか / 「そうして結合」をつないだ文 / 連用形による中止法 / 句読法 / 接続助詞の「が」 / 悪文としての中止法
文の筋を通す
首尾が整っていない / 省略がすぎる / 並べ方がまずい / 副詞のおさめが悪い / 助詞へのおさめが悪い
修飾の仕方
助詞のくりかえしと省きすぎ / 並列の一方を忘れた文 / 修飾語のかかり方が乱れた文 / どこにかかるのか、わからない修飾語 / 離れすぎた修飾語 / 長すぎる修飾語 / はさみこみ
言葉を選ぶ
ひとり合点 / 「ように」の使い方一つでも / 引っかかるつながり方 / 無知か、慣用の無視か / あまりにも感覚的 / イメージがちぐはぐ
敬語の使い方
皇室敬語の今と昔 / 敬語の三種と、そのきまり / 敬語のつけすぎ / 敬語の誤用 / 敬語の不足 / 文体の不統一
悪文をさけるための五十か条
書誌情報
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書名: 悪文 伝わる文章の作法
編著者: 岩淵悦太郎
定価: 880円 (本体800円+税)
発売日: 2016年10月25日
判型: 文庫判
商品形態: 文庫
ページ数: 288ページ
ISBN: 9784044000813
https://www.kadokawa.co.jp/product/321510000572/
編著者略歴
岩淵悦太郎(イワブチ エツタロウ)
1905年、福島県生まれ。国語学者。30年、東京帝国大学文学部卒業。同大学助手を経て、大阪高等学校、第一高等学校、東京女子高等師範学校で教授を歴任したのち、国立国語研究所所長。国語学会代表理事、国語審議会委員として、当用漢字表の改革に貢献した。78年、没。
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