プレスリリース
2021年4月20日(水)、第53回「大宅壮一ノンフィクション賞」(主催:公益財団法人日本文学振興会)の候補作が発表され、株式会社KADOKAWAより2021年9月に発売しましたインベカヲリ★著『家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像』もノミネートされました。
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2018年6月9日、走行中の東海道新幹線の車内で男女3人が襲われ、2名が重軽傷、男性が死亡した「新幹線無差別殺傷事件」。「刑務所に入りたい」という動機だったため、一審で無期懲役となった際に犯人・小島一朗は法廷で万歳三唱をしました。控訴せず20年1月に刑が確定。小島は刑務所内で生存権を主張し続けています。本書は約3年にわたる取材によって、小島の理解不能な動機、思考を浮き彫りにした作品です。
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選考会は5月、梯久美子氏・後藤正治氏・佐藤優氏・出口治明氏・森健氏の5選考委員によって行われます(50音順、敬称略)。受賞作は5月13日(金)に発表される予定です。
第53回「大宅壮一ノンフィクション賞」 最終候補作品(五十音順、敬称略)
インベカヲリ★『家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像』(KADOKAWA)
川内有緒『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』(集英社インターナショナル)
鈴木忠平『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』(文藝春秋)
樋田毅『彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠』(文藝春秋)
三浦英之『災害特派員』 (朝日新聞出版)
※情報は公益財団法人 日本文学振興会のWEBサイト等より引用。
( http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/ )
『家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像』について
国家に親代わりを求めた男。
法廷で無期懲役に万歳三唱をし、殺人犯なのに刑務所で生存権を主張し続ける犯人・小島一朗。誰も踏み込まなかったその内面に、異端の写真家が迫る。全真相解明、驚愕の事件ルポ!
犯人はいったい何者なのか?
2008年以降の無差別殺人事件の犯人は前科前歴なし、両親は揃っており、貧困家庭でもなく友人関係に問題もない、「普通」の者が多い。だが、「死刑になるため」「刑務所に入るため」と彼らは犯行に及ぶ。被写体に迫る手法をもって取材を開始し、約3年にわたる取材で理解不能な動機、思考を浮き彫りにする。無差別殺人犯の話を聞いて、聞いて、聞き続けて見えてきたものとは――。
【目次】
序章 鞘─―刑務所に入る夢を叶えた男
第一章 心――写真家が人殺しに興味を持つ理由
第二章 偏―─歩み寄る難しさ
第三章 記―─「むしゃくしゃしてやった、誰でもよかった」の真相
第四章 凶―─餓死することを止め、生きる選択をした
第五章 会―─アクリル板越しの作り笑顔
第六章 家―─浮かび上がるいい子
第七章 迷―─食い違う家族の言い分
第八章 裁―─真実が語られない虚無な裁判
第九章 答――刑務所でしか手に入らないもの
第十章 辿―─犯行時のシミュレーションから感じること
最終章 刑―─自傷行為を通して得られる愛
あとがき
主要参考文献一覧
【著者プロフィール】
インベ カヲリ★
1980年、東京都生まれ。写真家。短大卒業後、独学で写真を始める。編集プロダクション、映像制作会社勤務等を経て2006年よりフリーとして活動。13年に出版の『やっぱ月帰るわ、私。』で第39回木村伊兵衛写真賞最終候補に。18年第43回伊奈信男賞を受賞、19年日本写真協会賞新人賞を受賞。ライターとしても活動しており、「新潮45」などに事件ルポを寄稿してきた。今回、新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の動機に関心を抱き、被写体に迫る手法をもって取材を開始し、約3年をかけて本書を上梓した。写真集に『理想の猫じゃない』『ふあふあの隙間』(1.2.3.のシリーズ)、著書に『ノーモア立川明日香』(共著)、エッセイ集『私の顔は誰も知らない』(2022年5月発売予定)など。
【書誌情報】
書名:家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像
著者名:インベカヲリ★
発売:2021年9月29日(水) 電子書籍も配信中
定価:本体1700円+税
体裁:四六判/並製
頁数:296頁
発行:株式会社KADOKAWA
★作品情報ページ
https://www.kadokawa.co.jp/product/322008000737/
★文芸情報サイト「カドブン」にて【信田さよ子氏の書評を公開中】
https://kadobun.jp/reviews/entry-42486.html
プレスリリース提供:PR TIMES