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資生堂、最先端のエピジェネティクス研究で光老化により肌がくすみやすくなる原因の一端を解明 〜約30,000個の遺伝子から見つけた未来の輝く肌への“鍵”「TIPARP」遺伝子〜

(PR TIMES) 2021年11月29日(月)14時45分配信 PR TIMES


 資生堂は、光老化※1 などの影響により後天遺伝学的(エピジェネティック)に肌がくすみやすくなるメカニズムの一端を解明しました。当社が独自に取得した遺伝子発現データと、外部ビッグデータによるDNAメチル化※2 情報データという2種類の膨大なデータを解析することにより、遺伝子「TIPARP」が光老化によりメチル化され、肌のくすみを抑制するための情報が正常に伝達されなくなることを明らかにしました。また、深海に生息する微生物由来の抽出液が「TIPARP」遺伝子の発現を促進することを見出しました。これにより、DNAメチル化を防ぎ、シミ・くすみに悩むことのない明るい肌をサポートします。本研究の成果の一部は「日本研究皮膚科学会 第45回年次学術大会」(2020/12/11-12/13)、「第30回日本色素細胞学会学術大会」(2021/10/23-10/24)にて発表しました。
本研究は、資生堂独自のR&D理念『DYNAMIC HARMONY』のIndividual/Universalというアプローチで研究を進めています。多くのヒト遺伝子発現データを集めて解析し、肌悩みとの関連性を明らかにしていくことで、お客さま一人ひとりを理想の肌へ導く新たな提案を目指します。
※1 太陽光に含まれる紫外線によって生じる「シミ・シワ」などの肌の老化現象のこと。肌老化の主要な原因とされています。
※2 DNAメチル化:エピジェネティックな遺伝子制御の1つで、遺伝子が持つ遺伝情報に鍵がかかり、適切に読み取れなくなる現象のこと。
[画像1: https://prtimes.jp/i/5794/2065/resize/d5794-2065-c7563979f8c9283d5bed-0.jpg ]


《研究背景》
 当社は、正常な肌と光老化した肌の違いについて調べるために、広範囲な遺伝子を対象に研究を行ってきました。2006年には、当時の化粧品業界において非常に画期的であった「DNAマイクロアレイ法」という網羅的な解析手法を用いて、非露光部/露光部/シミ部位の肌の約3万個の遺伝子情報を独自に取得し、各部位の遺伝子発現の違いを明らかにしました。その後、浴びた紫外線量や生活習慣によりDNA情報が後天的に変化するメカニズムである“エピジェネティクス”がこれらの遺伝子発現の変化を引き起こす一端であると考え、更に研究を進めてきました。今回、こうして積み重ねてきた当社の研究知見と公共のビッグデータを融合した膨大なデータを解析し、より本質的かつ正確に光老化がもたらす肌への影響の原因探索を行いました。

《光老化によりエピジェネティックに制御される遺伝子「TIPARP」》
 「TIPARP」は抗酸化因子の一種で、黄ぐすみやメラニン産生を防ぐ作用をもつなど、肌の明るさに関連しています。今回、2種類の膨大な遺伝子情報データを当社独自の方法でバイオインフォマティクス解析※3 を行ったところ、紫外線などによる光老化の影響で「TIPARP」遺伝子の発現制御領域がメチル化し、エピジェネティックに発現が抑制されるため、肌がくすみやすくなることがわかりました。
※3 バイオインフォマティクス解析:主に生物学のデータを、統計学やプログラミングスキルなど情報科学の手法によって解析する技術。
[画像2: https://prtimes.jp/i/5794/2065/resize/d5794-2065-0d745de58a7da4e7f8f2-1.jpg ]

[画像3: https://prtimes.jp/i/5794/2065/resize/d5794-2065-4ba6dce9ae0c580a34c2-2.jpg ]

《「TIPARP」産生を促進する薬剤の探索》
 遺伝子は一度メチル化されると元に戻ることはできず、情報が適切に読み取れなくなります。また、メチル化されていない状態でも、使用されない状態が続くとメチル化されやすくなることが分かっています。そこで、「TIPARP」遺伝子の発現を促進し、常に使われている状態をつくりだすことで、くすみにくい肌を維持できると考えました。
有用な薬剤の探索を行い、深海に生息する微生物由来の抽出液が「TIPARP」遺伝子発現を促進する効果があることを見出しました。また、抽出液を配合した基剤を連用することで肌の黄ぐすみを減少させることができました。


[画像4: https://prtimes.jp/i/5794/2065/resize/d5794-2065-120094368ac9004e2ab4-11.jpg ]


《今後の展望》
 最先端のエピジェネティクス研究により、これまでに浴びてきた紫外線量に関わらず、くすみをケアする新たなアプローチを見出すことに成功しました。「TIPARP」の発現を高めることで、エピジェネティックな変化で衰えたくすみ改善機能を正常な状態に近づけることができると考えられます。今後も、当社の企業ミッションである「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(ビューティーイノベーションでよりよい世界を)」の実現に向けて、エピジェネティックな変化と肌悩みに着目した研究を進め、一人ひとりの理想の肌を実現する美のイノベーションを届けます。

R&D理念「DYNAMIC HARMONY」とは
・資生堂、独自のR&D理念「DYNAMIC HARMONY」を制定(2021年)
 https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003252&rt_pr=trj93

・「DYNAMIC HARMONY」特設ページ
 https://corp.shiseido.com/jp/rd/dynamicharmony/?rt_pr=trj93

▼ ニュースリリース
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003266&rt_pr=trj93

▼ 資生堂 企業情報
https://corp.shiseido.com/?rt_pr=trj93



プレスリリース提供:PR TIMES

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