プレスリリース
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国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学(以下岐阜大学)が、工学部の実践的なAI教育の一環としてNVIDIAのエッジコンピューティング向けのプラットフォーム、NVIDIA Jetson とNVIDIAの教育プログラムを導入することを発表しました。工学部電気電子・情報工学科情報コースに所属する学部3年生約70名にそれぞれ1台、NVIDIA Jetson Nano 開発者キットが支給され、画像認識、ロボット制御、音声認識などを実装することを通じてエッジAI技術を習得し、実践、発信できる力を養成します。このように大学の正式カリキュラムにこの規模でJetsonが導入されるのは、国内において先駆的な取り組みです。
東海地方屈指のAI研究拠点を持つ岐阜大学が、Jetsonでより高度なAIの実践を目指す
AIがあらゆる学問領域に波及するのを受け、岐阜大学は全学にAI、IoT、データサイエンスの最新技術を供給するとともに、学部間を跨ぐ研究組織形成の窓口として2019年に人工知能研究推進センターを設立しました。学生および教員に対する最先端のAI教育にとどまらず、地域企業との共同研究支援や社会人のリカレント教育も行い、地域産業への最新技術、AI技術者の研究拠点となることを目指しています。医農工教を横断するAI、IoT、データサイエンス研究拠点としては東海地方初となります。また、岐阜大学では、全学の学生に対し数理・データサイエンス教育を導入し、文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」にも認定されています。このように岐阜大学では、すべての学生にデータサイエンス、AIの教育を積極的に導入しています。
工学部電気電子・情報工学科情報コースは情報科学の基礎理論だけではなく、実践を通じた技術の習得に注力しているため、実践的な科目が多いことが特長であり、プログラミングの基礎から応用、また習得した技術を用いた制作やグループワーク、体験型科目にも力を入れています。今回Jetsonが導入されることになったのは、3年生が受講する「情報工学実験III」です。
実験科目を担当する岐阜大学人工知能研究推進センター長の加藤邦人教授は次のように述べています。「これまでも『情報工学実験I〜III』では学生がマイコン等を活用した作品づくりに取り組んできましたが、AI のプログラミングにおいて従来の簡易的なマイコンでは性能不足を感じていました。Jetson Nanoは小型ながら472 GFLOPS というパワフルな演算性能を持つため、学生はより自由な発想で高度なAI作品を生み出すことができるでしょう。ディープラーニングは日々飛躍的進化を遂げており、技術革命のスピードに日本の研究者がついていけていないという事実があります。学生のうちから実践を通じてAIの特性を理解し、実際に手を動かして学ぶということが社会で活躍する人材を育成するためには必要不可欠です。そのためのツールとしてJetson Nanoは最適であると感じたため、おそらく日本の大学初と言える大規模な導入に踏み切りました。」
また、工学部にある既存のNVIDIA GPU搭載PCでトレーニングしたAIをより簡単にエッジに実装できるようになるため、トレーニングから推論まで、エンドツーエンドのAI開発の流れをより深く、より迅速に学ぶことができるようになることも期待されます。
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AIの認定資格、Jetson AI Specialistの取得にチャレンジ
「情報工学実験III」は2023年10月から2024年2月までの4か月間実施され、エッジAIの仕組みを理解したうえで学生自身がAIプロジェクトを設計、実装、評価するアクティブ ラーニングを促します。シラバスでは、以下のように目標と授業内容を予定しており、手掛けたプロジェクトはAIとJetsonの基礎的な実践スキルを習得した証明であるNVIDIAの認定資格、Jetson AI Specialist(https://developer.nvidia.com/ja-jp/embedded/learn/jetson-ai-certification-programs)の取得を目指します。Jetson AI Specialistの取得過程にはNVIDIAが提供する無料の教育キット(https://www.nvidia.com/ja-jp/training/educator-programs/)のオンライン トレーニングやテストの受講などが含まれています。教育現場のカリキュラムを強化するために世界中の教育機関で活用されており、今回、加藤教授も科目内容を考案するうえで本教育キットを参考にしています。また、学生はNVIDIAの開発者向けコミュニティサイト(https://developer.nvidia.com/embedded/community/jetson-projects/)で公開されている、Jetsonを用いた世界中のAIプロジェクトを参考にすることもできます。
初回はNVIDIAの日本法人の社員がゲスト講師として登壇し、JetsonやNVIDIAが提供する上記のさまざまなリソースを紹介することで今後の学習に向けて理解を深めてもらうほか、世界中のAI研究開発の最新動向なども紹介する予定です。
<「情報工学実験III」のシラバスにおける、到達すべき目標>
・Jetson Nanoを用いた画像処理、ロボット制御、音声処理技術について理解する
・理解した技術を用いて実際に組み込み開発を行う
・成果物をプレゼンテーション、デモンストレーションする
・成果物のアイデアによってJetson AI Specialist認定を受ける
<授業計画>
1週目: Jetson Nanoの基礎
2週目: ディープラーニングの学習とJetsonでの実行
3週目: Jetson Nanoを用いた音声処理の実験
4週目: Jetson Nanoを用いたロボット制御の実験
5週目: Jetson Nanoを用いた画像認識の実験
6週目: 自主アイデアの立案と計画作成
7-14週目: 自主アイデア制作
15週目: 成果発表
Jetsonを活用したNVIDIAの教育支援
AIのエコシステムを構築する世界的リーダーとして、NVIDIAはAIやプログラミングに取り組む学生や教育者を積極的に支援しています。その取り組みの一つとして、Jetson開発者キットを現在、学生や教育関係者向け特別価格で提供しています。詳細は、国内で Jetson 製品を販売している菱洋エレクトロ株式会社(https://ryoyo-gpu.jp/products/jetson/academic-special_price/)のプログラムをご覧ください。
また、NVIDIAはJetson AI Specialistのほかに、教育者を対象とした、Jetson を使用した AI 教育の指導力を認定するJetson AI Ambassadorの資格も設けています。詳細はこちら(https://developer.nvidia.com/ja-jp/embedded/learn/jetson-ai-certification-programs)をご覧ください。
プレスリリース提供:PR TIMES