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「主観的な『キャリア充足度』と役職や年収との関係性」に関する研究結果を公開

(PR TIMES) 2022年02月04日(金)18時45分配信 PR TIMES

株式会社リンクアンドモチベーション(本社:東京都中央区、代表:小笹芳央、証券コード:2170、以下当社)の研究機関モチベーションエンジニアリング研究所(以下当研究所)は、「主観的な『キャリア充足度』と役職や年収との関係性」に関する調査を行いましたので、結果を報告いたします。
[画像1: https://prtimes.jp/i/6682/315/resize/d6682-315-15d0e59f7c711ef09e98-0.png ]




調査背景

2010年代以降、人手不足の経済環境、終身雇用・年功序列制度の見直しなどにより、転職が身近なものになりつつある。また、未だ収束を見せないコロナ禍の影響を受け、個人は一つの企業に依存したキャリアを描くよりも、自身が望むキャリアを実現するために会社や仕事を選択するという、自立した考え方が求められる時代になってきている。

こうしたキャリア観の変化に加え、第四次産業革命をはじめとした環境の急速な変化に伴い、求められるスキルが急速に変化し、「リスキル」の重要性も叫ばれている。
このようなキャリアの大転換期を個人や企業はどのように乗り切るべきなのか。

本調査ではキャリアという非常に抽象的で曖昧な概念に対して、主観的な指標である「キャリア充足度」=「個人が希望するキャリアやスキルに対してどの程度満足しているか」を定義し、企業内の個人に対してキャリア充足度を測定するサーベイを実施した。加えて、客観的なキャリア指標の一つといえる、年収や役職についても調査をし、主観的なキャリア充足度と客観的なキャリア指標の間にどのような関係性があるのか分析を行った。



調査概要

■適性検査「BRIDGE-C」データを活用した分析
リンクアンドモチベーショングループ(以下、LMG)が持つ適性検査「BRIDGE-C」による「キャリア充足度」データと回答者の年収・役職データを分析し、年収、役職ごとにキャリア充足度にどのような変化が表れるのかを調査した。

<適性検査「BRIDGE-C」の概要>
「BRIDGE-C」とは受検者が自身のキャリアやスキルに対する希望度・実現度を5段階で回答することで、自身の現在のキャリア充足度と今後のスキルの強化ポイントを確認するための適性検査である。

キャリアに対しては「キャリアビジョン」「キャリアヒストリー」「ビジネススタイル」「ライフスタイル」に対する満足度を測定し、スキルに対しては「テクニカルスキル」「ポータブルスキル」に対する、希望度・実現度を測定する。(図1参照)

全ての回答結果を総合し、「キャリア充足度」のスコアとして「キャリアディベロップメントスコア(以下、CDS)を算出している。

[画像2: https://prtimes.jp/i/6682/315/resize/d6682-315-45eb69f01a812794a7fb-1.png ]

                  図1 適性検査「BRIDGE-C」の構成要素

<データ収集期間>
2021年9月〜2021年11月

<調査対象>
「BRIDGE-C」の実施と、年収・役職データの提供にご協力いただいた企業の従業員
企業数:5社
総回答者数:3,913名

<各属性分布>
年収別、役職別の分布を図2、3に示した。
[画像3: https://prtimes.jp/i/6682/315/resize/d6682-315-9977baa9598d5b254742-2.png ]

                      図2 年収別分布           

[画像4: https://prtimes.jp/i/6682/315/resize/d6682-315-7509e5ccd708f0b5e8f3-3.png ]

                      図3 役職別分布



調査結果

■主観的なキャリア充足度が高い人ほど、客観的なキャリア指標である年収や役職が高い傾向にあることが
明らかになった。

1. キャリア充足度CDSと年収・役職の関係性

各年収、役職ごとのCDSを以下の図4、5に示した。

これより、全体的には年収や役職が向上するとともにCDSが高くなる傾向にあることが分かった。
一部年収600万円〜900万円の層や係長・主任において、CDSが維持傾向にあるものの、総じて主観的なキャリア充足度と客観的なキャリア指標(年収・役職)は影響関係にあると考えられる。

[画像5: https://prtimes.jp/i/6682/315/resize/d6682-315-d930273f6ecacf164553-4.png ]

           図4 年収とCDSの関係           図5 役職とCDSの関係


■管理職以上では役職が上がるごとにキャリアへの満足度は上昇傾向にある一方、中堅社員においては
入社後の経歴や現在の仕事・生活環境への不満が高まっており、将来のキャリア像も明確に描けて
いない状態にあると想定される。

2. 役職別のキャリアへの満足度の変化

各役職別にキャリアへの満足度を算出したものを図6に示す。

これより、一般社員から係長・主任にかけては、全てのキャリア項目への満足度が低下し、管理職である課長以上に昇格するにつれて、満足度が上昇することが分かった。
一般社員から係長・主任にかけては「キャリアヒストリー」「ビジネススタイル」「ライフスタイル」の満足度の低下幅が大きく、入社後の経歴や現在の仕事・生活環境に不満を感じていると想定される。また、「キャリアビジョン」については、一般社員、係長・主任ともに最低の満足度となっており、中堅社員以下では自身のキャリアを明確に描けていない従業員が多いものと想定される。

[画像6: https://prtimes.jp/i/6682/315/resize/d6682-315-726ffc8b1e43d92e1ce7-5.png ]


                 図6 役職別のキャリアへの満足度



結論

主観的な「キャリア充足度」が高い人ほど、年収や役職も高い傾向にあることが明らかになった。
一方で中堅社員ではキャリア充足度に停滞期が存在し、キャリア不安に陥っている可能性が示唆された。
企業は環境変化に対応するためのスキル開発を一方的に行うのではなく、個人のキャリアを共に描き、
従業員のキャリア充足度が高まるような取り組みを行うことが重要ではないだろうか。

調査の結果、主観的なキャリア充足度が高い人ほど、客観的な指標である年収・役職が高い傾向にあることが明らかになった。

また、キャリアを目標・経歴・仕事環境・生活環境に分類し、それぞれに対する満足度を役職別に調査した結果から、管理職以上では役職が上がるごとに総じてキャリアへの満足度は上昇傾向にある一方、中堅社員においては入社後の経歴や現在の仕事・生活環境に対する不満が高まっており、将来のキャリアを明確に描けていない状態にあることが分かった。

以上より、管理職は元々のキャリア充足度が高く、役割上、責任範囲が大きい仕事が任されることで、より仕事にやりがいを感じ、キャリア充足度が高まるというポジティブサイクルに入っている一方、中堅社員は元々のキャリア充足度が低く、責任範囲も相対的に小さいことから、仕事のやりがいが感じづらく、キャリア充足度が高まらないというネガティブサイクルに陥っているのではないかと考える。

本調査では、「キャリア充足度」が高い人ほど、客観的な指標である年収・役職が高い傾向が分かった。一方で中堅社員においてはキャリア充足度が停滞傾向にあり、企業は彼らのキャリアの明確化をサポートし、キャリア充足度を高めつつ、適切なキャリアパスを提示することが重要だということも示唆された。

これからの企業経営において、従業員のキャリア充足度はますます重要になるものと想定される。現在、各企業では環境変化に対応すべく様々なリスキル施策が行われているものの、それらのスキルはあくまでも企業側が環境適応のために従業員に求めているスキルであり、従業員自らが希望しているものとは必ずしも一致していないと推察される。企業は環境変化に対応するためのスキル開発を一方的に行うのではなく、個人のキャリアを共に描き、従業員のキャリア充足度が高まるような取り組みを行うことが重要ではないだろうか。



発行責任者のコメント

今回のレポートでは、キャリアという非常に抽象的で曖昧な概念に対し、個人から見たときの主観的な指標として「キャリア充足度」=「個人が希望するキャリアやスキルに対してどの程度満足しているか」を定義し、複数の企業で従業員の「キャリア充足度」を調査しました。また、客観的なキャリア指標と言える年収や役職についても「キャリア充足度」と紐付けて調査し、キャリア充足度と年収・役職との間にどのような関係があるのかを探りました。

調査の結果、「キャリア充足度が高い人ほど年収や役職も高い傾向にあること」が明らかになりました。

キャリア充足度の高まりに伴い、責任範囲が大きい役割・仕事が任され、仕事にやりがいを感じ、さらにキャリア充足度が高まるというポジティブなサイクルが回っていることが推測されます。

一方で、管理職手前の中堅社員は相対的にキャリア充足度が低いことが確認されました。責任範囲が相対的に小さい状況で、仕事のやりがいを感じにくく、キャリア充足度が高まらないというネガティブなサイクルに陥っている可能性があります。

コロナ禍において「個人から選ばれない会社は生き残れない」状況は加速しており、企業経営において、従業員のキャリア充足度を高めることは今後益々重要になるものと想定されます。

企業は環境変化に対応するための従業員のリスキルを一方的に行うだけではなく、従業員のキャリアを共に描き、キャリア充足度が高まるような取り組みを併せて行うことが重要なのではないでしょうか。


プロフィール
[画像7: https://prtimes.jp/i/6682/315/resize/d6682-315-aecc68531920de3a32af-6.jpg ]


大島 崇(おおしま たかし)
株式会社リンクアンドモチベーション


モチベーションエンジニアリング研究所 所長


2000年 京都大学大学院エネルギー科学研究科卒業
2005年 住商情報システム株式会社を経て株式会社リンクアンドモチベーションに入社
2010年 モチベーションマネジメントカンパニー 執行役部長に就任
大手企業向けの組織変革や人材開発で多くのクライアントを担当
同時に商品統括ユニット、モチベーションエンジニアリング研究所を兼任し、新商品を開発
2015年 モチベーションエンジニアリング研究所 所長に就任
2022年 当社執行役員(モチベーションエンジニアリング研究所管轄)に就任


<リンクアンドモチベーショングループの概要>
・代表取締役会長:小笹 芳央
・資本金:13億8,061万円
・証券コード:2170(東証一部)
・本社:東京都中央区銀座4-12-15 歌舞伎座タワー15階
・創業:2000年4月
・事業内容
組織開発ディビジョン(コンサル・クラウド事業、IR支援事業)
個人開発ディビジョン(キャリアスクール事業、学習塾事業)
マッチングディビジョン(人材紹介事業、ALT配置事業)
ベンチャー・インキュベーション



プレスリリース提供:PR TIMES

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