プレスリリース
ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:釘丸和也)は、シミに対する皮膚内の神経の影響を研究した結果、以下を発見しました。
・ヒメフウロエキスに、神経の影響によるメラノサイト※1の活性化を抑制する作用があること
このことから、ヒメフウロエキスは、皮膚内の神経がシミに与える影響を軽減することができると期待されます。本成果は、ポーラ・オルビスグループから発売される製品・サービスなどに活用される予定です。
※1 メラニンを産生する色素細胞。
シミ部位には神経線維が多く、神経がシミ形成の一因になっている
ポーラ化成は以前の研究で、シミ部位では皮膚の内部(真皮上層)で神経線維が増加していることを見出しています※2(補足資料1)。このことは、神経が増加することで、神経から何らかの因子が皮膚の内部にたくさん分泌され、シミの引き金になっていることを示唆しています。そこで、神経からの影響を抑えることでメラノサイトでのメラニン産生を抑制することのできるエキスを探索することとしました。
※2 「シミの部位には神経が集まっていたことを初めて解明」(2019年11月5日) http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20191105.pdf
ヒメフウロエキスに神経からの影響を抑制してメラノサイト活性化を抑制する効果を発見
実験では、培養した神経細胞に対してさまざまな植物エキスを添加し、神経での分泌活性を調べていきました。その結果、ヒメフウロという植物から抽出したエキス※3に、神経での分泌活性を抑える作用があることを発見しました(図1)。 ※3 ポーラ化成工業オリジナル製法で得られたもの
さらに、実際にメラニン産生が抑制されるか確かめるため、ヒメフウロエキスとともに培養した神経細胞の培養液をメラノサイトに添加する実験を行いました。その結果、ヒメフウロエキス無しで培養した神経細胞の培養液を添加したときに比べて、ヒメフウロエキスとともに培養した神経細胞の培養液を添加したメラノサイトは、色が濃くなりにくいことが分かりました(図2)。これは、エキスの作用により神経から分泌される何らかのメラノサイト活性化因子の量が抑えられたことで、メラノサイトで作られるメラニンが少なくなったためだと考えられます。
このことから、ヒメフウロエキスは、神経からメラノサイトへの影響を軽減することで、皮膚の奥からのシミ原因を効果的に抑制すると期待されます。
[画像1: https://prtimes.jp/i/36737/277/resize/d36737-277-9436bf965c0da978a2e5-0.png ]
【補足資料1】 神経がメラノサイトに働きかけメラニン色素の産生を促進しシミを形成させる
ポーラ化成のこれまでの研究から、シミ部位の皮膚の奥では、真皮上層に神経線維が密に存在していることが分かっています※2(図3)。そのことから、神経線維がメラノサイトに働きかけ、シミに影響を及ぼしているのではないかと考え、研究を進めていました。
皮膚の内部にある神経が表皮のメラノサイトに働きかけてシミの形成を促しているという考えは、これまでの皮膚科学研究では全く知られていないことでした。また、頬には神経線維が多く※4、シミがその部位にできやすいのは神経が影響している可能性が考えられます。また、レーザー治療でシミを治しても、同じ場所にまたシミができてしまうことも知られていますが、これにも神経が関与している可能性があります。
※4 「第31回国際化粧品技術者会連盟世界大会にて「シミはなぜそこにできるのか」について発表」(2020年10月16日)
http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20201016_03.pdf
[画像2: https://prtimes.jp/i/36737/277/resize/d36737-277-9c90306866c11df8f408-1.jpg ]
プレスリリース提供:PR TIMES