プレスリリース
耐久性と耐水性に優れ、水と森林資源を守る環境配慮型素材
株式会社TBM(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:山崎敦義、以下TBM)の、石灰石を主原料とする「LIMEX Sheet(ライメックスシート)」80μmが、環境省が発行する「日光国立公園 冒険手帳」に採用されました。
LIMEX Sheetは2020年より、「日光国立公園 冒険手帳」に採用されていましたが、この度、LIMEX Sheet 150μmからLIMEX Sheet 80μmに切り替えることで、冊子全体が薄く軽くなっただけでなく、資源利用を抑え、環境負荷を低減することができました。同シートは厚さが80μmと、一般的な上質紙(コピー紙)と同等かやや薄めでありながら、紙と比較し、耐久性と耐水性に優れています。また、製造時に必要とされる水使用量を大幅に削減でき、製品の原料に木材パルプを使用しないため、森林資源の保全にも貢献できます。
「日光国立公園 冒険手帳」は、日光湯元ビジターセンターや那須高原ビジターセンターで配布を開始しています(冊子内のスタンプラリー実施期間:2022年3月31日まで)。国立公園内の自然・歴史・文化・グルメ・アクティビティなどが、豊富なイラストにより分かりやすく紹介されており、公園内の魅力を楽しみながら学習する事ができる小中学生向けに作られた手帳です。冒険手帳を片手に、日光国立公園を巡りスタンプを集めることで、オリジナルグッズ「日光国立公園特製手ぬぐい」がもらえます。
LIMEX Sheet 特設ページ:https://tb-m.com/lp/limex_sheet-offset2203/
[画像: https://prtimes.jp/i/16815/232/resize/d16815-232-246fcfb6fc4923b7803e-0.png ]
■ 背景
通常、紙を生産するには、その製造時に水資源と紙の原料に森林資源を必要とします。一方、2050年までに世界人口の51%が高い水リスク*1に陥る可能性が予想され、2015年以降毎年約10万平方キロメートル*2の天然林が失われるなど、水と森林資源に対する企業の対応が求められています。2021年11月に開催されたCOP26(第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議)では、「森林と土地利用に関するグラスゴー首脳宣言」が発表され、日本を含む100カ国以上(世界の森林の86%を占める)が2030年までに森林破壊を無くすという目標に合意しました。
LIMEX Sheetは紙と比較し、製造時に必要とされる水資源を約97%削減することができ、原料に木材パルプを使用しないため、枯渇リスクのある天然資源の保全に貢献できます。また、PP(プリプロピレン)やPET(ポリエチレンテレフタート)製のシートと比較し、CO2を含む温室効果ガスと石油由来プラスチック使用量を削減することが可能です。さらにLIMEX Sheetは、製造過程で生じる端材や使用済みのLIMEX製品を回収し、再資源化するマテリアルリサイクルが可能です。今後、既存のリサイクル設備や今秋竣工予定の横須賀リサイクルプラントをLIMEXの資源循環のプラットフォームとして活用して、再生材料を使用した文具や日用品、物流や建築資材等、多様な射出成形品の普及にも取り組んで参ります。
*1 WWF “Water Risk Scenarios”(2020)|*2 FAO “Global Forest Resources Assessment 2020” (2020)
■ LIMEX Sheet 80μmの特徴
LIMEX Sheet 80μmは当社の第二工場である多賀城工場(宮城県多賀城市)で、2021年12月より量産を開始しました。厚さが80μmと、一般的な上質紙(コピー紙)と同等かやや薄いことに加え、白色度が高く、しなやかでソフトな特徴を持つため、紙の代替として幅広い用途に使用できます。さらに多賀城工場は、第一工場の白石工場(宮城県白石市)と共に実質「100%再生可能エネルギー」で「CO2排出係数ゼロ」の電力を使用しており、薄さ等の品質だけでなく環境負荷の低さが評価され、行政や企業の発行するカタログやガイドブック、マップ等に広く採用されています。
特徴 1 価格安定性と価格優位性
LIMEX Sheetの主原料である石灰石は国内自給率が100%で地球上に非常に豊富に存在する資源のため、価格の変動(ボラティリティ)が少なく、安定した価格での提供が可能です。LIMEX Sheet 80μmは、アート紙やコート紙等と比べても価格的な競争力を有しています。
特徴 2 優れた耐久性と耐水性
LIMEX Sheet 80μmは紙と比較し、耐久性と耐水性に優れているため、野外で繰り返し使用するスタンプラリー手帳やガイドブック、マップ等の利用に適しています。※耐水性は、使用するインキにより異なる
特徴 3 鮮明な印刷と上質な質感
LIMEX Sheet は、高級感のあるマットで上質な質感が特徴です。色の再現性に優れているため、鮮やかな色遣いが求められるお子様向けの印刷物に適しています。UVオフセット印刷に加え、油性オフセット印刷も対応しています。
■ LIMEX(ライメックス)とは https://tb-m.com/limex/about
LIMEXは、炭酸カルシウム等、無機物を50%以上含む、無機フィラー分散系の複合素材です。LIMEXは8,000以上の企業や自治体にて採用されており、世界40ヵ国以上で特許を取得、COPやG20の国際会議で紹介される他、日本の優れた技術として、UNIDO(国際連合工業開発機関)のサステナブル技術普及プラットフォーム「STePP」 に登録されています。プラスチックや紙の代替製品を製造する際に使用する石油や水や森林資源等枯渇リスクの高い資源の保全に貢献することが可能です。また、ライフサイクルアセスメント(LCA)という科学的分析手法を用いて、製品の原材料調達から生産、流通、使用、廃棄に至るまでのライフサイクルにおける環境影響を算定し、素材開発に活用しています。
<石灰石について>
LIMEXの主原料である石灰石は地球上に豊富に存在し、資源輸入国である日本においても自給自足可能な資源です。そのため原油価格の変動に左右される石油由来プラスチック等と比較して、安定した価格での原料調達が可能であり、その供給面においても安定性を有しています。さらに、石灰石は環境保全性において、石油由来プラスチックと比較して、原材料調達段階のCO2排出量を約50分の1に抑えることができ、焼却時のCO2排出量を約58%削減できます。
<リサイクルについて>
LIMEXは、無機成分を主成分とする無機・有機複合マテリアルのJSA規格(JSA-S1008)の対象素材であり、LIMEXの主要構成素材である無機物と熱可塑性樹脂を分離することなく再生利用が可能であるため、単一素材で設計された製品と同様、再資源化の可能性が担保されています。これまでに事業者や消費者、自治体と連携し、既存のリサイクル設備を活用したLIMEXのマテリアルリサイクルの取り組みを数多く実施しています。
■ 株式会社TBM
代表取締役CEO:山崎 敦義
本社:東京都千代田区有楽町1-2-2 15F
設立:2011年
資本金: 234億2,993万円(資本準備金含む)/ 2021年7月時点
事業内容:環境配慮型の素材開発及び製品の製造、販売、資源循環を促進する事業等
URL :https://tb-m.com/
2013年 経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」に採択
2014年 国内特許を取得し、現在、日中米欧を含む40ヵ国以上で登録。その他100件以上の特許出願を実施
2015年 宮城県白石市に年産 6,000トンの LIMEX を製造する第一プラントを建設
2015年 経済産業省の「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金(製造業等立地支援事業)」に採択
2016年 米国シリコンバレーの「Plug and Play」で初の 『世の中に最も社会的影響を与える企業ソーシャルインパクトアワード』を受賞
2018年 COP24(第24回国連気候変動枠組条約締約国会議)に日本政府代表団として参加
2019年 軽井沢で開催された「G20イノベーション展」に出展。G20大阪サミット2019の会場での運営品としてLIMEX製品が採用
2019年 中国・河南省、モンゴルでのLIMEX事業化に向けた基本合意を締結
2019年 代表取締役 CEOの山崎敦義が、「EY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー 2019 ジャパン」
Exceptional Growth 部門「大賞」を受賞
2020年 使用済みプラスチックなどの再生材料を50%以上含む素材「CirculeX(サーキュレックス)」を発表
2020年 100%再生可能エネルギーの電力を LIMEX の生産拠点に導入
2020年 BtoC向けのEC事業「ZAIMA」を開始
2021年 宮城県多賀城市に年間23,000 トンの LIMEXを製造する第二プラントを建設
2021年 韓国財閥のSKグループと135億円の資本業務提携を合意
2021年 神奈川県横須賀市で国内最大級のリサイクルプラントのプロジェクトを始動
*本リリースに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
*本リリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
プレスリリース提供:PR TIMES