プレスリリース
「推しエンタメブランドスコープ」「エンタメリーチトラッカー」
年末に開催される「第74回NHK紅白歌合戦」の出場者が発表されました。毎年恒例の紅白がどの程度盛り上がるかは、出場歌手のパフォーマンスを見たいというファンの熱にかかっているでしょう。今年の紅白の出場者にはどの程度ファンがいて、ファン層はどのように広がっているのでしょうか。
エンタテイメント業界に向けたデータ×デジタルマーケティングサービスを提供するGEM Partners株式会社(ジェムパートナーズ、所在地:東京都港区、代表取締役:梅津文)は、弊社の新商品「推しエンタメブランドスコープ」及び「エンタメリーチトラッカー」のデータをもとに、紅白の司会者、出場歌手の推しファンから作られる「エンタメブランド価値」、そして音楽アーティストとしてのリーチ力に基づき、番組全体としてどのような人たちを引き付けるのか、棚卸をしました。
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推しファンから作られる「エンタメブランド価値」から紅白を考える
「第74回NHK紅白歌合戦」の司会者、および出場歌手は以下の通りです。
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『乃木坂46』が今年の紅白を引っ張る?
以下は、「推しエンタメブランドスコープ」の2023年1月〜10月までのデータをもとに作成した、司会者を含む出場歌手の「推しファン」が作るエンタメブランド価値(GEM指数)のランキングです。
「推しエンタメブランドスコープ」では、市場におけるコンテンツファンの広がり(推しファン人数※)と深さ(支出金額と接触日数で測られる関与度)から、エンタメブランドの価値を測る総合指標「GEM指数」を算出しています。※そのエンタメブランドを今、好き/推している/はまっているとして挙げた回答者の人数(15-69歳の国内人口に合わせて重み付けを実施)
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まず、音楽や特定の分野を問わず、その人にはまっている「推しファン」から作られるエンタメブランド価値(GEM指数)をみてみます。 紅白歌合戦出場者の中では『乃木坂46』のGEM指数が圧倒的に多くTOPとなりました。『乃木坂46』は総合ランキングにおいても上位に位置し、歌手・アイドルグループでは総合1位の『Snow Man』に次ぐ8位にランクインする「推され度合い」を誇ります。出場歌手のなかでファンの熱量を最も集めるのは『乃木坂46』となりそうです。
続いて、『Stray Kids』『SEVENTEEN』、同じ坂道グループの『櫻坂46』がランクインしており、「推しファンの熱量」はこういったアイドルグループがけん引することが予想されます。
なお、6位には、今年初出場となる『すとぷり』がランクイン。『すとぷり』は動画配信サイトやSNSなどを中心に活動し、注目を浴びている6人組のエンタテイメントグループです。
司会の有吉弘行は老若男女の支持を集める
続いて、紅白歌合戦出場者の“推しファン”の特色をみてみます。以下は、横軸に女性割合、縦軸に推しファンの平均年齢を取って散布図に配置したものです。右に行くほど推しファンの女性割合が増し、上に行くほど平均年齢があがります。
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こうしてみると、女性若者層、女性年配層とも、それぞれに人気の出場者がいることが分かります。一方、男性に人気のタレント・アーティストをみると、平均年齢がどちらかに偏ったタレント・アーティストはあまりおらず、それぞれの平均年齢は全体の平均値に集中しています。
なお、司会の有吉弘行は、女性割合56.2%、平均年齢42.7歳で中央に位置しており、「老若男女問わず人気もの」で、総合司会としてふさわしいファンの構成比といえそうです。
男性ソロアーティストが「忠実な長年のファン」を引き付け
では、「ファンの忠誠度が高い」タレント・アーティストは誰でしょうか。ここでは、その人の存在がもはや“人生の一部である”とまで答える「信者」の割合を横軸に、平均ファン歴を縦軸においてみてみます。
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まず、信者割合が高く、ファン歴の長いタレントとして『さだまさし』『藤井フミヤ』が突出しています。懐かしい曲を聴くことを楽しみにしているファンの存在がうかがえます。
一方、ファン歴は必ずしも長くはないが、すでに高い割合の信者を集めているタレント・アーティストとして、初出場の『キタニタツヤ』『すとぷり』が突出しています。
これらのタレント・アーティストの推しファンは、「特にものすごく熱量の高いコアファン」の含有率が他と比べて高い、といえそうです。こうしたアーティストの出演の際には、人気度に比してSNS・ネットにおいてコアファンが特に熱を帯びて盛り上がるかもしれません。
「音楽・アーティスト」としてのリーチ力
ここまで音楽に限らない様々な分野での「推しファン層」のデータをもとに、司会者、出場歌手をみてきましたが、紅白歌合戦は「音楽番組」です。普段からどのぐらいの人々が出場歌手に接しているのでしょうか。また、その接触の特色はどのようなものでしょうか。
「エンタメリーチトラッカー」は、日次で調査を行い、人々がどのようなエンタメに接しているかを、映像、マンガ・書籍、ゲーム、音楽・ラジオにわたって調査し、週次で集計しているデータをもとに、「人々がどんなエンタメにどのぐらい、どのように(メディアタイプ、サービス)接しているか」を示す「リーチpt」で理解できるダッシュボードです。調査は7月より開始しており、7月から11月12日までのデータをもとに棚卸をします。
リーチ力は『YOASOBI』が圧倒的
以下は、今年の紅白歌合戦の出場者に関して、本サービス調査開始となる7月からの音楽に関するリーチptの合計ランキングです。出場者のリーチ力は、『YOASOBI』が圧倒的で、2位に入った初出場の『Mrs. GREEN APPLE』の倍以上となっています。「推しエンタメブランドスコープ」のGEM指数では1位だった『乃木坂46』はここでも6位と上位に入りました。「コアなファン層」の「推し度」だけでなく、多くの人に楽曲がリーチしていることがうかがえます。
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リーチ層の男女割合は紅白ともによいバランス、ただし「シニア女性」にリーチしているアーティストが少なめ
続いて接触者の属性をみてみます。まず、男女比では、紅組アーティストは男性が多めが多く、逆に白組は女性が多めのアーティストが多くなりました。特に、白組の男性アイドルグループである『すとぷり』『BE:FIRST』『JO1』『SEVENTEEN』『Stray Kids』は女性割合がほぼ9割となっています。
ただし、それぞれ逆の比率のアーティストも存在しており、リーチ層の男女比はそこまで偏っていないとみられます。
年代別構成比でも、「若者中心」「シニア中心」とばらついていますが、白組の若者層多めの『すとぷり』『SEVENTEEN』『Stray Kids』『Mrs. GREEN APPLE』『キタニタツヤ』はいずれも初出場であり、こうした新しい人気のアーティストにより若い視聴者層に訴求する意図がうかがえます。
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「推しエンタメブランドスコープ」で行ったように、横軸にリーチ者の女性割合、縦軸にリーチ者の平均年齢を取って散布図に配置すると以下の通りとなります。アーティスト数としては、「男性シニアにリーチ」「バランス型」「女性若年層にリーチ」のアーティストとなっています。「男性若年層」エリアには『乃木坂46』、「女性シニア層」エリアには『藤井フミヤ』の存在が際立っています。
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デジタル×若者に強いアーティストののべリーチ数が多め
音楽アーティストに接するとき、Spotifyのような定額制音楽配信サービスで接している割合を横軸に、そのアーティストに接している人の平均年齢を縦軸に取ると以下の通りとなります。
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こうしてみるとシニア層では定額制音楽配信サービスでの接触割合が低く、逆に若者層の割合が高くなると接触割合が高くなります。また、バブルの大きさがのべリーチ数を示していますが、リーチ数が大きいアーティストは右下の「デジタル×若者」ゾーンに集中しています。
紅白歌合戦はテレビ放送ですが、デジタルに慣れ親しんだ若者層に向けても様々な取り組みをしています。出場者の中でリーチ力の高い『YOASOBI』『あいみょん』などが、こうした新しい楽しみ方で音楽に接する人々を引き付けることになりそうです。
勝つのは白組? 紅組?
このように、家族がそろうことが多い大みそかの高視聴率番組として、“推しファン”という観点でも“音楽アーティストのリーチ力”という意味でも、老若男女バランスよい出場者であり、特に初出場のアーティストによって若者層に訴求しようとしていることがうかがえます。
紅白は歌合戦であり、最後に勝敗が付くわけですが、仮に普段からリーチしている人、推しファンの量で決まるのだとすると、どちらが勝つことになるでしょうか。推しファンが作るエンタメブランド価値を示す「GEM指数」と音楽/アーティストとしての接触量を示すリーチptの紅組・白組の合計は以下の通りです。
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推しファンから作られるブランド価値では紅組、白組はほぼ同じとなりました。紅組は『乃木坂46』と『櫻坂46』という坂道グループの存在感が突出。白組は、男性アーティスト・アイドルグループで初出場となる『Stray Kids』『SEVENTEEN』『すとぷり』がTOP3を占めました。
一方の音楽アーティストとしてのリーチ力の合計では、『YOASOBI』『あいみょん』『Ado』がけん引する紅組が白組を大きく引き離しました。
紅組、白組、どちらが勝つのかは、投票者が全体の数としては少ないコアな人だけでなく、ライトな人もいる、ということを考えると、コア層での投票が5分5分となります。一方、ライト層の票は紅組に多く流れるとすると、紅組が今年は優勝するのではと予想します。もちろん、ファンかどうか、普段から接しているかどうかにかかわらず、当日の素晴らしいパフォーマンスが評価されて番狂わせになるという展開も期待されます。
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■「推しエンタメブランドスコープ」の詳細はこちら
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■会社概要
会社名:GEM Partners株式会社
設立:2008年3月17日
代表取締役:梅津 文
事業内容:エンタテイメントビジネス・マーケティング領域における
・データプラットフォームサービス
・リサーチサービス
・デジタルマーケティング・広告代理店業
・メディア運営
コーポレートサイト: https://www.gempartners.com/
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