プレスリリース
コスモ石油株式会社(代表取締役社長:鈴木 康公、以下「コスモ石油」)とBangchak Corporation Public Company Limited(本社:タイ王国バンコク市、以下「バンチャック社」)は、12月5日にバンチャック社からコスモ石油へ持続可能な航空燃料(SAF)の輸入に関するフレーム合意書(以下、「本合意書」)を締結しましたので、お知らせいたします。本合意書締結は、コスモ石油から代表取締役社長 鈴木 康公、バンチャック社から石油精製・トレーディング事業部門COO Pativat Tivasasitが出席し署名を行いました。また、駐日夕イ王国大使館公使Chanthapat Panjamanond氏よりご来賓の挨拶をいただきました。
コスモ石油とバンチャック社は、製油所部門を中心に長年に渡る技術交流を通じて良好な関係を構築してまいりました。両社が培った技術や強みを活かし、将来の脱炭素事業の可能性について共同で検討していくことを目的として、2023年3月23日にコスモエネルギーホールディングス株式会社、コスモ石油株式会社およびバンチャック社の3社は脱炭素分野を中心とする共同検討に関する覚書を締結しました。本合意書はその共同検討領域の一つであるバンチャック社生産品のSAFをコスモ石油が輸入することについて、合意するものです。
【共同検討領域】
(1)バンチャック社が生産するSAF、バイオナフサ(※1)、およびバイオエタノールの
3製品の当社グループへの輸入、活用
(2)低炭素水素の活用・輸送(※2)
(3)CCUS (CO2の回収・貯留・有効利用)(※3)
(4)潤滑油関連基材
バンチャック社は2022年9月にタイ国内初となるSAF製造の事業計画を公表しています。首都バンコクに位置する製油所にて廃食用油を原料とする日量生産能力1,000 KLのSAF製造プラントを建設し、2024年末頃から商業開始を予定しています。そのSAFについて、商業生産開始から10年間にわたり、生産数量の一部をコスモ石油へ輸出する予定です。
コスモ石油は、2030年のSAF供給量の目標として年間30万KLを目指しており、自社生産を含めた調達ソースの多角化の手段として、バンチャック社生産品の輸入を行います。
コスモ石油とバンチャック社は、今後も引き続き双方の知見や技術を活かし、検討領域の拡充を進めてまいります。加速する脱炭素化に向けてグローバルな連携を図りつつ、カーボンネットゼロの実現を一層推進してまいります。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/98598/108/98598-108-69da7d874f706d03ba22802d858fa32e-776x436.jpg ]
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/98598/108/98598-108-449faad3a6a94e36fdad1135feeca6de-790x435.jpg ]
<コスモ石油 代表取締役社長 鈴木 康公 コメント>
「気候変動に対する危機感が高まり、世界的に脱炭素化が加速する中、当社とバンチャック社の両社が共通の目標『2050年カーボンネットゼロ』を宣言しました。その中でグローバルな連携を図っていく事は非常に重要であり、共通の目標を有する両社が今回SAF輸入に関するフレーム合意書の締結に至ったことは、脱炭素化社会の実現に向けた大きな一歩です。これを機にSAF輸入のみならず、長年に渡るパートナーであるバンチャック社と知見やノウハウを活かしつつ更なる連携、協業を模索し、カーボンネットゼロの実現に向け相乗効果を生み出していく事を期待しています。」
<バンチャック社 精製・石油貿易事業部門COO Pativat Tivasasit氏 コメント>
「SAF輸入に関するフレーム合意書の締結は、バンチャック社とコスモ石油が10年以上に渡り良好な関係を構築してきた成果の賜物であり、協力事業に向けて大きな一歩を踏み出した事を意味します。この合意は、未来のクリーンなエネルギーの実現に向けた共同の取り組みの成果です。バンチャックにとって、廃食用油由来のSAFを製造・供給するという戦略的イニシアチブは、革新的なグリーン・エネルギーへのコミットメントを示すものであり、毎日1,000KLのSAFの製造は、年間約80,000トンのCO2排出量の削減に貢献します。この計画は、2030年までにカーボンニュートラル、2050年までにカーボンネットゼロを達成するバンチャックグループのロードマップに沿ったものです。」
コスモ石油について
コスモエネルギーグループは、日々の生活に欠かせないエネルギー、素材を、安全・安定的に供給し続ける公共的な使命を担う企業として、グループの主力事業である石油事業、石油化学事業に加え、長期的な環境変化を見据え再生可能エネルギー事業を展開しています。グループ理念に「地球と人間と社会の調和と共生」を掲げ、第7次連結中期経営計画『Oil & New 〜Next Stage〜』のもと、企業価値向上に資する具体的施策を推進しております。本事業を含むこれらの取り組みを通じて、2050年度のカーボンネットゼロを実現するとともに、社会課題の解決と持続可能な社会の実現を目指してまいります。
URL: https://www.cosmo-energy.co.jp/ja/top.html
バンチャック社(Bangchak Corporation Public Company Limited)について
1984年に創設、現在タイ証券取引場に上場する総合エネルギー企業。バンコク市内とチョンブリー県シラチャに2つの製油所を保有し、原油処理能力は合わせて日量30万バーレルにのぼります。また同国内に1,343か所(2022年12月時点)のサービスステーションを展開しています。関連会社を通じて、再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力発電)事業、バイオマス燃料(バイオエタノール、バイオディーゼル)事業、また天然資源開発も手掛けています。
URL: https://www.bangchak.co.th/en/home
※1 バイオナフサまたはバイオマスナフサは、再生可能なバイオマス(植物など生物由来の有機性資源)から生成され、プラスチックなどの原料として使用される石油由来のナフサに代わる原料として注目されています。バイオマス由来原料は、生育過程で大気中のCO2を吸収するため、最終的に燃やしてもCO2収支としては、石油由来のナフサと比べてGHG(温室効果ガス)排出を抑制することが可能と言われています。
※2 低炭素水素とは生産過程のCO2排出量を最小限に抑えた水素であり、一般的にはグリーン水素 (再生可能エネルギーで水を電気分解して作る水素) やブルー水素 (化石燃料を原料とする製造方法に、CO2の回収・貯留を組み合わせたもの) の総称です。一方、現在最も多く流通する水素は、化石燃料を原料とし、製造時に発生するCO2を回収しておらず、グレー水素と呼ばれています。
※3 CCS (Carbon Capture and Storage) は、CO2を分離・回収し、地中にあるCO2を通さない地層に貯留する技術を意味します。その貯めたCO2を必要に応じて取り出し、有効利用するサイクルも加えたものがCCUS (Carbon Capture, Utilization and Storage)です。バンチャック社と共同で、将来的なCCUS技術の活用について検討を行います。
プレスリリース提供:PR TIMES