プレスリリース
グランプリは大竹平さん(京都大学大学院)、準グランプリに鈴木美里さん(東北芸術工科大学)
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「JIDF学生文化デザイン賞2024」入賞者&JIDF選抜会員(審査員)
アート、デザイン、建築、科学、文学、食、音楽など多彩な分野で活躍する専門家がジャンルの垣根を超えて活動する一般社団法人日本文化デザインフォーラム(理事長:水野誠一、以下JIDF)は、次世代を担う若者の応援を目的としたコンペティション、『JIDF学生文化デザイン賞2024』のグランプリを決定するファイナリスト・プレゼンテーションを実施。JIDF選抜会員(中島信也、竹中直純、津村耕佑、蜷川有紀、マリ・クリスティーヌ)による合同ディスカッション審査およびJIDF会員投票を経て、グランプリ並びに準グランプリを選出しましたのでお知らせします。
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グランプリとなった大竹さんの「繕いの解体新処」は、鶴橋商店街の再生という問題解決に向けた、新たな視点によるアイデアおよび企画の完成度などが評価され、この度の受賞に至りました。
「JIDF学生文化デザイン賞」は、これからの時代を担うであろう若者たちが、どのようなことを考え、取り組んでいるのかに着目し、その考えや取り組みを応援したいとの想いで2018年に創設。全国の学生を対象に「今考えている、進行しているクリエイティブなプロジェクトやコンセプト」を作品として幅広く募集し、一次審査(書類選考)を勝ち抜いた5名(6作品)の入賞者が、内容についてのプレゼンテーションを行う二次審査(ファイナリスト・プレゼンテーション)に挑みました。
また、二次審査進出とはならなかったものの、優秀だった8名の作品を入選として表彰。この他、JIDF協賛各社の独自選考による協賛企業賞が選出されました。
なお、『JIDF学生文化デザイン賞2024』ファイナリスト・プレゼンテーションの模様は、「日本デザインフォーラムチャンネル」(http://www.youtube.com/@user-pc6bm7bl8e)にて後日配信予定です。
JIDFでは、今後も若者たちの斬新なアイデアを発掘・応援する取り組みとして、「学生文化デザイン賞」の継続的な実施を目指してまいります。
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グランプリを受賞した大竹平さん[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/26246/28/26246-28-0efaf94c8682cf305db0cec5649678b2-674x511.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
準グランプリを受賞した鈴木美里さん
『JIDF学生文化デザイン賞2024』 二次審査進出(入賞)者
■大竹 平(おおたけ たいら)※2作品入賞
京都大学大学院 工学研究科建築学専攻修士課程1年
2000年7月生まれ、愛知県大府市出身、京都府京都市在住
【タイトル】 繕いの解体新処
敷地は、大阪の鶴橋商店街。戦後の闇市を起源とするこの商店街の現存する闇市的空間を継承しつつ新しい躯体で空間を描き直すことで持続可能な商いの場へと代謝させる。 店舗の外壁を型枠材の一面として扱い、コンクリートの襞を打設し店舗の「壁」を化石化する。 「壁」は店舗の補強壁・防火壁として機能する一方、闇市的商いが店舗をかたどる小さな余白に侵食する商う商店街そのものを護る3つの保護膜として機能し、未来へ継承していく。
【タイトル】 花遊百貨小路
まちの一角をスクラップし、諸機能を内包した箱をビルドするのではなく、生きられたまち自体を切断し、新しい空間の要素を織り交ぜて編集することで、雰囲気と面影を系譜し愛着の染み込む新しい空間が生まれるのではないだろうか。そこで、商店街を切断し百貨店へと編集する。敷地は、京都最小の商店街、花遊小路商店街。かつて「玩具箱のよう」と称される程の賑わいがあったこの場所を百貨店と融合することで歴史的・商業的再興を図る。風景写真をコラージュするように商店街の既存物を「切断」して、構成原理に沿って百貨店へ「編集」(断片をずらし、持ち上げ、回転し、再配置する行為)する。断片がまちの歴史を語りかけながら、断片に増築や改築を施すことで、百貨店がこれからの歴史を紡ぐ。その街に重層する歴史が顕在化しそのまま高層化したような、歴史性を系譜する新しい高層空間の建て方。
■鈴木 美里(すずき みさと)
東北芸術工科大学 デザイン工学部コミュニティデザイン学科4年
2000年9月生まれ、山形県金山町出身
【タイトル】 ゴミの「尿ペットボトル」を、社会の循環を生み出す価値あるものに
〜コンポスト簡易トイレをつくり、人尿を肥料にするシステムをつくる〜
現在、山形県の一部の高速道路では年間1000本、福島県の一部の高速道路では年間8000本の尿ペットボトルが拾われている。その原因は運送会社の労働環境、日本の経済システム、国民一人ひとりの消費行動など、複雑に絡み合っている。その中で、私にできることを考えた。そして尿ができない環境、尿を道路に捨ててしまう現状を私は変えたいと考え、このプロジェクトを立ち上げた。「ペットボトルに尿をする人は人としてどうなの?」と言うが、排尿は人間が死ぬまでに必ず続ける「排泄行為」であり、その尿意も人間誰しも感じる。だからこそ緊急事態にした、その行為を否定したくない。この問題に必要なことは、「ペットボトルではなく、簡易トイレを。捨てるのではなく、再利用を。否定ではなく、革新を。」この3つだ。
■中山 亘(なかやま わたる)
東京大学大学院 新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻修士1年
【タイトル】 落語空間デザイン ひみつのおちば -秘密の“落ち”場ー
―街なかで落ち葉がひらりと舞い落ちるように、ひっそりと立ち現れる落語の“場”。路地の真ん中にぽんと浮かんだ暖簾をくぐってみれば、そこでは都市の空気を纏った落語家が活き活きと躍動し、無限の想像の世界が広がります。毎日を真面目に頑張る人間が享受するのは、落語のだらしなさという贅沢なひとときでしょう。ここは、ひみつのおちば。全く新しい落語没入体験が味わえる場所です―
大都市の中の一空間を舞台に、現代的な落語空間をデザインします。空間までのアプローチや出囃子などの導入体験を含めて、これまでにない演出表現に取り組むことで、令和の落語没入体験を創出します。
■野口 駆(のぐち かける)
多摩美術大学 情報デザイン学科メディア芸術コース3年
【タイトル】 Communicate
昨今、急速に発展する人工知能に対してアーティスト自身が身体表現を通じてどのようにコミュニケーションをとっていくのか、という着想から生まれたアートプロジェクトである。そのアプローチとして、アーティストが得意とするジャグリングや映像表現に着目し、Stable DiffusionやChatGPTなどの生成AIを駆使しながら制作を行う。企画では、モーションセンサーや画像認識AIなど様々な伝達手段を用いて対話を繰り返し、身体と人工知能間でのコミュニケーションをリアルタイムで進行しながらパフォーマンスを実現する。本プロジェクトでは、AIの創造力と人間の身体による対話を探求しながら、身体表現やパフォーマンスにおける「偶発」や「瞬間」の重要性を再評価しアーティスト自身がリアルタイムでパフォーマンスを行う可能性を模索する。
■牧村 晃志(まきむら こうし)
多摩美術大学 美術学部情報デザイン学科情報デザインコース
【タイトル】 インターネットって?シリーズ
インターネットリテラシーに関しての絵本を制作しています。スマートフォン等の通信機器を持ち始める年齢の低年齢化や、利用する層が拡大したことにより全体のリテラシーの低下を感じています。インターネットとともに育ってきた私たちだからこそわかることがあると思い、このプロジェクトを始めました。
入選および協賛企業賞
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一般社団法人日本文化デザインフォーラムについて
日本文化デザインフォーラム(Japan Inter-Design Forum /JIDF)は、アート、デザイン、建築、科学、哲学、文学、評論、伝統芸能、都市計画、写真、食、音楽、映像など、多彩な分野の先端的な活動をしている専門家約80名が自発的に集まった任意の団体です。それぞれの専門ジャンルの垣根を超えて会員相互で交流・啓発しあうことで、これまでにない発想を生み出し、多角的な視点から日本及び世界の「文化をデザイン」することを目的に活動しています。1990年の設立(旧組織名称:日本文化デザイン会議/〜1989年)以来、国内の主要都市で30回を超えるフォーラムを開催してきました。2011年8月からは「一般社団法人日本文化デザインフォーラム」として新たにスタート。本フォーラムの発起人である建築家・黒川紀章の七回忌にあたる2013年より、「INTER-DESIGN FORUM TOKYO」を毎年開催し、デザイン、建築、アートなど、さまざまな分野を牽引するプロフェッショナル達のメッセージを発信し続けています。また、2018年には、次世代の若者たちが考えるプロジェクトの応援を目的に、「JIDF学生文化デザイン賞」を新たに創設しました。
プレスリリース提供:PR TIMES