プレスリリース
量子ソフトウェアの開発企業であるClassiq Technologies(本社:イスラエル・テルアビブ、以下「Classiq」、URL: https://ja.classiq.io/ )は、NVIDIAおよびBMWグループとのメカトロニクスシステムの最適化に関する協業についての発表を行いました。
この取り組みでは、電気システムおよび機械システムの最適なアーキテクチャを見つけるという複雑な計算課題を解決することに注力しています。これは電気エンジンやバッテリーからクーラーに至るまで、要素の最適な組み合わせと、それらの接続方法を決定するための課題であり、本プロジェクトは、効率を高めてエネルギーの無駄を省き、その結果として特に電気自動車の効率を高めることを目標としています。
Classiqは、量子近似最適化アルゴリズム(QAOA)やハロー・ハシディム・ロイド(HHL)アルゴリズムなど、最先端の量子アルゴリズムがどのようにこの問題解決に貢献できるかを実証しました。このうち後者のアプローチでは、振幅とデジタルエンコーディングを活用し、新しい量子アナログデジタル変換(QADC)プロセスを利用して、複雑な線形方程式を効率的に解いています。
このプロジェクトの結果、BMWグループの量子専門家は、これまでに実装された量子プログラムの中で最も複雑な量子サブルーチンを多数含む、高度に洗練された量子プログラムを作成しました。Classiqプラットフォームの高度なモデリングとコンパイル機能がこの実装を実現し、NVIDIA GPUと強力なNVIDIA CUDA-Qプラットフォームを使うことで大規模で複雑な量子回路の実装シミュレーションを実現しました。
BMWグループITの未来計算責任者であるルーカス・ミューラー氏は「ClassiqとNVIDIAとのコラボレーションにより、自動車技術への応用の限界を押し広げる革新的な量子実装が可能になりました。NVIDIAの量子スタックは、この複雑なアルゴリズムのシミュレーションに役立ち、詳細なテストと改良を容易にしました」と述べています。
またClassiq TechnologiesのCEOであるニール・ミネルビは、「このプロジェクトは、量子計算分野におけるコラボレーションのパワーを実証するものです。量子ハードウエア、ソフトウエア、自動車分野の専門知識を結集することで、画期的な進歩を短期間で達成することができました」と述べています。
さらにNVIDIAのHPCおよび量子計算担当ディレクターであるティム・コスタ氏は「量子計算は社会を一変させる可能性を秘めており、その価値をユーザーが最大限に活用するためには、極めて高性能な加速コンピューティングが必要となります。BMWグループやClassiqのような革新的な企業とのNVIDIAのコラボレーションは、量子シミュレーションの限界を押し広げ、有用な量子計算の時代を切り開く一助となっています。」とのコメントを寄せました。
量子計算はまだ発展途上の技術であり、開発したソリューションを産業応用するためにはさらなる努力が必要です。Classiqと、Classitと協業する研究者は、量子設計、実装、計算の境界を広げることで、自動車技術と量子計算のインターフェースの開発を継続して参ります。
■Classiqについて
量子ソフトウェアのリーディングカンパニーであるClassiq Technologiesは、アルゴリズム設計から実行に至るまで、量子コンピューティングへのシングルエントリーポイントを持つ包括的なプラットフォーム(IDE、コンパイラ、OS)を提供しています。
高度な記述式の量子ソフトウェア開発環境は、あらゆるレベルの開発者の習熟度に対応し、量子プログラミングを自動化します。これによりAI、機械学習(ML)、線形代数のバックグラウンドを持つ人々を含む幅広い人材が、量子コンピュータ・ハードウェアのプログラミングに関する深い専門知識が無くとも、量子コンピューティングの活用を可能とします。
Classiqは量子コンピューティングへのアクセスを民主化し、幅広い量子ハードウェアへのアクセスを含め、ユーザーが量子コンピューティング革命を最大限に活用できるようにします。Classiqのコアテクノロジーであるアルゴリズムによる量子回路コンパイルは、現在そして未来の量子エコシステムを支えるものです。また、量子コンピュータ、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、量子シミュレータで使用するソフトウェアを提供する先進的な計算ハードウェアプロバイダーとも緊密に連携しています。
ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)、HSBC、Samsung、インテーザ・サンパオロ、NTTといった強力な投資家に支えられ、Classiqの世界クラスの科学者・エンジニアチームの数十年の量子専門知識が、画期的なソフトウェア開発プラットフォームに活用されています。
詳細は、LinkedIn( https://www.linkedin.com/company/classiq-technologies/ )、X(旧Twitter https://twitter.com/classiqtech )、YouTube( https://www.youtube.com/c/ClassiqTechnologies )でClassiqをフォローするか、ClassiqのSlackコミュニティ( https://classiq-community.slack.com/ )やウェブサイト( https://ja.classiq.io/ )をご覧ください。
■BMWグループについて
BMW、MINI、ロールス・ロイス、BMW Motorradの4つのブランドを擁するBMWグループは、世界をリードする自動車およびモーターサイクルのプレミアムメーカーであり、プレミアム金融サービスおよびモビリティサービスも提供しています。BMWグループの生産ネットワークは世界30ヵ所以上の生産拠点を持ち、140ヵ国以上にグローバルな販売ネットワークを展開しています。
2023年、BMWグループは全世界で255万台以上の乗用車と20万9,000台以上のモーターサイクルを販売した。2023年度の税引前利益は、売上高1,555億ユーロに対して171億ユーロを計上しています。2023年12月31日現在、BMWグループの従業員数は15万4,950人を擁しています。
BMWグループの成功は、常に長期的な思考と責任ある行動に基づいています。BMWは早くから未来への道筋を定め、すべての製品のサプライ・チェーンから生産、使用段階まで、一貫して持続可能性と効率的な資源管理を戦略的方向性の中心に据えています。
※本リリースは、イスラエルで2024年6月20日(現地時間)に配信された英文プレスリリースの抄訳です。
プレスリリース提供:PR TIMES