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Spectrum Instrumentation GmbH

デジタイザでサンプリングレート10GS/sの連続データストリーミングが可能に

(PR TIMES) 2023年10月05日(木)18時40分配信 PR TIMES

6時間以上に及ぶデータの保存と連続した信号処理をCOTS(市販の既製品)で実現

デジタイザなどの計測機器メーカであるスペクトラム・インスツルメンテーション社(本社ドイツ・グロースハンスドルフ /以下、スペクトラム社)はこの度、データ収集分野に新たなスタンダードを確立すべく、同社の主力デジタイザカード「M5i.33xx」シリーズに新しいストリーミングモードを追加しました。このモードが加わったことにより、これら超高速ADC(A/Dコンバータ)カードは、最大サンプリングレート10GS/sで連続的にデータを取得、ストリーミング、解析することが可能になります。また、この新機能により、エンドレスな信号処理が可能なGPUや、何時間でも記録し続けられるストリーミングシステムを構築するためのSSDアレイなど、COTS(市販の既製品)のPCテクノロジーと同シリーズデジタイザを併用できるようになります。
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/95734/16/95734-16-c3ce08066c665a55f202749b29720f52-1500x845.jpg ]

スペクトラム社のM5i.33xxデジタイザは、10GS/sでのデータの取得が可能。COTS部品で構築されたストリーミング用PCを介して、分析用のGPUあるいはストレージ用のSSDアレイにデータをノンストップでストリーミングします。

M5i.33xxデジタイザシリーズには、サンプリングレート3.2GS/sから10GS/s、垂直分解能12ビット、帯域幅1GHzから4.7GHzの、7種類のモデルがあります。どのモデルも、最大12.8GB/sのデータ転送が可能な16レーンのPCIe Gen3バスを採用しています。この市場をリードする転送スピードのおかげで、単独チャネル使用で6.4GS/s、2チャネル同期使用で3.2GS/sの場合でも、情報の欠損も一切なくデータはPC環境に直接ストリーミングされます。より高速でのサンプリングが求められる場合には、単独チャネル使用で最大10GS/s、2チャネル同期使用で最大5GS/sの取得データのストリーミングをサポートする特別な8ビット転送モードも追加されています。

データをGPUに転送することで連続的な信号処理が可能に


ストリーミングや負荷の大きい信号処理を要する状況では、M5i.33xxデジタイザは、SCAPP(Spectrum CUDA Access for Parallel Processing/スペクトラム社製並列処理用CUDAアクセス)を使用します。SCAPPソフトウェアパッケージは、取得したデータをデジタイザからNvidiaのCUDAをベースとする市販のGPUへRDMAを介して直接転送します。転送後は、GPUの複数のコア(最大10,000)と大容量メモリ(最大48GB)を利用してリアルタイムの並列処理が可能です。
SCAPPのパッケージには、デジタイザカードとGPUカード間のデータ転送ルーチン、およびCUDAによる並列処理例も多数含まれています。これらの処理例は、デジタル・ダウンコンバージョン(DDC)、フィルタリング、信号の平均化、データの多重分離化、データ変換、高速フーリエ変換(FFT)など、強力な処理機能のための簡単な構成要素を提供するものです。SCAPPソフトウェアはどれも、C/C++とPythonが基盤となっており、実装やカスタマイズは一般的なプログラミングスキルのみで容易に行うことができます。
たとえば、スペクトル解析を絶え間なく行う必要があるアプリケーションでは、時間領域のデータを10GS/sで収集してGPUへ直接転送し、ノンストップで周波数領域に変換することが可能です。システムにM5i.33xxシリーズのデジタイザ(新しい8ビットモードに切り替えたもの)、SCAPP、そして手頃な価格のGPUを備えていれば、データのマルチプレックス化(多重化)、ウィンドウ処理、FFT、ブロックサイズ1MのFFTでの平均化などを要する変換処理をエンドレスに実行できるのです!10GS/sのサンプリングレートにおいて、FFTは、直流(DC)から5GHzまでの周波数範囲をカバーし、10kHzの周波数分解能を生みます。より大きいFFTブロックを使用して分解能を向上させることも可能です。

取得データはRAIDストレージにストリーミングして解析


スペクトラム社はまた、AMD EPYCプロセッサ搭載のSupermicroサーバーとU.2 SSD使用のRAIDストレージをベースとした、ストリーミングおよびデータストレージシステムも提供しています。最大で240TBのストレージ容量を持つこれらのCOTS(市販の既製品)システムは、最大10GS/sのサンプリングレートで6時間以上におよぶデータを記録できます。取得されたデータは完全にシームレスで、ギャップや情報の欠損は一切ありません。データの保存後、検査、分割、処理が可能です。また、このシステムでは、前例のない処理速度と超広範囲の周波数帯を有する優れたデータロギング機能が得られます。

COTS(市販の既製品)製品を使用したPCシステム


スペクトラム社の最高技術責任者、Oliver Roviniは次のように述べています。「当社は常に、挑戦的な信号の取得・解析を主とするアプリケーションに費用対効果の高いソリューションを提供する方法を模索しています。当社のデジタイザを、GPUやRAIDベースのSSDストレージシステムといった標準的なPCコンポーネントと直接に結ぶことで、当社のお客様はPC業界における最新の技術発展のメリットを直ちに享受できるようになります。GPUは、画像処理、通信、天文学、分光分析、航空宇宙関連のアプリケーションなど、負荷の高いデータ処理を要する場面において、優れたソリューションを提供します。またストレージシステムは、品質管理、マッピング、調査・監視等に携わるユーザーなど、長時間にわたり信号をモニタリングする必要のある人にとってまたとないツールとなります」

ソフトウェアの可能性


スペクトラム社のデジタイザは、C、C++、C#、Delphi、VB.NET、J#、Python、Julia、Java、LabVIEW、MATLABなど、一般に普及している多様な言語でのプログラミングが可能なため、ほぼすべてのテストシステムに容易に統合できます。デジタイザにはソフトウェア開発キット(SDK)が付属しており、WindowsもしくはLINUXのオペレーティングシステムで稼働させる際のさまざまなプログラミング例や、必要なドライバライブラリが含まれています。また、ターンキーソリューション(納品後に直ちに利用可能なシステム)が要求される際には、同社が独自に開発した計測ソフトウェア「SBench 6 Professional」を利用することで、データの表示、解析、保存、文書化といった機能を通じて完全なカード制御が可能です。SBench 6は、大容量のデータファイルを扱えるよう設計されており、カスタム計算式が使えるプラグインインターフェースや各種インポート/エクスポートフィルタを含む、さまざまな処理ツールを備えています。
M5i.33xxシリーズのデジタイザおよびストリーミングシステムは、現在入手可能です。すべてのM5iデジタイザカードに、新しく8ビット転送モードが追加されています。詳細につきましては、スペクトラム社のウェブサイト(https://spectrum-instrumentation.com/products/families/33xx_m5i_pcie.php)をご覧ください。

スペクトラム・インスツルメンテーション社(Spectrum Instrumentation)について
1989年に創業したスペクトラム社(CEO 兼 創業者Gisela Hassler)は、モジュラー設計を利用することでデジタイザ製品および波形発生器製品をPCカード(PCIeおよびPXIe)やスタンドアローンのEthernetユニット(LXI)として幅広く生み出しています。スペクトラム社は30年間に、トップブランドの業界リーダーやほとんどすべての一流大学を含む、世界中のお客様に製品をご利用いただいています。当社はドイツのハンブルク近郊に本社を構えており、5年保証と設計エンジニアやローカルパートナーによる優れたサポートを提供しております。スペクトラム社の詳細については、https://www.spectrum-instrumentation.com/ をご確認ください。

プレスリリース提供:PR TIMES

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