プレスリリース
若者向け東京下水道発信プロジェクト「東京地下ラボ by 東京都下水道局」
東京都下水道局は、若者向け東京下水道発信プロジェクト「東京地下ラボ by 東京都下水道局〜下水道の可能性を、想像力によって拡張する〜」の一環として、フィールドワークを2021年11月28日(日)に開催しました。
本事業は、若い世代の下水道への関心を高めるため、東京下水道の新たな可能性や魅力を発信することを目的としています。令和3年度は未来の下水道や下水道を取りまく都市や社会がどう変遷しているのかを、「SFプロトタイピング」の手法を用いて下水道事業の新たな可能性について考えます。
「SFプロトタイピング」とは、SF(サイエンス・フィクション)を用いて未来を構想、それを起点にバックキャストして「いま、これから何をすべきか」を考察する技法です。フィールドワーク当日は、下水道施設を見学した他、処理水が流れる東京湾で野鳥や公園内に生息する動植物を観察するなど、下水道の過去から現在に至るまでの働きや役割を様々な角度から学びました。
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午前は、1922年から1999年まで稼働していた、現在、国の重要文化財に指定されている旧三河島汚水処分場喞筒(ポンプ)場施設(東京都荒川区)を見学し、近代の下水処理方法や歴史について学びました。参加した学生は、初めて喞筒室の地下に入ると、「タイムスリップしたみたい」と驚きの声をあげ、建築物の細部にまで興味を示し、熱心に写真を撮りながら、日本の下水道の過去を想像し、体感することで、現代にまでつながる下水道の役割を理解しました。
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下水道施設を見学後、処理水が流れる東京湾に1853年のペリー来航に危機を感じた江戸幕府によって造られた第三台場(東京都港区)を訪れました。プロ・ナチュラリストの佐々木洋氏のレクチャーのもと、第三台場に生息する動植物を観察しながら、水と生態系の関わりについて考えました。グループワークでは、海にかかわる生態系の食物連鎖の輪を考える中で、学生たちから「ユリカモメ」、「スズキ」、「樹木」、「プランクトン」など多くの動植物が挙げられました。処理された下水は生物多様性の保持に大きな役割を担っていることを学びました。
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また、東京湾に生息する貝や魚を求めて、多い時には5千羽以上が集まるという世界的にも珍しい「第六台場」の野鳥を観察し、過去から現在に至るまで、多くの生命が下水道の働きによって支えられていることを再認識しました。
最後に訪れた東京都虹の下水道館(東京都江東区)では、家庭などから排出される汚れた水がどのような仕組みで処理されるのか、下水道の再構築工事の方法や水再生センターの役割などを学んだ他、下水処理において重要な微生物の観察を実際に体験することで、現在の下水処理の仕組みを理解しました。
フィールドワーク実施後のアンケートでは、参加学生から「実際に施設を見学する過程で、下水道の持つテクノロジーや美的な建築様式に触れることができた。」、「水が綺麗になることで、魚が戻ってきて、それを食べる鳥が戻ってきて、という生態系の流れを観察の中で感じることができた。」などの声があがりました。
今後、学生たちは、フィールドワークで得た過去から現在の下水道に関する知識や11月27日(土)に実施したワークショップで学んだSFプロトタイピングの手法を用いて、未来の下水道に関するアイデアを具体化し、イラストやグラフィック、小説などそれぞれが得意とする分野で作品を制作します。制作した作品は2月に開催予定の発表会、及び、東京地下ラボ特設サイトで公開予定です。
■講師プロフィール
プロ・ナチュラリスト(R) 佐々木 洋氏 (ささき ひろし)
(財)日本自然保護協会 自然観察指導員、東京都鳥獣保護員など、様々な立場で自然解説活動を展開した後、「プロ・ナチュラリスト(R)佐々木洋事務所」を設立。「自然の面白さや大切さを多くの人と分かち合い、そのことを通じて自然を守っていきたい。」という思いのもと、30年以上にわたって、自然観察指導、自然に関する執筆・写真撮影、講演会、TV・ラジオ番組の出演・企画・監修、エコロジーツアーの企画・ガイド等を通して自然を案内している。豊富な知識、ユーモアあふれる話術、数々のオリジナル・プログラムなどで幅広いファン層を持つ。自然観察会等への参加人数は延べ37万人に及び、近年は、新人プロ・ナチュラリストの養成にも力を注いでいる。
本プロジェクトの内容は、参加学生が発信しているWEBサービス「note」※でご覧いただけます。
※文章やイラスト等の投稿を通して、クリエイターとユーザーとをつなげるWEBサービス
【東京地下ラボ by東京都下水道局note】 http://note.mu/tokyogesuido
プレスリリース提供:PR TIMES