プレスリリース
女性プロジェクトマネージャーの可能性を広げる“プロジェクト・マネジメントスキル”
プロジェクトの専門家やチェンジメーカーのための世界有数の協会であるProject Management Institute(PMI) は、プロジェクトマネジメントにおける女性の現状について、調査レポートを発表しました。本レポートで、プロジェクトマネジメント業界における、報酬、スキル、資格、機会など様々な項目においてのジェンダーギャップが示されています。そんな中、日本はプロジェクトマネージャーの男女間の賃金格差が最も少ない国トップ5にランクインしています。
この調査は、プロジェクトマネジメントにおける女性の現状と、働く女性と組織の双方にどのような可能性があるのかについてより理解するために、2022年にPMIが実施した「プロジェクトマネジメントに関する年次グローバル調査『Pulse of the Profession(R) 2023(https://www.pmi.org/learning/thought-leadership/pulse/power-skills-redefining-project-success)』」に回答した1,900人以上の女性プロジェクト・プロフェッショナルのデータから導かれたものです。
本レポートの結果について、PMIの暫定リージョナル マネージング ディレクターSoHyun Kangは下記のように述べています。「女性のプロジェクトマネージャーは、男性よりもプロジェクトマネジメントにおいてアジャイルやハイブリッドのアプローチを活用しており、より先進的な技術を使用する組織で働く傾向があります。また、女性プロジェクトマネージャーは、2023年のPMI Pulse of Profession Reportでプロジェクトや組織の成功に最も必要なスキルとされた『パワースキル』(コミュニケーション、問題解決能力、協調的リーダーシップ、戦略的思考)を、より重要視しています。
この結果を見ると、女性プロジェクトマネージャーの将来は明るいと言って良いでしょう。これからの若い意欲的なプロジェクトマネージャーたちは、アイディアを実現するための新しいアプローチ法を活用する体制、そしてテクノロジーと最適なスキルを既に兼ね備えているのです。」
プロジェクトマネジメントにおける女性の現状と、働く女性と組織の双方の機会についての理解を深めるため、ポイントとなる調査結果を紹介します。
PMIのグローバル調査によると:
世界各地、あらゆる業界で、男性のプロジェクトマネージャー数は女性を3:1で上回り、その差は地域、業界によって大きく異なる。
女性は男性より収入が低く、プロジェクトマネジメントの資格や学位を持っている割合もわずかに少ない。
プロジェクトに労働力として関わる女性は圧倒的に少ないが、リーダー職の割合においては、男女差は僅かである。女性の20%、男性の23%が、PMOディレクター、ポートフォリオマネージャーなど、何らからのマネージャー職(例:開発、製品、機能マネージャー)を経験している。
女性の方が、アジャイルやハイブリッドなアプローチ方法の活用、最新技術を使用する組織で働く傾向が強い。また、パワースキルに、より高い価値を置く傾向がある。
■地域・産界における違い
プロジェクトマネジメントにおけるジェンダーギャップは世界共通です。どの地域でも、男性のプロジェクト・プロフェッショナルの数が女性の数を上回っており、その中でも中東・北アフリカ、アジア太平洋(日本を含む)、南アジアでは、その格差は最も大きくなっています。(表1)
同様に、あらゆる産業に共通してジェンダーギャップが見られますが、中でもその差が顕著な分野が、建設、運輸・物流、エネルギー、航空宇宙、製造、自動車、情報技術、通信、コンサルティングなどの業界で、男性のプロジェクトマネージャー数が女性の数の50%以上、上回っています。唯一男女差が20%を切る業界が、ヘルスケアです。(表2)
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■給与と資格
国連によると、同等の価値の仕事をした場合でも、女性は男性より約20%収入が少ないと発表されています。女性がプロジェクトマネージャーの場合の賃金格差は、多くの地域で世界平均よりも少ないですが、それでもなお大きな差があります。PMIの最新の給与調査『Salary Survey(https://www.pmi.org/learning/careers/project-management-salary-survey)』によると、調査対象となったすべての国で、女性のプロジェクトマネージャーは男性のプロジェクトマネージャーより収入が少ないことがわかっています。この賃金格差は、国によって大きく異なっています。(表3)
プロジェクトマネジメントの資格を取得することは、女性の賃金格差の縮小に繋がります。PMIの給与調査結果によると、プロジェクトマネジメントプロフェッショナル(PMP(R))資格保有者は、資格を取得していない者よりも、平均で16%多く収入を得ています。稼ぐ力を高めたい女性は、自分の市場価値と専門性を示すために、PMPやその他のプロジェクトマネジメント資格の取得を検討すべきでしょう。
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特に、他の国と比べて給与格差の少ない日本では、プロジェクトマネジメントの資格を取得することは、女性にとって重要な選択肢のひとつとなり得ます。
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■アジリティとパワースキルで優位に立つ女性
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プロジェクトマネジメント職における女性の存在感は小さいものの、男性よりもアジャイルアプローチやハイブリッドアプローチの利用傾向が高く、これらのアプローチを用いる組織で働く傾向が強いことがわかりました。一方で、男性は従来型/ウォーターフォール型アプローチを利用する割合が多く、働く組織もこれらのアプローチを採用している傾向が高いことが報告されています。(表4)
アジリティやパワースキルなどのスキルや経験は、複雑なプロジェクトを率いたり、組織のアジリティを高めること、そしてデジタルトランスフォーメーションを牽引して行く上で、必要不可欠な要素です。多くの企業が成長にはアジリティの向上が不可欠であるとしており、キャリアの一環でアジリティに関する経験を有することは優位になり得ます。また、PMI Brightlineの最新レポートによると、アジリティはデジタルトランスフォーメーションの取り組みから期待される成果の上位に挙げられています。
また、女性の方が、プロジェクトマネジメントに先進テクノロジーを活用する組織で働く傾向が強いことがわかっています。このような経験から得られる優位性は、技術導入の拡大を目指し、先進技術がもたらす成果や効率の向上を求める組織にとっても、有益であると考えられます。(表5)
パワースキルに関して、男性、女性、両プロジェクトリーダーともに、組織の目的達成に役立つ重要な上位4つのスキルとして、「コミュニケーション」「問題解決」「協調的リーダーシップ」「戦略的思考」を挙げています。しかし、一つひとつのパワースキルについては、女性の方が重要視する傾向がわずかに高いことが明らかになりました。(表6)
女性のプロジェクト・プロフェッショナルは、資格取得を目指すことで、自分のキャリアをより主体的に捉え、自分自身の価値と収入の可能性を高めることができます。また、女性のプロジェクト・プロフェッショナルを支援するネットワークに参加したり、グループを作ることで、女性がキャリアの機会を見出したり、学習と開発を促進させ、不当性に対峙するために互いに助け合うことができます。
[表: https://prtimes.jp/data/corp/81046/table/13_1_1e3cac597386b63fc80033d6d01eabeb.jpg ]
【調査概要】
・調査期間 2022年3月1日〜4月30日
・調査機関(調査主体):Project Management Institute
・調査対象:女性プロジェクト専門家
・有効回答数(サンプル数):1,927
・調査方法(集計方法、算出方法):オンライン調査
Project Management Institute(PMI)について
プロジェクトマネジメント協会(PMI)は、プロジェクトマネジメントの専門組織であり、プロジェクト専門家とプロジェクトマネジメントのスキルを使用する個人からなる、数百万人を超える拡大中のグローバルコミュニティを統括する機関です。
PMI は、世界における何百万人ものプロジェクト専門家とチェンジメーカーのコミュニティの成長を支える世界有数の専門職組織です。プロジェクトマネジメントの世界的権威として、人々のアイディアの実現に向けた支援を行います。PMI では、グローバルアドボカシー、ネットワーキング、コラボレーション、研究、教育を通じて、組織や個人の働き方をより効率的にし、変化の激しい世界で成功を促進させます。
1969 年創設の誇り高いレガシーに基づき、PMIは世界中のほぼすべての国で活動する「目的のための」組織であり、キャリアの向上や、組織の成功を強化、新たなスキルと働き方を実現するチェンジメーカーたちが最大の力を発揮できるようサポートしています。PMI が提供するものには、国際的に認められた規格、資格、オンラインコース、ソートリーダーシップ、ツール、電子出版物、およびコミュニティが含まれます。
詳細についいては、www.PMI.org, Project Management Institute Japan Linkedin(https://www.linkedin.com/company/pmijapan/)
https://www.linkedin.com/company/projectmanagementinstitute, https://www.facebook.com/PMInstitute、および Twitter @PMInstitute.をご覧ください。
プレスリリース提供:PR TIMES