プレスリリース
● インシリコの候補は、低用量で良好なin vivo有効性を示し、効率的な合成が可能で、リトナビルとの併用投与が不要であるという良好なプロフィールを示しました。
● 本剤は、SARS-CoV-2およびその変異型、ならびにその他のコロナウイルスに対する治療薬として使用される予定です。
● インシリコの候補は、同社独自のAI駆動型低分子化合物生成プラットフォーム「Chemistry42」によって設計された、効率的に合成できる新規構造を持っています。
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【ニューヨーク2022年5月25日】
臨床段階のエンドツーエンドの人工知能(AI)創薬企業Insilico Medicine(インシリコ・メディシン、Insilico)は25日、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の治療用の3C様(3CL)プロテアーゼを標的とする新規前臨床候補(PCC)の選定を発表した。
インシリコのPCCは、同社のAIプラットフォームを用いて生成された新規構造を持つ、経口投与可能な3CLプロテアーゼ阻害薬であります。この化合物は、市販の出発材料から2段階の合成で効率的に調製することができます。前臨床試験において、低用量で良好なin vivo有効性を示し、その有効性はCYP3A4/Pgp阻害剤(例:リトナビル)との併用に依存しないことが確認されました。また、SARS-CoV-2およびその亜種だけでなく、重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)などの疾患を引き起こす他のタイプのコロナウイルスに対しても、幅広い抗ウイルス活性を示しました。
インシリコ・メディシン最高科学責任者のFeng Ren博士は「AIによって設計されたこの分子は、既存の3CLプロテアーゼ阻害薬とは異なるファーマコフォアを持ち、共結晶構造によって示されるように、独特の不可逆的な共有結合モードで標的タンパク質に結合します。われわれは分子を可能な限り迅速に、COVID-19治療での使用を評価する臨床試験に進めるよう注力しています。」と語りました。
インシリコは当初、2003年のSARS発生で培ったウイルスの構造と特性に関する知識を基に、エンドツーエンドAIプラットフォームを訓練し、発生初期にパンデミックに対抗しました。AIプラットフォームの力を借りて、2020年初頭に3CL標的を絞り込んで特定した後、2020年2月に低分子生成プラットフォームChemistry42を用いて設計した新規化合物構造の最初のセットを発表しました。
インシリコの創業者兼最高経営責任者(CEO)のAlex Zhavoronkov博士は「COVID-19のパンデミックは、迅速に医薬品を開発する喫緊の必要性に世界の注目が集まりました。当社は、COVID-19プログラムを早期に開始するという経営陣の決定を下しました。われわれは他の科学コミュニティーと共に結集し、この病気との戦いにおいてAIツールがいかに強力であるかを示すことができました。」と述べました。
新規コロナウイルスによって引き起こされた感染症は、人間の健康と経済発展に重大な影響を及ぼし、世界的な公衆衛生上の安全保障に深刻な課題をもたらしています。インシリコの研究開発(R&D)チームは、PCCの臨床アセットへの移行を加速するために、治験薬(IND)対応の研究を開始しました。
2021年以来、インシリコは、線維症、炎症、癌などのさまざまな疾患領域でAIプラットフォームを使用して発見および設計された、7つの前臨床候補を選定してきた。また、線維症のための最初の社内開発プログラムで第0相マイクロドーズ試験の完了に成功し、第1相臨床試験入りしました。
Insilico Medicine(インシリコ・メディシン)について
臨床段階のエンドツーエンドの人工知能(AI)創薬企業インシリコ・メディシンは、次世代AIシステムを使い生物学、化学、臨床試験分析を結びつけている。同社は、深層生成モデル、強化学習、トランスフォーマー、その他の最新の機械学習技術を活用し、新たな標的を発見し、望ましい特性を持つ新たな分子構造を設計するAIプラットフォームを開発してきた。インシリコ・メディシンは、がん、線維症、免疫、中枢神経系(CNS)疾患、老化関連疾患用の革新的な医薬品を発見、開発するための画期的ソリューションを提供しています。
詳細はwww.insilico.com を参照。
メディア問い合わせ先
Aggie.Chen@insilicomedicine.com
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