プレスリリース
ブロックチェーンを活用した消費エネルギーの可視化に関する京都大学との共同研究を、UBRI Connect 2021で発表
株式会社CauchyE(本社:京都市、代表取締役CEO:木村優)は、京都大学内合宿型研修施設の電気料金の徴収における煩雑さや透明性の問題を解決し、省エネ意識の向上と生活スタイルを変革するために、研修施設に入居する学生の電気使用権の売買を管理するシステムを京都大学大学院総合生存学館(教授:池田裕一)と共同研究・開発し、その共同研究内容に関してブロックチェーンに関する国際学会の一つであるUBRI Connect 2021で発表しました。
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■システム開発背景・課題
京都大学大学院総合生存学館の合宿型研修施設では約80人の学生が入居しています。現在の学生の電気料金の徴収の仕組みは下図の通りやや煩雑で、担当の学生や事務の経理担当者の負担となっています。
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1.決められた月に学生会計が前年度の使用量・使用額などを参考に半年分の予算を作成。全学生に通知し、「学生会」の口座に振り込んでもらいます。電気代は実費徴収のため徴収額が学生ごとに異なりますが、予作成・徴収の段階では全員から一定額を一時金として徴収します。翌学期に個々人の使用実績に応じて一人ずつ返金もしくは追徴を行います。
2.事務統括から各月の請求額が事務室経理に通知されます。
3.居室ごとの電気代の詳細を記載した請求書を事務室経理が学生会計に通知します(毎月)。基本的に翌月2週目に連絡があります。
4.学生会計は「学生会」通帳から現金を引き出し、期日までに事務室経理に持参します。
5.事務室経理が事務統括へ支払い手続きをします。
■システム開発の目的
ブロックチェーン技術を用いて、期日に電気使用量に応じた電気料金を支払う従来の形式ではなく、総合生存学館の研修施設に入居する学生が電気使用権を取引できるシステム(Webブラウザアプリ)を開発します。
そして、
・電気料金の徴収における会計担当学生と事務経理担当者の負担軽減
・学生の省エネ意識の向上の促進と生活スタイルの変革
を実現することを目的とします。
■ブロックチェーンに関する国際会議であるUBRI Connect 2021で共同研究内容の発表
UBRI Connectは、 世界トップレベルの学者、 研究者、 思想家を集め、 ブロックチェーンの取り組みを紹介し、学術的な知識を共有することにより、将来の研究と協力を促進することを目的とする国際会議です。2021年は、10月11日、12日にオンラインにて開催されました。
会議のアジェンダは、 分散型金融(DeFi)、 スマートコントラクト、 社会的利益のためのブロックチェーンベースのアプリケーション、ブロックチェーンのセキュリティとガバナンス、 中央銀行デジタル通貨(CBDC)などです。
共同研究をしている、京都大学大学院総合生存学館・池田裕一教授は、Pennsylvania大学のDorit. Aviv博士と共同で開催したCollection of Electricity Charges on Blockchain to Promote Energy Savingsセッションにて,Development of a Blockchain-Based Electricity Trading System at Kyoto Universityと題した本共同研究に関する講演を行いました。
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講演の様子はこちら:
[動画: https://www.youtube.com/watch?v=vMrCGI8FyCs ]
■今後の展開
2022年に京都大学内合宿型研修施設にて、本システムを試験的に導入し成果を確認します。
2022年3月までに、基本的な開発を終えて、動作テストを行います。
その後、2022年4月から、パイロット運用を開始します。
■池田教授からのコメント
株式会社CauchyEと開発を進めているエネルギー取引システムは、今後さまざまな課題に適用するブロックチェーンシステムの根幹をなすものです。現在、ペンシルバニア大やテキサス大との共同研究において、新しいブロックチェーンの応用展開を検討しています。今後、本システムをもとに、途上国でのエネルギー取引、過疎地でのセンサーをつかった高齢者のみまもりなどの課題への展開を進めていきます。
【会社概要】
株式会社CauchyE(旧LCNEM)
株式会社CauchyEは、ブロックチェーン・データサイエンス分野の最先端のテクノロジーを活用してイノベーションを創成する、京都大学発のベンチャー企業です。
本社:京都市
設立:2018年3月
代表取締役:木村優
事業:ブロックチェーン/機械学習を活用した開発/コンサルティング
https://cauchye.com/
プレスリリース提供:PR TIMES