プレスリリース
サンプリングレート10GS/秒 + 分解能12ビット + ストリーミング速度12.8GB/秒の卓越したパッケージ
デジタイザなど計測機器のメーカであるスペクトラム・インスツルメンテ-ション社(本社ドイツ・グロースハンスドルフ/以下、スペクトラム社)は、同社の主力製品であるM5iシリーズの最新版として、ギガヘルツ帯域幅の信号収集・解析機能を強化した2つの新しいPCIeデジタイザカードを発表します。1チャネルおよび2チャネルの各モデルとも、最大10 GS/秒の超高速サンプリングレートと垂直分解能12ビットに加え、市場トップクラスの12.8 GB/秒データストリーミング(PCIeバス上)という驚異のスペックを実現します。この圧倒的なストリーミング速度の実現のため、カードには16レーンの第3世代PCIeテクノロジーが搭載されており、収集したデータを直接PCメモリに転送して保存、あるいはCPUやGPUに転送して個別にカスタマイズした信号処理や解析を行うことができます。さらに、3GHz以上の帯域幅を持つフロントエンド回路と、最大16GB(8Gサンプル)のオンボードメモリを搭載しており、今日、最も高度なギガヘルツ帯域の電子信号を扱うエンジニアや科学者にとって強力なツールとなることが期待できます。
製品紹介動画はこちらからご覧いただけます。
https://youtu.be/nLJJdqg26P4
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図1:10 GS/秒の超高速サンプリング、高分解能、そして市場をリードする高速ストリーミングを誇るM5iデジタイザ。ギガヘルツ帯域の信号取得と解析を最適化する革新的ソリューション
12ビットの分解能を有するこの革新的なデジタイザカードは、従来のほとんどのテスト機器を上回る優れたダイナミックレンジを誇ります。例えば分解能は、8ビットのアナログ/デジタルコンバータを使用する多くの一般的なデジタルオシロスコープの16倍です。この並外れた分解能が、より優れたSN比(信号対雑音比)と正確で高精度の信号計測を可能にします。また、低分解能のデバイスでは見落としがちな微細な信号特性をも収集・識別できます。
本デジタイザカードは、通信、半導体テスト、分光解析、分光計、量子物理学などで検知されるさまざまな信号に対応するようデザインされています。フロントエンド回路は3GHz以上の帯域幅を持ち、プログラミング可能な±200 mV〜±2.5 Vのフルスケールレンジと可変電圧オフセットを備えています。信号収集は、シングルショットモードもしくはマルチレコーディングモードのいずれかで行うことができます。マルチレコーディングは、オンボードメモリを複数のセグメントに分割し、極めて高いトリガレートにおいても大量のイベントの取得が可能であるため、シリアルバスのテストや、LIDARやRADARのような刺激応答処理型デバイスへの利用に最適です。またオンボードメモリは、従来のオシロスコープと同様に動作するリングバッファとしても、あるいはPC環境にデータを連続的にストリーミングするFIFOバッファとしても機能するため、フレキシビリティがさらに向上しています。
見逃しやすい信号も捕捉できるように、入力信号や外部トリガ入力端子で使用可能ないくつかのトリガモードを用意しています。このトリガモードには、従来のエッジトリガに加え、Window、Re-Arm、Or/And(logic)、Software、Delayなど、より高度なモードが揃っています。トリガは高速かつ正確に実行され、波形データは関連するトリガのタイムスタンプ情報とともに保存されます。フロントパネルには、信号入力、クロックおよびトリガ入出力、そして4系統多機能デジタルI/Oライン用のSMAコネクタが用意されています。充実したクロックおよびトリガ用拡張コネクタ装備により、追加デジタイザやその他の計測機器との同期も可能です。
本カードを適切なPCIeスロットにセットするだけで、ほぼすべてのPCが高性能の計測デバイスに変身します。これにより、最新の CPU および GPU を信号処理および解析に使用したい全ての人に門戸が開かれます。本カードには、WindowsもしくはLinuxのオペレーティングシステムを搭載したPCでの使用に必要なツールがすべて備わっており、付属のソフトウェア開発キット(SDK)を利用すれば一般的なほとんどの言語(C、C++、 C#、 Delphi、 VB.NET、 J#、Python、 Julia、 Java、 LabVIEW、MATLAB)でのプログラミングが可能となります。SDKには、必要とされる全てのドライバライブラリやプログラミング例も収録されています。また、コード作成を負担に感じるユーザー向けには強力な計測ソフトウェア「SBench 6 Professional」も用意されており、データの表示、解析、保存、文書化に加えて完全なカード制御機能を提供しています。
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図2:5種類のモデルから選べるM5i.33xx-x16シリーズデジタイザ
スペクトラム社の全PCIeカード製品の重要な差別化要素であるCUDA GPUとのダイレクトデータストリーミング機能は、低価格オプションとして提供するSCAPP(Spectrum's CUDA Access for Parallel Processing/スペクトラム社製並列処理用CUDAアクセス)パッケージの導入により利用可能となっています。SCAPPにはCUDA GPUのサポート用ドライバが含まれており、ユーザーは独自の処理ルーチンを構築することができます。また、このパッケージにはクイックスタートガイドとして具体的な実装例を紹介されており、ユーザーはこれらを基にシステムの構築や拡張を進めることができます。ノイズ除去のための連続的な平均化処理や、スペクトル解析に有効なMPoint-FFT(高速フーリエ変換)といった、データ集約型の処理を要するユーザーにとって理想的なツールといえます。
また今回発表するデジタイザカードは、オンボード加算平均化処理機能もオブション提供しています(M5i.33xx-spavg)。平均化処理は、ノイズを低減するのに非常に有効なツールであると同時に、デジタイザの標準12ビット性能を超えるレベルに計測分解能を向上させ、ダイナミックレンジとSN比を高める効果があります。このオプション機能を利用すると、たとえ10 Gサンプル/秒の最高のサンプリング時であっても、カードのオンボードFPGA(Field Programmable Gate Array)を利用して波形を平均化することができ、これにより本製品は市場で1、2位を争う信号平均化スピードを誇るソリューションとなります。イベント間のデッドタイムが40ナノ秒未満と極めて短いため、1秒間に最大1500万イベントという驚異的なスピードでの平均化処理が可能となります。
スペクトラム社のテクニカルディレクター、Oliver Roviniは次のように述べています。「今回発表する新しいデジタイザカードは、スペクトラム社の技術革新の重要な一歩と言えます。これまでよりも高いサンプリングレートと帯域幅の実現により、より幅広い市場への対応が可能になりました。具体的には、ギガヘルツ帯の波形やサブナノ秒レベルのエッジ速度の超高速パルスの取得や特性評価を要するエンジニアや科学者による利用が想定されます。本製品は、ほぼどんな信号にも対応できるよう使いやすくフレキシブルに設計されており、例えばレーザー反射光から発せられる低速パルスや高レベルな変調技術における高速通信信号などにも対応できます」
全てのスペクトラム社製品と同様に、今回発表する新しいM5i.3350-x16およびM5i.3357-x16デジタイザカードには、5年間の製品保証が付いています。この保証には、製品寿命全般において提供される、スペクトラム社エンジニアチームのダイレクトサポートとソフトウェア/ファームウェアの無料アップデートが含まれます。M5i.33xxシリーズには1チャネルまたは2チャネルの計5種類のモデルがあり、サンプリングレートは3.2 GS/秒、6.4 GS/秒、10GS/秒のいずれか、帯域幅は1GHz、2GHz、3GHzのいずれかを選択できます。詳細はスペクトラム社ウェブサイト(www.spectrum-instrumentation.com)をご覧ください。
スペクトラム・インスツルメンテーション社(Spectrum Instrumentation)について
1989年に創業したスペクトラム社(CEO 兼 創業者Gisela Hassler)は、モジュラー設計を利用することでデジタイザ製品および波形発生器製品をPCカード(PCIeおよびPXIe)やスタンドアローンのEthernetユニット(LXI)として幅広く生み出しています。スペクトラム社は30年間に、トップブランドの業界リーダーやほとんどすべての一流大学を含む、世界中のお客様に製品をご利用いただいています。当社はドイツのハンブルク近郊に本社を構えており、5年保証と設計エンジニアやローカルパートナーによる優れたサポートを提供しております。スペクトラム社の詳細については、www.spectrum-instrumentation.comをご確認ください。
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