プレスリリース
スペクトラム・インスツルメンテーション社が最先端のデジタイザシリーズを拡大
デジタイザなど計測機器を製造するスペクトラム・インスツルメンテーション社(本社ドイツ・グロースハンスドルフ/以下、スペクトラム社)は、最新の16レーンPCIeインターフェース(Gen3)を採用した、コストパフォーマンスに優れたデジタイザファミリーに、新しいモデルの追加を発表しました。
スペクトラム社が、世界に先駆けて16レーンPCIeインターフェース(Gen3)を採用したデジタイザは、大容量データを連続して送受信を行えるストリーミング処理を可能にし、世界的な反響を呼んでいます。このカードは、取得データを、バスを介して毎秒12.8GBという驚異的なスピードでストリーミング処理することが可能で、現在市販されている他のPCIeデジタイザの倍近い転送速度を誇ります。この度、スペクトラム社は、これまでのモデルに加え、費用対効果の高い、特にデュアルチャネルのアプリケーションを意識したモデルを発売しました。この新型モデルは、前モデルと同様の高速ストリーミング機能を維持しており、各チャネルは完全同期し、12ビット、最大3.2GS/秒のサンプリングが可能です。また、両チャネルとも最大サンプリングレートで動作中であっても、取得したデータが失われることはありません。この超高速バスを介することにより、全データを直接PCメモリに転送して保存、或いは、CPUおよびCUDAベースのGPUに転送して処理や解析を行うことが可能となります。
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画像1、2チャネル、最大3.2GS/s、分解能12ビットを実現し、12.8GB/sという記録的なストリーミング速度を誇る新型モデル 「M5i.3321-x16」
新型「M5i.3321-x16」モデルは、さまざまな種類の信号を扱えるようにデザインされています。このモデルの高速サンプリングと高分解能を可能にしているのが、1GHz以上の帯域幅を有し、プログラム可能な±200 mV〜±2.5 Vのフルスケール入力レンジ、可変電圧オフセットなどを有する機能性の高いフロントエンドエレクトロニクスです。長く複雑な波形を捉えるために、4GB(2 GSample)の大型オンボードメモリを標準搭載しており、さらに必要に応じて16GB(8 GSample)という業界トップクラスの大容量メモリへの拡張も可能です。このオンボードメモリは、過渡現象記録装置などのリングバッファとして、あるいは取得データをバスを介して直接ストリーミングするためのFIFOバッファとしても機能します。また、セグメントに分割することで複数のイベントのレコーディングが可能になり、トリガレートが非常に高速な場合であっても確実に記録することができます。トリガイベントにはタイムスタンプが押され、多機能なトリガーモード(software, window, re-arm, logic, delayなど)が提供されているため、重要なイベントの発生を見逃すことはありません。
12ビットの分解能を有するこのM5i.3321-x16カードは、ダイナミックレンジが非常に優れているのも特長で、従来の8ビット検査機器で行うよりも精度が高くSN比(信号対ノイズ比率)の良い計測を可能にしています。また、分解能が高いことにより、振り幅の大きい信号に重畳した小さい信号を検出でき、低分解能のデバイスでは見落としがちな微細な信号の特徴を識別できるのも重要なポイントです。
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画像2、3:PCから独立した2基の強力な冷却ファンが、フロントプレートの穴を通してカードの熱をPCケースの外へ放出
このデジタイザカードをPCに搭載すれば、多様なアプリケーションで信号の取得や解析を行う高性能な検査機器として活用できます。フロントパネルには、チャネル入力、クロック、トリガ入出力、および4系統の多機能デジタル入出力ライン用のSMAコネクタが揃っています。クロックやトリガの接続を多く備えていることで、本製品に対して追加されるデジタイザやその他の計測機器を同期させることも可能になりました。こうした機能セットを備えたM5i.3321-x16モデルは、光ファイバ、質量分析、半導体テスト、RFレコーディング、AI、レーダー、LiDAR、通信、天文学、量子テクノロジーなどの分野における高速信号の検出に最適です。
カード背面にはファンが2基搭載されており、前面のプレートの穴から熱をPCの外へ押し出してカードを適切に冷却します。そのため、ユーザーはPC内部でカードが十分に空冷されているかどうかを気にする必要がありません。
スペクトラム社のテクニカルディレクターを務めるOliver Roviniは、次のように述べています。「当社はこの度、M5i.3321-x16モデルの追加により、デュアルチャネルによる信号取得を必要とするM5iシリーズユーザー向けに、費用対効果を最大限に高めたパッケージをご用意しました。この新しいカードは、メガヘルツからギガヘルツまで幅広い帯域の信号を検出・解析する必要のあるすべてのユーザーに高次元のパフォーマンスを提供します。データの取得と同時に直接PC環境にストリーミングできるため、特に信号の処理・解析に最新のCPUやGPUハードウェアを使用する方に最適です。本デジタイザカードは、トップスピードで動作させてRDMAデータを直接NVIDIA P2000 GPUに転送するテストにも成功しています。GPUはノイズ除去のための連続的な平均化やスペクトル解析に有効なFFT(高速フーリエ変換)など複雑な機能を実行できるため、デジタイザが両チャネルとも最大3.2GS/秒で信号をサンプリングしていても、ストリーミングしたデータの全てをシームレスに処理することが可能です」
CUDA GPUに直接データをストリーミングする機能は、当社が低価格オプションとして提供するSCAPP(Spectrum's CUDA Access for Parallel Processing/スペクトラム社製並列処理用CUDAアクセス)パッケージを使用することで取得可能です。SCAPPにはCUDA GPUのサポートに必要なドライバが含まれており、ユーザーは独自のルーチンを構築することができます。また、このパッケージではクイックスタートガイドとして具体的な実装例を紹介しており、ユーザーはこれらを基にシステムの構築や拡張を進めることができます。
本カードには、WindowsもしくはLinuxのオペレーティングシステムを実行するPCでの使用に必要なツールがすべて備わっており、付属のソフトウェア開発キット(SDK)を利用すれば、C、C++、 C#、 Delphi、 VB.NET、 J#、Python、 Julia、 Java、 LabVIEW、MATLABなど一般的に使われているほぼすべての言語でプログラムが可能です。SDKには、必要なドライバライブラリやプログラミング例がすべて含まれています。また当社では、コード作成を負担に感じるユーザーのために、「SBench 6」を用意しています。この強力な計測ソフトウェアで、データの表示、解析、保存、文書化機能と共に、完全なカード制御が可能になります。
スペクトラム社のすべての製品同様、M5i.3321-x16デジタイザカードは5年間の製品保証付きです。この保証には、ソフトウェアとファームウェアの無料アップデートが含まれ、製品使用期間全般にわたり当社のエンジニアチームによる直接のサポートを受けられます。M5i.3321-x16デジタイザカードはすでに販売を開始しており、この新製品に先駆けて、他にも2種類のM5iシリーズ製品を2022年3月に発売しています。最大6.4 GS/sのサンプリングが可能なシングルチャネルカード「M5i.3330-x16」モデルと、両チャネルの同期使用時に3.2 GS/s、または単独チャネルで最大6.4 GS/sのサンプリングが可能なデュアルチャネルカード「M5i.3337-x16」モデルです。
詳細につきましては、弊社ウェブサイト(www.spectrum-instrumentation.com)をご覧ください。
スペクトラム・インスツルメンテーション社(Spectrum Instrumentation)について
1989年に創業したスペクトラム社(CEO 兼 創業者Gisela Hassler)は、モジュラー設計を利用することでデジタイザ製品および波形発生器製品をPCカード(PCIeおよびPXIe)やスタンドアローンのEthernetユニット(LXI)として幅広く生み出しています。スペクトラム社は30年間に、トップブランドの業界リーダーやほとんどすべての一流大学を含む、世界中のお客様に製品をご利用いただいています。当社はドイツのハンブルク近郊に本社を構えており、5年保証と設計エンジニアやローカルパートナーによる優れたサポートを提供しております。スペクトラム社の詳細については、www.spectrum-instrumentation.comをご確認ください。
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