• トップ
  • リリース
  • スペクトラム、転送速度の壁を突破する次世代デジタイザカードを発表

プレスリリース

  • 記事画像1
  • 記事画像2

Spectrum Instrumentation GmbH

スペクトラム、転送速度の壁を突破する次世代デジタイザカードを発表

(PR TIMES) 2022年04月14日(木)15時15分配信 PR TIMES

毎秒12.8 GBの大容量データストリーミングでサンプリングレート6.4 GS/s、分解能12ビットのリアルタイムデータ処理を可能に

デジタイザなど計測機器を製造するスペクトラム・インスツルメンテ-ション社(本社ドイツ・グロースハンスドルフ / 以下、スペクトラム社)はこの度、PCベース計測/制御システムに次世代のパフォーマンスを実現する2種類の新型PCIeデジタイザカードを発表しました。これらのカードは、16レーンのPCIe Gen3テクノロジーを採用しており、12.8 GB/sという驚異的な量の取得データをバスを介してストリーム処理することが可能です。これは、現在市販されている他のどのPCIeデジタイザよりも処理速度が倍近く速いことを意味します。また、この処理能力の高さから、最大サンプリングレート6.4 GB/s、分解能12ビットでカードを持続的に稼働させ、取得データを直接PCメモリに転送して保存したり、CPUおよびCUDAベースのGPUに転送して処理や解析を行ったりすることができます。
今回発表された新製品は、最大6.4 GS/sのサンプリングが可能なシングルチャネルカード「M5i.3330-x16」モデルと、両チャネルの同期時で3.2 GS/s、または単独チャネルで最大6.4 GS/sのサンプリングが可能なデュアルチャネルカード「M5i.3337-x16」モデル(写真)の2種類です。12ビットの分解能を有するこれらの高速デジタイザは、優れたダイナミックレンジを誇り、一般的なオシロスコープや同等の8ビットデジタイザに比べ最大16倍の性能を発揮します。また、分解能が高いことで電圧計測の精度が向上するため、低分解能デバイスでは計測が難しい微小な信号の検出と特性の識別が可能です。

[画像1: https://prtimes.jp/i/95734/3/resize/d95734-3-b1b2bbf0ff66332d5c23-0.jpg ]


12ビットの分解能で最大64 GS/sのサンプリングが可能なM5i.3337-x16モデル

この2つのデジタイザカードは、さまざまな信号を扱えるようデザインされており、2 GHz以上の帯域幅、プログラム可能な±200 mV〜±2.5 Vのフルスケール入力レンジと可変電圧オフセットなど、機能性の高いフロントエンドエレクトロニクスを完備しています。大型オンボードメモリが搭載されており、長く複雑な波形でも簡単に検出できます。4 GB(2 GSample)のメモリが標準搭載されていますが、必要に応じて16 GB(8 GSample)の大容量メモリに拡張することもできます。シングルショットおよびマルチ波形レコーディングモードと併せて、トリガタイムスタンプ機能もサポートされています。マルチレコーディングは、オンボードメモリをセグメントに分割し、トリガのレートが非常に高い場合でも多くのイベントの取得を可能にします。また、シリアルバスのテストを行う際や、LIDARやRADARのように刺激・応答プロセスを使用するシステムを扱う際などに最適です。オンボードメモリは、従来のオシロスコープ同様に機能するリングバッファとして、もしくはデータをPC環境に連続的にストリーミングするためのFIFOバッファとして使用できることから、柔軟性が高まっています。

フロントパネルには、チャネル入力、クロック、トリガ入出力、および4系統の多機能デジタル入出力ライン用のSMAコネクタが揃っているので、ほとんどのテストシステムに簡単に統合することができます。クロックやトリガの接続を多く備えたことで、本製品を追加のデジタイザやその他の計測機器と同期させることも可能になりました。

スペクトラム社のテクニカルディレクター、Oliver Roviniは次のように述べています。
「このたび、新しい高性能デジタイザ「M5i」シリーズの第一弾の販売を開始することができ、大変嬉しく思います。これらの製品は、高周波信号の取得と解析を必要とする場面に理想的な当社独自の機能セットを市場に投入するものです。たとえば、光ファイバーや質量分析、半導体テスト、RFレコーディング、量子テクノロジーなど、数多くのアプリケーションでの信号検出に最適です。また、本製品が実現したデータ転送の速さにも満足しています。最大レート12.8 GB/sでデータを最新のプロセッサ技術(CPUおよびGPU)にシフトすることで、集中的な信号処理が求められる新しいアプリケーションの利用が可能になるのです。例を挙げるなら、人工知能(AI)システムは現在、無線センサやマイクロ波センサの技術を物体の検出や認識に使用しています。メガヘルツやギガヘルツの帯域幅で信号の取得と解析が行われるので、膨大な情報を処理できるのです。同様に、天文学者は、空をスキャンして遠く離れた天体からの光や電波を収集しています。彼らが集めるデータはとんでもない量になるため、それを解析して宇宙の謎を解き明かすには、膨大な処理能力が必要です。そこで力を発揮するのが、M5i製品に搭載された高速バスです。これにより、全データを非常に高度な処理システムに直接、連続的にストリーミングすることが可能になります。データの取りこぼしは一切無く、データの到着と同時に処理することができます。より速くデータ転送ができることにより、計測速度が向上し、特に自動テストプロセスを実行しているユーザーには、生産性の向上にもつながります。そして最後に、分解能が高まったことも忘れてはなりません。そのおかげで、計測精度がアップし、テストエンジニアはより厳しい公差で試験を行えるようになりました。それはつまり、より良い品質管理を可能にするのです」

[画像2: https://prtimes.jp/i/95734/3/resize/d95734-3-2b41047df9d5010c0a2a-1.jpg ]


大きな前進の一歩に:毎秒12.8 GBのストリーミング

当社は、この新型デジタイザの転送速度を検証するため、さまざまなPCプラットフォームで製品を動作させてみました。その結果、AMD EPYC 7252サーバープロセッサを使用した場合に、最大転送速度が得られることがわかりました。また当社は、デジタイザカードからNvidia P2000 GPUへのダイレクトなRDMA転送もフルスピードでテストしています。最大5000個の処理コアを有するCUDA GPUに直接データをストリーミングする機能は、当社のSCAPP(Spectrum's CUDA Access for Parallel Processing/スペクトラム社製並列処理用CUDAアクセス)パッケージを使用することで得られ、こちらは低価格オプションとして提供されています。SCAPPにはCUDA GPUのサポートに必要なドライバーが含まれており、これによりユーザーは独自のルーチンを構築することができます。また、ノイズ除去のための連続的な平均化やスペクトル解析に使用するFFT(高速フーリエ変換)など、一般的な機能の実際の動作例も含まれています。

スペクトラム社のデジタイザカードは、WindowsまたはLinuxのOSを搭載したPCにインストールし、一般に広く使われているほとんどの言語でプログラムが可能です。これには、C、C++、C#、Delphi、VB.NET、J#、Python、Julia、Java、LabVIEW、MATLABが含まれます。各カードには、必要なドライバライブラリやプログラミング例のすべてを含むソフトウェア開発キットが付属しています。また、お客様が自身のコードを書くことを希望しない場合、当社では「SBench 6」をご用意しています。この強力なGUIは、データの表示、解析、保存、文書化機能と共に、完全なカード制御を可能にしています。

スペクトラム社のすべての製品がそうであるように、今回発表した2種類のカードも5年間の製品保証付きです。この保証には、ソフトウェアとファームウェアの無料アップデートが含まれています。また、製品寿命を通して、当社のエンジニアチームによる直接のサポートを受けられます。M5i.3330-x16およびM5i.3337-x16デジタイザカードは、現在販売を開始しております。

スペクトラム・インスツルメンテーション社(Spectrum Instrumentation)について
1989年に創業したスペクトラム社(CEO 兼 創業者Gisela Hassler)は、モジュラー設計を利用することでデジタイザ製品および波形発生器製品をPCカード(PCIeおよびPXIe)やスタンドアローンのEthernetユニット(LXI)として幅広く生み出しています。スペクトラム社は30年間に、トップブランドの業界リーダーやほとんどすべての一流大学を含む、世界中のお客様に製品をご利用いただいています。当社はドイツのハンブルク近郊に本社を構えており、5年保証と設計エンジニアやローカルパートナーによる優れたサポートを提供しております。スペクトラム社の詳細については、https://spectrum-instrumentation.com/をご確認ください。



プレスリリース提供:PR TIMES

このページの先頭へ戻る