プレスリリース
【脱炭素経営へのコンサルと製品の市場価値向上をめざす】金沢工業大学 経営情報学科 松林研究室が「ゼロカーボンシティののいち推進パートナー」に登録されました。
金沢工業大学 経営情報学科 松林賢司研究室(専門:起業・新規事業開発、地域共創)が野々市市の「ゼロカーボンシティののいち推進パートナー」に登録されました。
野々市市では気候変動の主な原因である二酸化炭素排出量を2050年までに実質ゼロにすることをめざす「ゼロカーボンシティ」を宣言しています。この一環で、市域全体でゼロカーボンシティの実現をめざすために創設されたのが「ゼロカーボンシティののいち推進パートナー制度」です。
温室効果ガスの削減は世界的な課題となっていますが、サプライチェーン全体としてどれだけ温室効果ガスを排出しているのか、自社で把握したり算定している企業は依然として少ないのが現状です。
松林研究室では国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)が開発した温室効果ガスに関する世界最大規模のデータベース「AIST-IDEA」※1の運用等について産総研と共同研究を実施。そこで得られた知見を活用して、脱炭素に関する企業へのコンサルテーションやカーボンフットプリント(Carbon Footprint of Product 以下「CFP」)※2を活用した伝統工芸品などの市場価値向上に取り組んでいます。
【ゼロカーボンシティののいち推進パートナー制度について】
石川県野々市市では、令和4年3月に、気候変動の主な原因である二酸化炭素排出量を2050年までに実質ゼロにすることをめざす「ゼロカーボンシティ」を宣言しました。その一環として、ゼロカーボンシティの実現に向けてともに取り組む市内の事業者や団体をパートナーとして登録する「ゼロカーボンシティののいち推進パートナー制度」を令和6年に創設。このたびの金沢工業大学経営情報学科 松林賢司研究室の登録は、はくさん信用金庫、大和リース株式会社金沢支店に続く第3号となります。
【経営情報学科松林賢司 研究室の取り組み】
金沢工業大学 経営情報学科 松林賢司教授の研究室では、温室効果ガス(greenhouse gas、以下「GHG」)の排出量やカーボンフットプリント(以下「CFP」)の計算および削減方法に関する研究を進めています。
「AIST-IDEA」に関して産総研と共同研究を実施。AIST-IDEAを用いたGHGプロトコル(温室効果ガス排出量算定・報告の国際的な基準)や、ISO14064 ※3に基づく企業または事業所のGHGサプライチェーン排出量(Scope1、2、3)※4、CFPの計算サービス並びにGHG排出量の計算方法とGHG削減方法に関するコンサルティングを行っています。
また松林研究室では、CFPを商品に表示することで、競合他社に比べ環境負荷が低い商品であるという付加価値を製品に与え、企業のブランド向上にもつながることから、県内の伝統工芸品を対象に、CFPの表示による商品価値の向上等に取り組んでいます。
※1 AIST-IDEA
AIST-IDEA(アイスト‐イデア)は、環境影響の見える化手法であるLCA(ライフサイクルアセスメント)やScope3を実施する際に必要となる排出原単位を、網羅性、代表性、完全性、透明性を担保しながら提供する世界最大規模のインベントリデータベース。 日本国内のほぼ全ての事業における経済活動をカバーし、全データを「日本標準産業分類」「工業統計調査用商品分類」に基づいた分類コード体系で作成している。事業者がLCAを用いて、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量の把握と削減を行っていくには、一次データ(フォアグラウンドデータ。評価実施者自ら収集するデータ)だけでなく、二次データ(バックグラウンドデータ。投入物 のCO2排出原単位のようにLCAデータベースなどから引用するデータ)が必要となるが、IDEAをリリースする以前の日本には、参照できる二次データが十分ではなかった。気候変動をはじめ、さまざまな影響領域への環境負荷を定量的な評価に活用できる、インベントリデータベースの需要の高まりを受け、2008年から産総研がIDEAの開発をスタート。毎年データベースの更新と拡張を行い、世界三大データベースの一つとなった。
【参照 産総研Webサイト】
■AIST‐IDEA サービスのご案内
https://www.aist-solutions.co.jp/page/aist_idea.html
■日本発、世界最大規模のインベントリデータベースIDEAの更新版をリリース
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2024/pr20240318_2/pr20240318_2.html
※2 カーボンフットプリント(Carbon Footprint of Product / CFP)
製品やサービスの原材料調達から廃棄、リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガス排出量をCO2排出量に換算し、製品に表示された数値もしくはそれを表示する仕組み。
※3 ISO14064
国際的に統一なGHG算定のルール、検証のルール。
※4 サプライチェーン排出量 (Scope1、2、3)
製品の原材料調達から製造、販売、消費、廃棄に至るまでの過程において排出される温室効果ガスの量のこと。
Scope1(自社での直接排出量)、Scope2(自社での間接排出量)、Scope3(それ以外の間接排出量)からなる。
▼本件に関する問い合わせ先
金沢工業大学 広報課
住所:石川県野々市市扇が丘7-1
TEL:076-246-4784
FAX:076-248-7318
メール:koho@kanazawa-it.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/