プレスリリース
2024年7月30日
PwC Japanグループ
PwC Japanグループ、サステナビリティに関する消費者調査を発表
〜サステナビリティ課題の理解と取り組みへの共感は、1年で1.5倍に拡大〜
PwC Japanグループ(グループ代表: 久保田 正崇)は本日、「社会を変える内なる変化 サステナビリティに関する消費者調査 2023」を公開しました。2022年9月に発表した「サステナビリティに関する消費者調査2022」(https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/consumer-survey-on-sustainability2022.html
)に次ぐ調査です。前回の調査結果では、既存の価値をフックにサステナビリティ商品を消費者の手に取ってもらい、消費者の価値観をアップデートすることでサステナブル消費は拡大するという仮説を立てましたが、本調査では、その立証とともに、新たにサステナブル消費の後押しをする3つのトリガーを提示しています。調査対象は日本国内に絞り、性別、4つの世代区分、都会・地方の人口構成比に応じて収集し、2,908件の有効回答を得ました。
本調査結果のハイライトと、導かれた見解は以下です。
ハイライト
サステナビリティ課題に対する理解と取り組みへの共感は、1年で1.5倍に拡大した
身の回りでできるサステナブルな行動を実践している消費者は増加している一方、サステナブル消費は、ほぼ横ばいである
サステナブル消費のトリガーとなる環境・社会課題の捉え方を「自分ゴト」「決まりゴト」「学びゴト」の3つの類型で分析したところ、環境・社会課題を「自分ゴト」と捉えている人が最もサステナブル消費をしており、次いで「決まりゴト」「学びゴト」の順となった。サステナブル消費では、節約や利便性、健康などの機能的価値のほか、日常生活行動と比べ「かっこいい」「憧れ」などの情緒的価値が見出されている
見解
課題を「自分ゴト」と捉えると、サステナブル消費が増えるという関係が発見されました。今後、気候変動による異常気象などの現象を通じ、「自分ゴト」化が進むと予想されます。また、新たな環境・社会課題の話題が次々登場する現状から、「決まりゴト」「学びゴト」の対象になることが増えていくとことも予想されます。これらの状況から、サステナブル市場は今後も拡大することが推察されます。
主な調査結果の紹介
1.サステナビリティ課題の理解と消費動向
サステナビリティの必要性を理解・共感する人の割合は2022年に比べ1.5倍に増えています。理解・共感の高まりとともに、日常生活における行動を実践している消費者も増加しています。例えば「消費期限の近い食品を買う」消費者が15%から28%に増加しているように、サステナブルな行動を実践している消費者は全体的に拡大していると言えますが、他方で、サステナブル消費、例えば「省エネ家電や電気自動車の購入」は横ばいであり、企業のサステナビリティの取り組みが財務につながる市場は形成途上と言えます。
※ここでのサステナブルな消費行動とは環境・社会課題を考慮した商品・サービスの購入を指します
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2.サステナブル消費を後押しする3つのトリガー
企業がサステナブルな消費行動を促進していくヒントとして、サステナブル消費を後押しするトリガーを3つの類型で整理しました。
自分ゴト:環境・社会課題の被害・影響を、自分や周囲の人が実際に受けたり、目の当たりにしたりすることがトリガーとなっている
決まりゴト:家族や周囲の人がやっていたり、地域社会や学校、職場でルールがあったりすることで、環境・社会課題に対応することが当たり前の習慣になっていることがトリガーとなっている
学びゴト:環境・社会課題について学校や職場で詳しく学んだり、テレビやSNSなどを通じて詳しく知る機会があったりすることで、課題を知識として学んだことがトリガーとなっている
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環境・社会課題の捉え方に応じたサステナブルな商品・サービスの購入割合を見たところ、同課題を「学びゴト」よりも「決まりゴト」、「決まりゴト」よりも「自分ゴト」と捉えている人の方がサステナブル消費をしている割合が高いことがわかりました。気候変動による異常気象など、環境・社会課題の被害を自覚する人は増加しています。課題を目の当たりにすることで「自分ゴト」として捉える人はもちろん、ルールや知識として認識する人も今後増えると推察されるため、企業は能動的にそれらのトリガーを引くことで、他社に先んじて需要を生み出し獲得することができると言えるでしょう。
3.サステナブル消費は「かっこいい」「憧れ」等の情緒的価値も見出されている
サステナブルな行動をする目的が「環境・社会のため」であることは想像に難くありません。しかし、購買行動においてはそれだけが唯一の目的という事ではなく、複合的な目的を持ち合わせています。日常生活におけるサステナブルな行動(使い捨て商品を避ける、マイボトルを持つなど)と、サステナブル購買(オーガニック食品を買う、省エネ家電や電気自動車を購入など)を比較すると、サステナブル購買の方が情緒的価値が総じて高いことがわかりました。つまり、かっこよさや、サステナブルな消費をしている他人への憧れ・尊敬の念のようなものによる影響の存在が示唆されます。
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調査概要
目 的 :日本におけるサステナビリティ市場の現在地と、未来に向けた課題と兆しを明らかにする
ことで、企業のアクション検討の一助とする
方 法 :Webアンケート調査
対象国 :日本国内
期 間 :2023年2月14日〜2023年2月16日
回答数 :2,908サンプル
※性別、4つの世代区分、都会・地方の人口構成比に応じて収集
世 代 :Z世代(18~25歳)/ミレニアル世代(26~39歳)/X世代(40~54歳)
/ベビーブーム世代(55~74歳)
都会・地方:都会(政令指定都市もしくは東京都23区を普段の生活で日常的に利用する)
地方(それ以外)
※2,908サンプルは、回収した3,104から無効回答を除いた分となる
以上
PwC Japanグループについて:https://www.pwc.com/jp
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