プレスリリース
日本初の技術を導入し、地熱発電開発を促進
オリックス株式会社(本社:東京都港区、社長:井上 亮)は、本日、北海道函館市南茅部地域で設備容量6,500kW(6.5MW)の地熱発電所「南茅部地熱発電所」の商業運転を開始しましたのでお知らせします※1。本発電所は、バイナリー方式で国内最大規模※2の地熱発電所となります。
本発電所は、地下から取り出した熱水の熱で水より沸点が低い媒体を沸騰させ、その蒸気でタービンを回し発電する「バイナリー方式」を採用しています。これまでの国内の地熱発電は、地下から取り出した蒸気や熱水を直接利用しタービンを回す「フラッシュ方式」※3が主流でしたが、「バイナリー方式」では媒体を使用することで、低温度(主に200度以下)の地熱資源でも発電が可能です。
また、本発電所では、ラインシャフト式ダウンホールポンプ※4を日本国内の地熱発電所で初めて導入しました※2。長時間稼働できる耐久性の高い地熱向けポンプを利用することで、低温度の熱水からでも十分な熱量を得ることが可能となり、従来では困難だった低温度の熱水地域においても設備容量の大きい地熱発電を実現しました。
設計面では、新技術の活用により井戸の本数と開発面積を削減するとともに、高温になった媒体の冷却には、従来使用されていた水の代わりに空冷凝縮器※5を使用することで、樹木が枯れる原因となる樹氷の発生を防止します。また、取り出した熱水は全て地下に還元して水資源の循環に努めるなど、環境に配慮した発電所設計を行っています。あわせて、発電所近隣の森林整備を行い、地域と連携しながら環境保全を図ってまいります。なお、本事業は、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による地熱資源開発資金債務保証事業の採択を受けています。
オリックスは、太陽光、地熱、風力など再生可能エネルギーによる発電事業を積極的に展開しています。地熱発電は、グループで運営している温泉旅館「別府温泉 杉乃井ホテル」(大分県別府市)にて自家用の発電所を保有・運営※6するほか、八丈島で公募採択された地熱発電事業で発電所の建設に向けた調査を進めるなど、国内複数箇所で開発を推進しています。
今後もカーボンニュートラルの実現に向けて、再エネの主力電源化への取り組みを推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
※1 2019年8月8日付ニュースリリース:北海道で6.5メガワットの地熱発電所の建設に着手(https://www.orix.co.jp/grp/company/newsroom/newsrelease/190808_ORIXJ.html
)
※2 当社調べ
※3 主に200度以上の高温地熱流体中の蒸気で直接タービンを回して発電する方式。
※4 モーターを地上に設置し、シャフト(棒状の回転軸)先端のプロペラのみで熱水をくみ上げるポンプ。
※5 伝熱管内に媒体の蒸気を流し、管外面を空気で冷却することで媒体を液化させて熱を放出する熱交換器。
※6 現在、設備更新等により一時稼働を停止しています。
■事業概要
[画像1]https://digitalpr.jp/simg/2255/87534/700_170_2024043011334266305886054cd.jpg
■「南茅部地熱発電所」外観
[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2255/87534/700_467_2024043014160166307e91d4d53.jpg
本件に関するお問合わせ先
オリックス株式会社 グループ広報・渉外部 TEL:03-3435-3167