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日本製鉄株式会社

日本製鉄 文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞 〜海洋環境保全のための衝突安全性に優れた船体用高延性厚鋼板を開発〜

(Digital PR Platform) 2024年04月09日(火)14時24分配信 Digital PR Platform

日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)は、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所(以下、海上・港湾・航空技術研究所)および今治造船株式會社(以下、今治造船)とともに、「衝突安全性に優れた船体用高延性厚鋼板の開発」で、科学技術に関する開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者に対してその功績を讃える「令和6年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)」を受賞しました。

<受賞内容>
(1) 受賞名 : 令和6年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)
(2) 受賞件名 : 衝突安全性に優れた船体用高延性厚鋼板の開発
(3) 受賞者:
  大川鉄平 日本製鉄 技術開発本部 鉄鋼研究所 材料信頼性研究部 主幹研究員
  山田安平 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所 海難事故解析センター センター長
  紙田健二 今治造船 取締役執行役員
  市川和利 日本製鉄 技術開発本部 技術開発企画部 上席主幹
  今城大貴 日本製鉄 九州製鉄所 品質管理部 主幹
(4) 概要:
日本製鉄は、海上・港湾・航空技術研究所および今治造船とともに、船舶からの大規模油流出を防止し、海洋環境を保全するために衝突安全性の一層の向上を目指し、衝突安全性に優れた船体用高延性厚鋼板を開発しました(図1)。具体的には、最先端の数値シミュレーション(非線形有限要素法)と大型構造実験を駆使して、従来規則値の1.5 倍以上の鋼材の伸びの目標を技術的に示し、その上で、延性向上のための冶金原理を確立し、厚鋼板の製造条件の高度化、量産化を実現しました。
船側部に高延性厚鋼板を使用すること(図2)により、衝突による超大型原油タンカーなどの油漏洩リスクを低減することを可能にしています。また、高延性厚鋼板は強度・靭性、溶接性などの加工性も従来鋼と同等であるため、造船所の施工負荷は変わりません。
本技術を採用した船舶は、関係諸機関のご理解も得て、国土交通省告示第356 号の「先進船舶」として税制優遇され、また、国際的な入港料減免制度の評価項目に高延性厚鋼板の採用の有無が追加されています。このように社会的、経済的に有益な高延性厚鋼板は、超大型原油タンカー8 隻を含めて既に63 隻(計画を含む)に実装され、日本の海事産業の競争力向上に寄与しています。

日本製鉄は、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した活動(「7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、「13. 気候変動に具体的な対策を」と「14. 海の豊かさを守ろう」)を通じて、これからも社会の発展に貢献していきます。

【図1 伸びの改善と衝突安全性の向上】

 [画像1]https://digitalpr.jp/simg/84/86429/600_452_202404091409596614cda760520.JPG


【図2 超大型原油タンカーへの高延性厚鋼板の適用例】

 [画像2]https://digitalpr.jp/simg/84/86429/600_385_202404091410076614cdaf1a72d.JPG

主要特許:特許第5893231 号「耐衝突性に優れた船体構造及び船体構造の設計方法」
     特許第6007968 号「高強度高延性厚板鋼板とその製造方法」

* 本研究の一部は、一般財団法人日本海事協会の「業界要望による共同研究」のスキームにより、研究支援
を受けて実施しました。

【海上技術安全研究所プレスリリースURL】
 https://www.nmri.go.jp/news/press/2024/press20240409.html
以 上


お問い合わせ先:総務部広報センター 03-6867-3419




[画像3]https://digitalpr.jp/simg/84/86429/400_51_202404091409486614cd9cd26c3.JPG



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