プレスリリース
金属アディティブマニュファクチャリング装置「Lasermeister LM300A」および3Dスキャナー「Lasermeister SB100」を発売
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Lasermeister SB100 Lasermeister LM300A
株式会社ニコンは、損傷や摩耗したワーク(対象物)の補修を主なターゲットとしたDED(Direct Energy Deposition)方式の金属アディティブマニュファクチャリング装置「Lasermeister LM300A(以下、LM300A)」および3Dスキャナー「Lasermeister SB100(以下、SB100)」を発売します。
LM300Aは、主に研究開発での使用を想定した現行の「Lasermeister LM100A」シリーズの高い加工精度はそのままに、産業用途向けのより大型ワークの金属3D積層造形が可能になりました。また、LM300A向けに設計した3DスキャナーSB100は、ワンクリックでワークの自動スキャンおよび加工パスデータの自動生成が可能で、このデータを元にLM300Aで金属3D積層造形を行います。両装置の組み合わせにより、タービンブレードや金型など産業用部品向けの幅広い補修ソリューションを提供します。
製品概要
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開発の背景
タービンブレードは、発電施設で燃焼ガスから動力を取り出すガスタービンや航空機のエンジンで使用されています。過酷な環境で使用されるため時間の経過とともに摩耗し、継続して使用するには定期的に摩耗部分を補修する必要があります。
従来のタービンブレードの補修は、ブレードごとに摩耗した部分を切削・研削し、その後、手動溶接作業で金属に肉盛りし、研磨加工で最終形状に仕上げていました。しかし、この方法は熟練した溶接工による長い作業時間が必要でした。さらに切削・研削による廃棄物の発生、人が行うことによる補修品質のばらつきやリードタイムの長期化などの課題が生じていました。
LM300AおよびSB100の補修ソリューションは、補修プロセスにおける溶接工程の作業時間を最大65%※削減し、研削や研磨などの後加工を最小化することが可能です。今後タービンブレードだけでなく摩耗した金型の補修や自動車・鉄道・機械に使用される治具やパーツの補修等、産業界において幅広い活用も予想され、さまざまな製造工程における革新的なソリューションを提供します。
※当社試算
主な特長
1.自動スキャンおよび加工パスデータの自動生成損傷・摩耗したワークをSB100にセットすると、チャンバー内の高精度スキャナーでワークを自動測定。損傷・摩耗ワークの形状と理想形状(CADデータ)とを照合して差分を抽出し、損傷・摩耗箇所を修復するための加工パスデータを自動生成します。特別なスキルは一切必要ありません。加工パスデータはその後LM300Aに転送され、DED方式での高精度付加加工を行います。加工完了後、ワークをSB100に戻し、理想形状に補修されているかどうかスキャン・検査を行います。自動化されたワークフローで、製造現場におけるコストとリードタイムを大幅に低減します。
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2.各種金属材料を高精度に加工
LM300Aは、ニコンの半導体露光装置の開発で長年培った高度な光学技術と精密制御技術の活用により、高精度な加工を実現します。タービンブレードの場合、XY軸方向+0mm〜+0.5mm、Z軸方向+0.5mm〜+1.5mmの超高精度な加工が可能です。また、溶融池(メルトプール)を常に監視する、メルトプールフィードバック機能がリアルタイムでレーザーパワーを制御し、滑らかで高精細な付加加工を実現します。これにより、クラックのない高品質な補修を安定的に行うことができ、部品を長寿命化できることが特長です。
LM300Aは、ニッケル基合金(Ni625、Ni718)、ステンレス鋼(SUS316L)、ハイス鋼(SKH51)、チタン合金(64Ti/Ti-6Al-4V)の各種金属材料に対応しています。また今後、お客様のご要望に基づき対応可能な金属材料を順次増やしてまいります。
主な性能
Lasermeister LM300A
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Lasermeister SB100
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金属アディティブマニュファクチャリング装置(金属3Dプリンター)について
金属アディティブマニュファクチャリング装置(金属3Dプリンター)とは、3次元CADデータを基に金属製品を造形する装置のことです。
鋳造・鍛造・切削などの従来工法では難しかったメッシュ構造や中空構造のような複雑形状でも造形が可能で軽量化を実現、また、設計の自由度が高くなります。
金属の塊から削り出す従来工法とは異なり、ダイレクトに最終形状を形作る加工方法のため、使用する金属材料を最小限に抑えられ省資源で持続可能な手法でもあります。
一体加工で部品点数を減らせ、軽量で強度の高い部品を造形できるため、航空宇宙分野、自動車業界等での活用が期待されています。