プレスリリース
新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。会社を代表して、心から歓迎いたします。
私たち日本製鉄は、総合力世界No.1 の鉄鋼メーカーを目指しています。そのために、特にこれまでの5 年間で、様々な経営改革を実行してきました。
国内構造改革による生産ラインの集約や、販売価格の大幅な改善、海外事業の選択と集中など、全社を挙げて取り組んだ経営改革が実を結び、連結実力損益は大きく拡大しました。生産設備の新鋭化、電磁鋼板、超ハイテンなど戦略商品の生産拡大などこれから効果を発揮する対策も進行中です。
また、海外事業においては、インド、アセアンでの生産拡大に加えて、米国では現在US スチール社の買収を社の総力をあげて進めています。
原料事業では脱炭素対策にも繋がる投資を、また流通加工では日鉄物産やグループ加工会社とのサプライチェーンマネジメントの高度化を進めています。
当社の事業戦略において、鉄鋼生産そのもののグローバル展開を横軸とすれば、縦軸は原料、流通加工といった鉄鋼生産からみた川上、川下への事業領域の拡大です。強い国内製鉄事業を要に、この縦軸と横軸がグローバルに組み合わされれば、更なる事業規模の拡大と安定的な高収益構造の実現が可能となり、総合力世界No.1 という目標も名実ともに実現します。
当社がこれから直面する様々な課題の中から特に重要な3点について述べたいと思います。
第一は、社会の変革期を捉えた、新たなビジネスチャンスの獲得です。気候変動問題への対応が産業界の大きな流れとなり、産業構造の変化を通じた新たな需要が材料分野においても生まれています。例えば、再生可能エネルギーの拡大や、自動車のゼロエミッション化など運輸分野の技術革新には、当社の技術を生かせる新たな鋼材・ソリューションニーズがあります。また、労働人口減少による自動化、省力化対策、DX の加速なども当社グループにとってのビジネスチャンスです。世の中に新たな付加価値を創り出すという製造業の本分を忘れず、我々の技術が生かせる新たなチャンスの獲得に積極的に取り組んでください。
第二は、生産規模と収益の両面で当社の成長エンジンとして一段と強化していくことになるグローバル事業と、それを支えるマネジメントの強化です。インド、アセアン、US スチール買収後の北米を中心に、成長市場での一貫製鉄事業の拡大は、当社のグローバル展開が新たな段階に入ることを意味します。こうしたなかで、日本が世界本社となり、世界に展開する事業拠点が現地企業として健全に発展することを強力に支援していく、そのような形で国内製鉄事業が海外事業を支える存在となる必要があります。皆さんもグローバル企業の一員として将来は海外でも活躍できるよう、今から研鑽を積んでください。
第三は、最も大きな課題ともいえる脱炭素対策です。
当社は2050 年のカーボンニュートラル実現を目指しています。脱炭素対策の具体的な対応としては、これまでの製鉄プロセスを大きく変革する技術開発を業界の先駆けとなって推進し、大規模な設備実装計画を実現する取り組みを進めています。そのためには、環境価値としてのCO2 排出量削減が経済価値となることが、サプライチェーン全体の共通認識となり、市場として確立しなければなりません。このように脱炭素問題の解決には、社会全体を動かすための様々な取り組みが不可欠であり、業界をリードする当社でしか成し得ない、全社の総力を挙げて挑戦するテーマです。環境の時代に育った皆さんは、2050 年頃には文字通り当社の経営を支える存在になっています。その時当社がグローバル経済と地球環境の双方において欠かせない存在となれるよう、共に取り組んでいきましょう。
困難な課題を乗り越えていくためには、社員一人ひとりが持てる能力を最大限に発揮する必要があります。対話を基本に、個人の力を職場や会社の力として結集することが重要です。
そして、企業理念にもある通り、当社は社会に貢献し、社会から信頼される企業でなければなりません。例えば脱炭素で世の中を変えていくにも、社会から信頼される企業であることが益々重要になっています。人を大切にし、社会から信頼される企業であること、こうしたことを常に念頭に置き、これからの業務に取り組んでください。
また、こうした信頼の前提とも言えるのが、コンプライアンスや安全・環境・防災・品質保証です。職場のルールを守り、どんなときも常に正々堂々、誠実に対処してください。
総合力世界No.1 という言葉は非常に大きな概念です。しかしこれから、皆さんの周りには、それぞれの仕事、それぞれの職場という、皆さん自身の日本製鉄ができます。皆さん一人ひとりが、自身の成長と、職場の発展にむけて日々努力することが、総合力世界No.1 の日本製鉄に繋がります。
皆さんの今後の大いなる活躍を祈念して、私からの歓迎の挨拶といたします。
以 上
お問い合わせ先 : 総務部広報センター 電話03-6867-2135、2146、3419
[画像1]https://digitalpr.jp/simg/84/85942/400_51_20240401094952660a04b0d36dd.JPG