プレスリリース
立命館大学初となる科研費・学術変革領域研究(A) での領域代表に採択 中川毅教授(RARAフェロー)による研究課題『「暴れる気候」と人類の過去・現在・未来』が今春より開始
立命館大学古気候学研究センター(滋賀県草津市)のセンター長 中川毅教授(RARAフェロー※)が、2024年度科研費 学術変革領域研究(A) 『「暴れる気候」と人類の過去・現在・未来』において、2024年2月29日に立命館大学では初となる領域代表に採択されました。また、同副センター長の北場育子准教授(RARAアソシエイトフェロー※)も、本研究課題の計画研究代表に採択されました。
(※)社会に新たな価値を生み出す次世代研究大学を目指し、2022年4月に発足した立命館先進研究アカデミー(Ritsumeikan Advanced Research Academy)の呼称。
気候には、一方向に変化する「気候変動」とも、極端な事態が稀に発生する「異常気象」とも違う、第三のモード、極端な事態が日常的に発生し、もはや異常とも呼べなくなるモードが存在します。本研究では、この第三のモードを「暴れる気候」と名付け、@それが過去においてどのようなときに発生してきたのか、A発生メカニズムはどのようなものか、B人類や生態系にどのような影響を与えるのか、Cどのような対応策があり得るのかについて、国内外の研究機関と協働し、包括的に研究をおこないます。
立命館大学は、主に過去の気候復元と年代測定を担当します。「暴れる気候」は発生にかかわる時間スケールが短いため、地質学的な記録から復元することが困難でした。本研究では、「年縞」と呼ばれる特殊な堆積物を詳細に分析することで、この問題にブレークスルーをもたらします。「年縞」とは一年に1枚ずつ堆積する特殊な地層のことであり、過去の出来事を一年刻み、あるいはさらに細かい解像度で記録しています。本研究では、日本の水月湖とグアテマラのペテシュバトゥン湖から年縞を採取し、詳細に分析することで、「暴れる気候」の歴史を実証的に解明します。
研究活動の詳細は別紙をご覧ください。
【中川センター長・北場副センター長のコメント】
年縞に刻まれた詳細な記録を、すべて読み解くには膨大な手間と時間、費用がかかります。「そこまでやる」ことに意義を見出し、必要な機会を与えていただいたことに感謝します。気候変動の本当の脅威は、その「不安定性」に注目しなくては理解できません。近未来と向き合うための新たな視点を手に入れることをめざして、5年間全力を尽くします。
▼本件に関する問い合わせ先
立命館大学広報課
岡本
TEL:075-813-8300
【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/