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地域の担い手不足解決を図る制度に改めて注目 「地域おこし協力隊」制度きっかけの地 新潟の秘訣と秘策

(Digital PR Platform) 2024年02月16日(金)11時10分配信 Digital PR Platform

十日町市は隊員定着率(直近3年間)が驚異の88%
近年問題となっている「隊員と地域住民とのトラブル」を防ぐためのヒント


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2023年はクマによる人的被害が統計開始以降最多となりましたが、原因の一つが、狩猟に携わる人の減少、耕作放棄地の拡大など、地域の担い手不足だと考えられています。2008年をピークに全国の人口は減少に転じ、少子高齢化が急激に進行。特に地方自治体では、人口減少、若者の流出などによる過疎化で地域社会の活力が低下しています。これにより必要な機能が維持できない地域の増加が続くと、より深刻な影響が予想されます。
そのため今日では、地域力の維持・強化を図るための担い手となる人材の確保が急務とされていますが、その課題解決のための制度の一つが「地域おこし協力隊」です。

■活用は増えているが、更なる活用拡大には受入体制の充実も重要

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地域おこし協力隊の受入数・導入市町村数は増加傾向。
2022年度で6,447名の隊員が全国にて活動中で、国は2026年度までに10,000人に増やす目標を設定。







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一方で、2017年頃までに協力隊活用可能な市町村の多くが活用済みとなり、これ以上の行政単独での受け入れに限界が見えており、近年は受入数が微増にとどまる。
(単位は人。オレンジ=全国、青=新潟県)




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■受入地域と隊員の良い関係づくりが、その後の定着にもつながる
全国の地域おこし協力隊の定住率は2022年度に65.4%で、近年はほぼ横ばいで推移。受入体制の充実等により協力隊員が地域とうまく関係を構築できると、隊員の任期後の定住も自然と促進されます。

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任期後定住した協力隊員の割合(縦軸は%)


※協力隊員と受入地域とのトラブルが問題に
2022〜23年にかけて、協力隊員と地域住民とのトラブルを描いた動画やSNS投稿がシェアされ、地域おこし協力隊に関するネガティブな情報が拡散されていますが、協力隊員と受入地域の熱意のミスマッチ(空回り)がその原因であることも多いとされています。
このようなミスマッチを防ぎ、今後地域おこし協力隊の活用を拡大していくには、協力隊員と受入地域がうまく関係を作っていくことが不可欠と言えます。

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■地域おこし協力隊先進県・新潟
そんな中新潟県は、2022年度の隊員受入数が253人で全国5位に位置し、また、6割以上の隊員が、任期終了後も県内に定住しています。特に、中越地域に位置する十日町市では、制度が創設された初年度からいち早く協力隊を導入し、さらに、定住率が72%、直近3年では88.2%と、全国でも屈指の「協力隊員の定住」を実現しており、このような市町村を含む新潟県は、協力隊の先進地といえます。
また、新潟県は、2022年度の受入数253人に対して、2026年度までに500人という意欲的な目標を掲げており、県全体として地域おこし協力隊の受け入れに積極的に動いています。


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「地域おこし協力隊先進県」新潟の“秘訣”
■秘訣@ マクロ要因
30~40代の地域づくりの担い手や、外部人材の育成を支援する中間支援組織が多く存在


新潟県として古くから市民協働・住民主体の地域づくりに注力してきたため、「住民主導でこんな地域をつくりたい」という哲学・土壌が根付いている
その哲学を持った担い手が、中越地震を契機に結集して復興支援を展開、その後中越防災安全推進機構をはじめ、復興以外の分野でも外部人材支援の担い手団体として継続

※中間支援組織とは(※1)
明確な定義はないが、「NPOを支援するNPO」のような組織。@資源の仲介(資金、人材、情報などの資源提供者とNPOを仲介)、ANPO間のネットワーク促進(NPOが抱える課題をNPO同士で解決できるネットワーク構築)、B価値創出(NPOに対するニーズの発掘や社会課題の普及促進等)等の役割・機能を持つ。


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※1:中間支援組織の画像:内閣府NPOホームページ『平成13年度 中間支援組織の現状と課題に関する調査』より作成

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⇒2010年の地域おこし協力隊制度発足時、人材活用・育成の仕組みとして大きく参考にされた。








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■秘訣A ミクロ要因
協力隊員が、自分に必要なことを自ら見つけられるためのサポートが存在


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⇒結果協力隊員の地域への定着が進み、2012年に50.0%だった十日町市の協力隊員定住率が現在72%まで上昇






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地域おこし協力隊先進県・新潟の次なる“秘策” ―受入体制、日本一を目指して―
新潟県では、市町村における協力隊の導入を支援するとともに、定住に向けた隊員の活動を支援する「地域おこし協力隊活用促進事業」を実施し、県内地域おこし協力隊の活用の促進や定住率の向上を図っています。
奇しくも2023年夏、「エンジョイ」を掲げ甲子園で慶応義塾高校が優勝したのと時期を同じくして、新潟県は「エンジョイ新潟」を掲げ、隊員が退任後に希望する仕事を任期中に体験できる「Jobインターン」を開始し、協力隊サポート「日本一」を本気で目指し取り組んでいます。
また、里山プロジェクトをはじめとする県内の先進事例を全域に広め、隊員の「やりたい」を実現できるよう、市町村・団体の枠を超えた「All NIIGATA」で、隊員が生き生きと活動できる体制づくりにチャレンジしています。

【地域おこし協力隊活用促進事業施策一覧】
<市町村向け>
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<隊員向け>
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参考資料:ご取材可能な地域おこし協力隊の先駆者 

■阿部巧さん (公社)中越防災安全推進機構 にいがたイナカレッジセンター長        

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〇大学休学中の被災地ボランティアから新潟の中間支援に参加
2004年の中越地震当時私は大学生でしたが、休学・一時帰郷中のボランティアで地域の復興支援に取り組む人々との繋がりができて、地元のまちづくり団体、大学などの関係機関、神戸をはじめとする災害ボランティア団体によって立ち上げられた中越復興市民会議に参画しました。その活動をもとに県の地域復興支援員制度が2008年に誕生した際、より支援活動をしっかりやる目的で、中越地震をきっかけとして発足していた中越防災安全推進機構に合流し、活動を継続しました。農山村地域の維持には補助金だけでなく地域の暮らしや魅力に共感して、地域への定住に有無に関わらず、地域と関わる人材が大切と考えていて、中越防災安全推進機構ではこれまで10年以上、地域インターンシップ事業など地域外の人材が集落に入るためのサポートに取り組んでいます。

〇新潟県の魅力「地域外からの人材をサポートする支援団体が多い」
新潟県には外部の人が地域に根付くサポートをする中間支援組織が数多くあると感じます。中越地震を機に数が増えましたが、さかのぼると震災のずっと前から県が旗を振って「住民主導」の地域おこしをおこない、それを先導してきた方たちや影響された多くの方たちが、今地域おこしの中心にいるのだと思います。

〇地域おこし協力隊員が持つべき心構えや地域とうまくやっていくには?
隊員はまずその地域の暮らしを実践し理解することが重要です。受け入れ側は過剰な期待ではなく、知らないこともある「普通の人」として接することが必要だと思います。行政としては、隊員と地域の円滑なコミュニケーションを促進し、「助けを求められる機会」にもなるサポート体制をとるのが良いのではないでしょうか。

■小山友誉さん (一社)里山プロジェクト 代表理事  

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〇地域おこし協力隊で「暮らす力」の重要性を実感し、十日町で活動を継続
全国を旅する中で日本海側の環境や人の豊かさを知ったことを機に、2010年から十日町市地域おこし協力隊として活動を始めました。最初は「地域おこし」ではなく「チャンスの多い田舎で自らビジネスを立ち上げよう」という気持ちでしたが、半年で地域の方々に比べ自分の「暮らす力」の無さを痛感し、地域の方々の背中を追いかけるところからやり直しました。その後3年間の活動を終えても地域おこしには不十分で、この延長線上の活動を続けたいと思い里山プロジェクトを設立、十日町市地域おこし協力隊のサポートを始めました。現在は里山プロジェクトで募集地域コーディネートから退任後の定住・起業支援など十日町市の地域おこし協力隊に関わる幅広いサポートをしています。

〇外部から来た人とうまくコミュニケーションできる集落が生き残っている
 十日町の地域の方は外部から来た私に細かくあれこれダメ出し・指導することはなく、むしろ「自分の足りないところはどこなんだろう」と自ら考えさせてくれるヒントだけを与えてくれるコミュニケーションでした。これが、私が十日町にとっての自らの役割を発見し、定住できている理由だと思います。持論ですが、このようなコミュニケーションは昔の日本では全国にあったような気がしますが、人口減少が進む中でこのコミュニケーションを、「外部人材を受け入れる力」として活用できた集落が今日生き残ってきているという印象を受けます。

〇協力隊サポートのポイント「隊員が必要なことに自ら気づくことができるようヒントを与えること」
隊員が「自分に必要なこと」に自ら気づき、改善することができるように、二人三脚で外側の環境を変化させていくことが大切です。周りから「できていないこと」をダメ出しするのは簡単ですが、隊員1人1人事情が異なるので、本人のやる気をそぐことになりかねません。だから、隊員の得意なことで地域がやってほしいことを伸ばす方が良い。それを隊員本人が気づけるようにする、という意味で「あえて何もしない」で居られる状態をバックグラウンドのコミュニケーションで隊員に対してしっかり作るというのが里山プロジェクトとしてのサポートです。

■稲垣文彦さん (特非)ふるさと回帰支援センター 副事務局長

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〇人材を「受け入れる側」「送り出す側」両方に携わってきた
 2004年の中越地震時、はじめはボランティアとして、その後阿部さんと「中越復興市民会議」を立ち上げ、集落の中に入って復興支援をおこないました。その中で「地域外の人が地域内に入ることで地域が元気になる」可能性に気づき、中越防災安全推進機構として県の「地域復興支援員制度」の制度設計や支援員人材育成のサポートに携わりました。2009年の地域おこし協力隊制度の発足時には、外部人材育成の仕組みづくりのためにお声がかかり、その制度設計や「地域おこし協力隊アドバイザー」の仕事に関わらせてもらいました。
 コロナ禍で地方移住が増えると思ったこともあり、3年前からは東京に出てきてふるさと回帰支援センターで地域へ人材を「送り出す側」として、各自治体のお手伝いや移住希望者のご相談などの仕事をしています。

〇新潟県の魅力 「『地域づくり』をおこなうための哲学・土壌が備わっている」
 地域おこし協力隊の活動は、「人口が減少する中で地域をいかに維持させるか」というかなり難しいミッションなのですが、中越地震の時に新潟県に課せられた課題がまさにこれでした。震災以前の県による地域づくりの影響もありますが、「こんな地域にしたい」という地域づくりの哲学が新潟県に根付いているのは、中越地震を乗り越えたことも大きいと思います。

〇地域おこし協力隊を考えている人へのアドバイス
 地方だとか集落だとか関係なく、企業でも学校でも同じですが、相手に対するリスペクトをもってコミュニケーションをとることで、地域の方と良い関係性を作っていくことができると思います。

■地域おこし協力隊とは
都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動し、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組。任期はおよそ1年〜3年。



本件に関するお問合わせ先
新潟県PR事務局(株式会社プラップジャパン内) 加納・阿部
E-mail:niigata-pr@ml.prap.co.jp  TEL: 070-2161-7051(加納)/090-3670-8491(阿部)

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