プレスリリース
グローバルで実施した「飼い主のいないペットの現状把握プロジェクト」 日本におけるペット(犬・猫)に関する調査データ初公開
〜 飼い主のいないペットの割合は約12%、約228万匹 〜
マース ジャパン リミテッド(本社:東京都港区、社長:後藤 真一)はマース ペットケアが「飼い主のいないペットの現状把握プロジェクト(State of Pet Homelessness Project)」として1月23日に発表した調査結果のうち、日本の犬猫に関する調査結果の詳細を公開します。本プロジェクトは、マースが世界20カ国の動物愛護の専門家や団体とともに実施するグローバル データ プロジェクトです。愛すべき家庭やコミュニティの中で、必要なケアを定期的に受けることができない犬や猫の数、そして関連する課題の解決に貢献する可能性のある要因について、より良く理解するためのデータと洞察を収集することを目的としています。
【調査結果のサマリー】
日本における犬猫の総数は、 1,833万匹と推計し、犬が716万匹、猫が1,117万匹です。そのうち、飼い主のいない犬猫は約228万匹で、総数の約12%を占めます。犬は5万2,500匹で総数の約1%、猫は222万匹が該当し総数の約20%*を占めており、飼い主のいない猫が非常に多いことが伺えます。
・日本における飼い主のいない犬猫は、約228万匹で犬猫総数の12%を占める
・去勢・不妊手術率は、飼い主のいる犬は64%、飼い主のいる猫は82%
・飼い主のいないペットを減らす解決策の上位は犬猫ともに「去勢・不妊手術」
・ペットを飼えない理由として最も多いのは犬猫ともに金銭的な問題
・ペットを迎える際に保護施設/シェルターを選択肢として考えている人は犬猫ともに3割未満
・ペットが行方不明になった経験のある人の半数近くが「行方不明のまま」と回答
・迷子の解決策として「マイクロチップ装着」が約半数だった一方、実際の装着率は犬は4割弱、猫は2割弱
・ペットを手放すことを検討する多くの理由は犬猫ともに「もう世話をする体力がない」
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本プロジェクトは、飼い主のいないペットの問題に取り組むために重要な行動領域について、豊富なデータと発見された洞察を提供しています。その結果、協調的な努力と集中が最大の効果をもたらすと考えられる3つのテーマが浮かび上がり、飼い主のいないペットの問題を軽減するためにどのような介入が有効かを浮き彫りにしました。以降は、この3つのテーマに沿った形で、各調査データの結果について考察します。
1.望まれないペットを防ぐ
野良犬・野良猫が急速に繁殖することが問題の大部分を占めています。このことは、無責任な繁殖方法と相まって、健康、気質、早期の社会化、飼い主との相性などに十分な注意を払わないことによって、飼い主のいないペットや、継続的な世話が困難な、あるいは家庭とのマッチングが困難なペットのグループが増加する可能性があります。
2.持続的なケアを確保する
より多くの飼い主のいないペットに、責任ある愛情を持った家庭をマッチングしたり、地域社会で必要なケアを継続的に提供するサポートをすることは、飼い主のいないペット問題に取り組むための基本的なステップです。そのためには、ペットの入手経路や譲渡経路、獣医療へのアクセスの主なハードルを理解し、ペットを飼うための道筋立てを促進し、従来のように家でなくても持続的なケアを必要とする地域動物のケアを提供する必要があります。シェルターは犬猫のケアを提供することができますが、資源が逼迫していることが多く、ペットが新しい家庭に引き取られなければ、需要が収容能力を超えてしまう可能性があります。
3.ペットの室内飼育
ペットを室内で飼うことは、ペットと飼い主の双方が長い絆で結ばれるために不可欠です。ペットを飼うことが難しかったり、飼い主が必要なアドバイスやサポートを受けられなかったりすると、ペットは手放されたり捨てられたりして飼い主を失う危険性があります。また、ペットが迷子になりやすい飼い方をしている場合も、飼い主を失う可能性があります。本調査では、ペットの世話にかかる費用、一般的なペットの世話方法、迷子になったペットの発生率などの問題を調べています。
1.望まれないペットを防ぐ
■飼い猫の去勢・不妊手術率は、飼い犬より高い
現在、ペットを飼っている人への調査では、去勢・不妊手術を受けている犬は64%、猫は82%という結果となりました。手術をしていない飼い主のいない犬猫が1匹でもいれば、すぐに多くの犬猫が生まれてしまいます。無秩序な繁殖や無計画な繁殖を減らすことは、飼い主のいないペットを減らすための重要なアプローチです。
あなたのペットは去勢・不妊手術を受けていますか。
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(サンプル定義:現在犬を飼っている259人/現在猫を飼っている235人のうち、ペットが不妊手術を受けているかどうかを確認できた人)
■猫を飼うきっかけは「野良猫/見つけた」が最も多い
ペットの入手先の回答として犬は「ペットショップ」が4割を超えていますが、猫は「野良猫/見つけた」(29%)が最も多い結果となりました。
どこでペットを入手するかによって、ペットを飼うまでの経緯や、保護犬猫や野良犬猫を家族に迎えることにより、飼い主のいないペットの数に直接影響を与える人の割合に関する重要な見識が明らかになります。
どこでペットを入手しましたか。
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(サンプル定義:現在犬を飼っている259人/現在猫を飼っている235人)
責任を持って繁殖されたペットは終生飼育される可能性が高いですが、無責任な繁殖方法、例えば健康状態や気質の問題を軽視したり、飼い主との相性を確認しない繁殖方法は、結果的に飼い主のいないペットとなる可能性があります。
このような行動により、新しい家族が見つからないペットや、新しい家族が見つかっても問題があって手放されたり、再び新しい家族を探す必要のあるペットの数が増えます。
■野良犬・野良猫に遭遇しても「何もしない」が犬は6割、猫は8割超え
野良犬・野良猫は人間と交流することもあれば、隠れている場合もあります。さまざまな種類の野良犬や野良猫との適切な接し方について学ぶよう人々に奨励することは、人間の世話が必要なペットが必要なものを手に入れるのに役立ちます。
野良犬・野良猫に遭遇したらどうしますか?
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(サンプル定義:野良犬を見たことがある 219人/野良猫を見たことがある 638人)
■飼い主のいないペットを減らす解決策の上位は犬猫ともに「去勢・不妊手術」
幅広いペットオーナーから解決策の可能性について意見を集めることは、すぐに規模を拡大できる解決策を示唆します。野良猫に餌を与えるのではなく、個体数が増えないようにTNR活動(捕まえて手術をして元の場所に戻す)も実施できると飼い主のいないペット数も減少します。加えて、ペットと飼い主の接点を作るプログラムの支援やマイクロチップの装着などの意見も多く挙がっています。
飼い主のいないペットを減らすには、どのような対策が最も効果的だと思いますか?
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(サンプル定義:現在または過去に犬を飼っていた293人/現在または過去に猫を飼っていた288人)
2.持続的なケアの確保
■ペットを飼おうと検討している人は犬猫ともに1割程度
より多くの人々がペットを飼うことに関心を持ち、その関心を行動に移すことで、より多くのペットに愛情深い家庭が生まれます。
近い将来ペットを飼おうと思っていますか?
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(サンプル定義:2001年時点でペットを飼っている人と飼っていない人)
■ペットを飼えない理由は犬猫ともに金銭的な問題がトップ
ペットを飼えない理由として最も多いのは犬猫ともに金銭的な問題でした。ペットを飼うための最初のハードルを減らすことで、より多くの人がペットを飼いやすくなります。
ペットを飼えない理由は何ですか?
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(サンプル定義:犬を飼っていない1,708人/猫を飼っていない1,713人)
■ペットを迎える先の選択肢として「シェルター」の認識度が低い
ペットの迎える先として保護施設/シェルターを検討しているか調査したところ、犬猫ともに2割前後に留まる結果となりました。保護犬・猫に対する認識を変えることで、より多くのペットをシェルターから出し、愛情あふれる家庭に迎えてもらうことができます。
ペットを飼うことを検討している場合、保護施設/シェルターから迎える予定はありますか?
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(サンプル定義:犬を検討している193人/猫を検討している188人)
3.ペットの室内飼育
■ペットが行方不明になった経験がある人は約2割だが、経験者の半数近くが行方不明のままと回答
ペットが行方不明になった経験について調査したところ、経験がある人は犬猫ともに2割程度ですが、経験者の半数近くが行方不明のままと回答しました。ペットが迷子になるケースは、多くの人が思っている以上に多く、その結果、飼い主のいないペットが意図せず増加しています。ペットが迷子にならないようにすることは、ペットと飼い主にとって有益な目的です。
ペットが行方不明になったことがありますか?
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〔上記のうち、行方不明になり発見された割合〕
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過去1年間にペットが行方不明になったことがありますか?
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(サンプル定義:ペットを飼っている、または飼っていた 967人)
■迷子の解決策として「マイクロチップ装着」が約半数だった一方、実際の装着率は犬は4割弱、猫は2割弱
迷子になったペットを助ける最善の方法に関して質問したところ、「マイクロチップの装着」と回答した人が約半数を占めましたが、実際に自身のペットに装着している割合は、犬は4割未満、猫は2割にも満たない結果となりました。
ペットの迷子防止技術や、迷子になったペットを見つけるための方法に対する一般の人々の認識を理解することで、地域社会の取り組みとしてフォーカスし、利用率を高めることに繋がります。
迷子になったペットを助ける最善の方法とは?
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(サンプル定義:犬が迷子になったことがある167人 /猫が迷子になったことがある198人)
マイクロチップはペットの身元を永久に確認する有効な方法と考えられていますが、この方法で迷子になったペットを飼い主と再会させるには、飼い主の連絡先がマイクロチップのデータベースに登録され、最新の状態に保たれていることが極めて重要です。
ペットにマイクロチップを装着していますか?
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(サンプル定義:現在犬を飼っている259人/現在猫を飼っている235人)
■ペットを手放すことを検討する多くの理由は「もう世話をする体力がない」
ペットを手放すことを検討する理由として、犬猫ともに「もう世話をする体力がない」の回答が約半数を占めました。ペットの世話は、時間、労力、金銭の大きな負担となります。再飼育の潜在的な原因を理解することは、現在ペットを飼っている飼い主が猫や犬の世話を続けられるようにサポートする組織や企業の努力の指針となります。
なぜペットの新しい飼い主探しをするのですか?
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(サンプル定義:現在または過去に犬を飼っていた293人/現在または過去に猫を飼っていた288人)
※使用されている数字は外部の情報源から入手可能なデータを基に作成された推定値です。
<総括>
日本は、飼い主のいない犬猫の割合が世界平均*の35%を大きく下回っています。しかし、より多くのペットが、成長するために必要な持続的な人間による世話と栄養を得るのを助ける大きな機会がまだあります。
●望まれないペットを防ぐ
・不妊手術率は犬(62%)、猫(82%)ともに世界平均を上回っている。
・犬の場合、42%がペットショップから、16%がブリーダーからと、主に専門家を通じて入手されている。一方、猫は主に譲渡によって入手されており、29%が野良猫として発見されたり引き取られたりしている。そして9%がシェルターから迎え入れられている。
●持続的なケアの確保
・今後1年間に猫(13%)または犬(14%)を飼うことを考えている人の割合は、世界平均の30%、37%に比べて日本はかなり低い。
・ペットを飼うことを妨げている理由としては「高価すぎる」がトップ。
●ペットの室内飼育
・マイクロチップ装着率は犬で平均的(39%)で、猫は低い(15%)。
・犬の飼い主は、今後1年以内にペットを手放すことを考える傾向が猫の飼い主(2%)よりも3倍高い(6%)
・飼い主の半数近くが、ペットの世話ができなくなったことを新たな家族を探す理由のトップに挙げている。
・1年間に迷子になる猫の割合は低い(2%)ものの、犬猫の半数しか発見されず、迷子の原因となっていることから、これは非常に大きな数(17万9千匹)に相当する。
・迷子になるのを防いだり、迷子になったペットと飼い主を簡単に再会させる方法を奨励したりすることは、大きな影響を与える可能性がある。
*「平均」または「世界平均」とは、このプロジェクトに含まれる20カ国の平均を指す。
マースでは長年にわたり、世界中の飼い主のいないペットの問題に取り組むため、さまざまなプログラム、パートナーシップ、寄付を通じて、弱い立場にあるペットの支援に取り組んできました。
マースが提唱していること:
・飼い主のいないペットの問題を認識し、測定し、改善するために行動する団体や個人を支援し、飼い主のいないペットの数に関するデータの正確性と利用可能性を向上させる。
・ペットと人々が共に暮らし、より多くの人々がペットとの触れ合いから恩恵を受けられるようにするための、ペットに優しい法律や政策。
・責任あるペットの飼育を促進・支援するための、ペットの飼い主およびこれからペットを飼う人への教育。
・飼い主のいないペットが愛情あふれる家を見つけたり、持続的なケアを受けたりできるようにするためのプログラム。
・野良犬・猫や路上で生活する犬・猫の無秩序な繁殖を制限するプログラム。
・飼い主がいなくなる危険のあるペットの数を減らすためのプログラム。
【データの情報源】
1.2022-2023年にEMIが実施した一次および二次調査に基づく飼い主のいないペットの推計と、2022-2023年にEMIが実施した一次および二次調査、およびマースCMIが収集したペットの推定値。
2.Kantarが2022-2023年に実施したペットオーナーと非オーナーの一般サンプル調査(オンライン調査・フィールド調査)。
3.シェルターや飼い主のいないペットの問題に取り組むNGOなど、ペットの専門家へのインタビュー。
飼い主のいないペットの現状把握プロジェクトと、パートナーや関係者と共に行っている活動の詳細については、stateofpethomelessness.com (英語)をご覧ください。
【飼い主のいないペットの現状把握プロジェクトの概要と目的】
マースが世界20カ国の動物愛護の専門家や団体とともに実施するグローバル データ プロジェクトです。900以上のグローバルや各地の情報源からのデータ、3万人の一般市民へのアンケート調査、200件の専門家へのインタビュー調査をもとに、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、ギリシャ、インド、インドネシア、日本、リトアニア、メキシコ、ニュージーランド、フィリピン、ポーランド、南アフリカ、トルコ、タイ、米国、英国におけるペットのニーズに光を当てています。これは、2021年に実施された9カ国を対象としたパイロット調査に続くものです。
このプロジェクトは、愛すべき家庭やコミュニティの中で、必要なケアを定期的に受けることができない犬や猫の数、そして関連する課題の解決に貢献する可能性のある要因について、より良く理解するためのデータと洞察を収集することを目的としています。
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マース ジャパン リミテッドについて
マース ジャパン リミテッドは1975年に設立し、ペットフード事業とスナック菓子事業(スニッカーズ®やM&M’S®、BE-KIND®(ビーカインド™など)を展開しています。ペットフード事業では、「ペットのためのより良い世界(A BETTER WORLD FOR PETS)」の実現を目指し、カルカン/ウィスカス®、シーザー®、シーバ®、プロマネージ™、アイムス™、ペディグリー®等のトップブランドや、ニュートロ™、グリニーズ™などの主にペット専門店で扱われているブランドを展開しています。ホームページは、http://www.marsjapan.co.jp
親会社のマース インコーポレイテッドは、世界70以上の国と地域で事業を展開。世界における年間総売上高は 約470億米ドルで、その製品は世界中で販売されています。総従業員数は約14万名。ホームページは、http://www.mars.com
本件に関するお問合わせ先
マース ジャパンPR事務局(PRAP JAPAN内)富谷・小泉・岩坂
TEL:03-4580-9106 E-mail:mars@prap.co.jp
関連リンク
飼い主のいないペットの現状把握プロジェクト
https://stateofpethomelessness.com/