プレスリリース
【ノーリツ 家庭用給湯器における水素燃焼技術発表会 開催レポート】 水素100%燃焼が可能なプロトタイプで実機運転を披露
〜CO2削減の“社会的責任”と“創業時からの使命”を両立する開発姿勢を表明〜
湯まわり設備メーカーの潟mーリツ(本社:神戸市、代表取締役社長:腹巻知、資本金:201億円、東証プライム上場)は、2023年12月14日(木)に、「家庭用給湯器における水素燃焼技術発表会」をノーリツ明石本社工場(所在地:兵庫県明石市)内にて開催しました。発表会では、実用化を目指し技術開発を進めているプロトタイプを使用して、水素100%燃焼の実機運転を披露しました。
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■ ノーリツの水素燃焼技術および水素100%燃焼家庭用給湯器の開発背景と想い
当社は、2030年・2050年までのCO2削減目標として、「国内で製造・販売する製品使用時のCO2排出量を30%削減(2018年比)」、「2050年には海外を含む事業所・製品によるCO2排出量を実質ゼロ化し、カーボンニュートラルの実現」などの目標を掲げ、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて取り組みを加速しています。今回の水素燃焼技術及び水素100%燃焼の家庭用給湯器は、給湯時にCO2を排出しない、製品分野の取り組みにおけるカーボンニュートラル実現の要となる技術・製品として開発を進めています。
当社取締役 兼 専務執行役員 プロダクツ統括本部長 廣澤 正峰 コメント
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当社は、1951年の戦後復興期に「生活水準を向上させたい」という情熱で、少燃料でお湯をわかす「能率風呂A型」の発売で創業した。創業から現在に至るまで、時代のニーズや多様なエネルギーに対応した製品を送り出してきた。近年は、ガスと電気で効率良くお湯をわかす「ハイブリッド給湯機」など環境性能の高い製品を開発・発売してきたが、今後も、給湯・暖房・厨房機器という生活に密着した「なくてはならない製品」を取り扱う企業として、CO2の削減に取り組むことは社会的責任である。この社会的責任を果たすことはもちろん、創業の原点である「お風呂は人を幸せにする」という理念を受け継ぎ、エネルギーを取り巻く環境が変化しても安全・安心・安定の「お湯のある暮らし」を提供しつづけるために、脱炭素を目指すクリーンエネルギーの安定燃焼と両立する技術・製品開発を加速的に進めていく。
多様化するエネルギーへの対応を見据え開発した、水素100%燃焼の家庭用給湯器に関する技術では、「水素を安全に扱う技術」、「インフラの変化に対応可能な技術」、「これまでと同等の快適性」を実現した。また、日本での実用化を見据え、国内で普及している「屋外標準設置型(前方排気式)」を採用した。
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研究開発本部 イノベーションセンター長 濱谷 佳和 コメント
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水素100%燃焼の家庭用給湯器の開発にあたり、一番大切にしたのは、従来ガスから水素まで対応し、今までと変わりなく快適に、安全に安心してお湯を使えることだ。従来の家庭用給湯器と遜色のない能力範囲で安定して水素を燃焼できるようにしながら、特性が大きく異なる従来ガスでも同様に燃焼させるには、多くの課題があったが、1つずつ克服し、水素100%燃焼の家庭用給湯器として実現できた。
■ 実機運転の内容
実機運転は、明石本社工場内のNORITZ TECH LAB(ノーリツ テック ラボ)にて、この度開発した給湯器を用い、水素100%ガスと従来ガスの双方で運転を行い、排出CO2を計測してその違いを確認しました。続いて、水素100%ガスにて給湯を行い、リモコン温度変更や流量変化に素早く追従した給湯動作を確認しながら、その完成度の高さを披露しました。
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左から、CO2計測器で数値ゼロを示す様子、水素給湯器から給湯されたお湯の様子
研究開発本部 要素技術研究部第1研究室第2グループリーダー 吉田 哲 コメント
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これまで水素混焼ガス機器の開発経験はあったが、水素100%燃焼機器となると著しく扱いが難しくなった。特に火炎がバーナ内部に戻ってくる逆火現象への対応に非常に苦労した。燃焼の限界を探る逆火試験では、部品の変形を伴う爆発の危険性もあったが、水素を安全に扱う技術開発を念頭に、これまでに培ってきた開発チームの燃焼技術力や粘り強い取り組みにより対応することができた。
※ニュースリリースに記載されている内容は、発表時点のものです。
関連リンク
家庭用給湯器における水素燃焼技術 詳細サイト
https://www.noritz.co.jp/company/csr/social/capital.html