プレスリリース
〜小規模の発電事業者や地域新電力に向けて、蓄電池制御など2つのサービスメニューを展開〜
NTTデータ先端技術株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤原 遠、以下:NTTデータ先端技術)は、「INTELLILINK ERAB支援サービス」を2024年1月より提供開始します。主に小規模の発電事業者や地域新電力事業者(※1)に向け、発電事業の支援システムや導入コンサルティングの提供を開始します。
なお、本サービスは、熊本県球磨郡球磨村(村長:松谷 浩一、以下:球磨村)および株式会社球磨村森電力(本社:熊本県球磨郡球磨村、代表取締役:中嶋 崇史、以下:球磨村森電力)と共同で実施した分散型エネルギー(※2)情報を収集して制御するプラットフォーム構築に関する実証実験などの結果を踏まえて、このたび提供開始に至りました。
【背景】
近年、地球温暖化による気候変動が加速し、産業活動や健康への影響も大きくなっていることを受け、地球温暖化への対策として、太陽光発電などのクリーンエネルギーへの転換や脱炭素化などを目指す動きが世界規模で進んでいます。日本政府からも、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとするカーボンニュートラルの宣言がされており、クリーンエネルギーについては、環境省や経済産業省が中心となり、革新的な技術の開発やその革新技術を社会実装するための取り組みが進められています。
その一環として、エネルギーを効率的に活用できる地域発電への注目も高まっています。エネルギーを地産地消することは、エネルギーの効率的な活用だけでなく、地域活性化や系統負荷の軽減等の意義があるとされている一方、発電設備の管理や売電のためのシステム構築が地域新電力事業者の課題となっています。
このたび、小規模発電事業者や地域新電力事業者に向け、電力可視化や蓄電池制御といった発電事業の支援システムやその導入コンサルティングなどを包括的に提供する「INTELLILINK ERAB支援サービス」を、2024年1月より提供開始します。
NTTデータ先端技術では、様々なシステム開発を通じて得たクラウド・セキュリティ・IoTに関する知見を活かし、脱炭素社会の実現に寄与するサービスの開発を進めてきました。本サービスの提供開始に先駆け、2023年1月〜3月に、環境省から脱炭素先行地域(第一回)(※3)に選定された球磨村および球磨村森電力(※4)と共同で、村有施設および民間事業施設の計5施設において、分散型エネルギー情報を収集して制御するプラットフォーム構築に関する実証実験を実施し、支援システムの有効性を確認しました。また、その後の仮運用期間では、発電事業者や地域新電力事業者が抱える電力販売先の維持・拡大といった課題に対して、システム導入によるコストメリットなどの検証を行い、これらの検証結果を踏まえて今回のサービス展開に至りました。
【サービス概要】
「INTELLILINK ERAB支援サービス」では、以下のサービスを提供します。
・主に小規模の発電事業者や地域新電力に向けて電力可視化および蓄電池制御のシステムの提供
・地方自治体と連携して地域脱炭素を推進したい事業者向けのコンサルティングメニューの提供
1.発電事業支援システム
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(1)電力可視化機能
発電所に設置したパワーコンディショナー・太陽光パネル・蓄電池といった機器から情報を収集して可視化します。発電所をグループ単位でまとめることで複数発電所の集計結果を見ることが可能になり、地区ごとの発電所管理が容易になります。また、検針業務に必要なレポートの出力など、発電事業を行う上で必要な機能を提供します。
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発電所単位での発電量/自家消費量・蓄電量の可視化のイメージ
(2)蓄電池制御機能
再生エネルギー利用の最適化を目的として、電力市場の需給バランスに応じて蓄電池を制御するシステムを提供します。発電所に設置したスマートデバイスを介して、蓄電池を制御するための指令を出すことができます。これにより、市場の電力価格に応じて、蓄電池の電力を利用するか溜めておくかを、発電事業者側で柔軟にコントロールできます。また、発電所をグループ単位で一括制御することも可能です。
さらに、発電事業者による容量市場や需給調整市場といった新たな市場への対応も支援します。
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蓄電池制御 画面イメージ
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最適化のための蓄電池制御のイメージ
2.導入コンサルティングサービス
地方自治体と連携して地域脱炭素を推進したい事業者向けに、「再エネ導入戦略」を策定するためのコンサルティングメニューを提供します。現状のCO2排出量や、再エネ導入ポテンシャル量などを把握し、将来のプランを策定することが可能です。さらには、システムを活用した新規発電施設の開設に向けてコンサルティングを実施します。
自治体向けに脱炭素施策導入の支援を行うほか、設計・調達・施工を担うEPC(※5)事業者向けにもシステムの導入サポートを実施します。
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自治体向けコンサルティング資料サンプル
【今後について】
本サービスでは、今後、発電実績データの売買や機械学習モデルを活用した充放電制御の自動レコメンド機能などの展開や、NTTデータの提供するソリューションとの連携も視野に検討を進めます。
【参考】
■ニュースリリース
分散型エネルギー情報を収集して制御するプラットフォーム構築に関する実証実験を完了
〜脱炭素先行地域に選定された熊本県球磨村における自家消費型太陽光発電・蓄電池の最適活用を推進〜
https://www.intellilink.co.jp/topics/news_release/2023/032700.aspx
■ERABとは
エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス(Energy Resource Aggregation Business)の略称。IoT技術を用いて、一般送配電事業者、小売電気事業者、需要家、再生可能エネルギー発電事業者といった取引先に対し、調整力、供給力、インバランス回避、電力料金削減、出力制御回避等の各種サービスを提供する事業のこと。
■INTELLILINK Green & BCP
NTTデータ先端技術では、ITとビジネスの分野からカーボンニュートラルなグリーン社会の実現に向けて貢献する取り組みを強化しています。その一つとして、データセンターの省エネルギー化についてコンサルから設計・施工・測定まで総合的に支援する「INTELLILINK Green & BCP」を提供しています。
INTELLILINK Green & BCP:https://www.intellilink.co.jp/facility/index.aspx
【注釈】
※1 地域新電力事業者:地方自治体の戦略的な参画・関与の下で小売電気事業を営み、得られる収益等を活用して地域の課題解決に取り組む事業者
※2 分散型エネルギー(DER:Distributed Energy Resources):太陽光発電や風力などの再生可能エネルギーや、蓄電池など住宅や公共、産業などで活用され分散配置される電源群の総称
※3 脱炭素先行地域:2050年カーボンニュートラルに向けて、民生部門(家庭部門及び業務その他部門)の電力消費に伴うCO2排出の実質ゼロを実現し、運輸部門や熱利用等も含めてそのほかの温室効果ガス排出削減についても、我が国全体の2030年度目標と整合する削減を地域特性に応じて実現する地域
※4 球磨村森電力:株式会社リクロスエクスパンションの地域貢献型事業として独立した新電力会社
※5 EPC:設計(Engineering)、調達(Procurement)、建設(Construction)の頭文字からの略称。EPC事業者はこれら3つを一括して行う事業者のこと
*「INTELLILINK」は、日本および米国におけるNTTデータ先端技術株式会社の登録商標です。
*その他の商品名、会社名、団体名は、一般に各社の商標または登録商標です。
【本件に関するお問い合わせ先】
製品・サービスに関するお問い合わせ先
NTTデータ先端技術株式会社
ソフトウェアソリューション事業本部
デジタルテクノロジー・インテグレーション事業部
小津、川村、中澤、内山
Mail:dti-sales@intellilink.co.jp