プレスリリース
PwCコンサルティングと広島大学 脳・こころ・感性科学研究センター、コンテンツ視聴時における情動変容メカニズムの解明に関する共同研究を開始
2023年10月31日
PwCコンサルティング合同会社
国立大学法人広島大学 脳・こころ・感性科学研究センター
PwCコンサルティングと広島大学 脳・こころ・感性科学研究センター、
コンテンツ視聴時における情動変容メカニズムの解明に関する
共同研究を開始
〜エンタメコンテンツの価値向上に向け、「感動」や「余韻」形成プロセスの可視化を目指す〜
PwCコンサルティング合同会社(東京都千代田区、代表執行役CEO:大竹 伸明、以下「PwCコンサルティング」)と、国立大学法人広島大学 脳・こころ・感性科学研究センター(広島県広島市、センター長: 山脇 成人 、以下「広島大学 脳・こころ・感性科学研究センター」)は11月1日から、「コンテンツ視聴時における情動変容と余韻形成メカニズムの解明と定量化系構築」に関する共同研究(以下「本研究」)を開始します。本研究は、メディアを取り巻く環境が大きく変化する昨今、エンタテイメントコンテンツの提供価値に大きく影響すると考えられる「感動」や「余韻」の形成に対し、感性工学(※1)と脳科学を融合した感性脳科学の観点から、そのメカニズムや相関関係の解明に取り組むことを目的としたものです。
デジタル化の進展により、この20年でエンタテイメント・メディア業界を支える受け手、送り手、作り手の構造が大きく変わり、コンテンツクリエーションや消費行動、マネタイズ手法が複雑化しています。
エンタテイメントコンテンツの本質的な提供価値は、楽しさや興奮といった情緒的価値にとどまらず、感動や深い余韻を残すことで続編視聴や関連商品の購入といったファンエンゲージメントの向上、さらにはポジティブな評価行動、他者への推奨などに寄与するストック型(※2)の価値につながり、ビジネス面でもより重要視されていくはずです。
このような背景から、PwCコンサルティングは、コンテンツ視聴時のこころの状態を科学的な観点から捉え、可視化・分析し、その変容における因子を特定することにより高い再現性を得ることが、これからのグローバル規模のIP (Intellectual Property:知的財産)ビジネス成功のカギになると考えています。広島大学 脳・こころ・感性科学研究センターは、感性脳科学の分野で多くの先行研究実績や研究設備を保持する世界でオンリーワンの研究拠点です。このたび、両者は相互が有する視聴者行動特性や映像コンテンツ制作におけるクリエイティブなプロセスなどに係る知見を共有し、情動変容の定量計測や感動状態の新たな定義、余韻形成との相関関係を紐解くことを目指す研究を開始します。
なお、PwCコンサルティングは、将来的にはエンタテイメント企業や関連団体などが参画するオープンコンソーシアムの形成を企図しており、本研究で期待される成果の社会実装に取り組むほか、クリエイティブ産業の活性化による地域共創モデルの確立や、エンタテイメント・メディア業界の健全で持続的な発展に貢献していきます。
本研究の概要は以下のとおりです。
■タイトル
「コンテンツ視聴時の情動変容と余韻形成メカニズムの解明と定量化系構築に向けた研究」
■概要
コンテンツ視聴事前、事中、事後の各フェーズにおけるポジティブ反応/ネガティブ反応に影響を与える因子の特定、および、視聴者属性、作品フォーマットなど各種説明変数別に脳波計(Electroencephalography: EEG)を用いた定量データの取得、相関分析の実施
コンテンツ視聴時の情動変容モデリングと余韻形成(ファン化、他者推奨意向など)に関するメカニズムのモデル化
■研究期間
2023年11月1日〜2024年3月31日(基礎研究フェーズ)
■研究リード
PwCコンサルティング エンタテイメント&メディア ディレクター 平間 和宏
広島大学 脳・こころ・感性科学研究センター 特任教授 センター長 山脇 成人
広島大学 脳・こころ・感性科学研究センター 特任准教授 町澤 まろ
<参考>
エンタテイメント&メディアダイアログ
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/column/entertainment-media-dialog/vol03.html
(※1)広島大学名誉教授の長町三生氏が提唱した学問で、人の感性を商品設計に活用する技術分野。
(※2)視聴体験時の情動変容は「フロー型」の価値であることに対し、感動や余韻などは「ストック型」の事後価値と定義している。
以上
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広島大学 脳・こころ・感性科学研究センターについて
人間の本質である「脳・こころ・感性」に関する研究を行う当センターは、広島大学を代表する研究センターであり、感性のネガティブからポジティブまでの脳科学の研究、教育(人材育成)、産学連携(社会実装)を展開する、世界でオンリーワンのグローバル拠点です。本拠点は文部科学省・革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)「精神的価値が成長する感性イノベーション拠点」および日本医療研究開発機構(AMED)脳科学研究戦略推進プログラム「うつ病研究拠点」、内閣府・科学技術振興機構ムーンショット型研究開発事業目標9などの公的研究費の補助を受けて、感性脳科学の研究および教育を推進するとともに、健康、医療、教育、ものづくりへの社会実装を展開する企業との産学連携を積極的に推進しています。詳細はWebサイト( https://bmk.hiroshima-u.ac.jp/
)をご覧ください。
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