プレスリリース
神戸女学院大学が9月11日に「改修前キャンパス取材会」を開催 -- 重要文化財の校舎で知られる同大がキャンパスの一部改修を前に、街に開かれた新たな学び舎づくりについて考える
神戸女学院(兵庫県西宮市)では9月11日(月)、報道関係者を対象とした「改修前キャンパス取材会」を実施する。神戸女学院岡田山キャンパスのヴォーリズ建築を中心とした校舎は重要文化財となっているが、このたび、2024年の学部新設にあわせて、キャンパスの一部をより市民に開かれた形に再整備することを決定。「マスターアーキテクト」には株式会社日建設計(本店:東京都千代田区)のチーフデザインオフィサー・大谷弘明氏を選定した。取材会当日は「重要文化財と街とが調和するこれからの神戸女学院について」と題したプログラムのほか、再整備の現場も含めた現状のキャンパス全体の案内・説明を行う。
神戸女学院は、''美しい心を育むための品格ある建築''であるヴォーリズ設計の建物を中心とした美しいキャンパスを、長きにわたり守ってきた。
その一方で、教育環境の変化に対応するために必要な増改築の計画においては全体の調和に配慮しつつも、新しい時代の神戸女学院を具現化するデザインのあり方が課題として挙げられている。
また、これまでも同大は「まちたびにしのみや」や「地域創りリーダー養成プログラム」などの取り組みを通じて西宮市民と交流を図ってきたが、山の上にある校舎の全貌に市民が触れる機会は多くはなかった。
そこで神戸女学院では、2024年の学部新設(国際学部・心理学部)にあわせて、キャンパスの一部の再整備を決定。西宮市の中央部を南北に走る、ヴォーリズ設計時にはなかった幹線道路「今津西線」からのアプローチを新たなキャンパスゲートに相応しい形とし、地域に根差した、より市民に開かれたキャンパスを目指す。
キャンパス再整備にあたっては、日建設計に所属する大谷弘明氏を「マスターアーキテクト」として選定。これは、岡田山キャンパスの創建以来、実に90年ぶりとなる。多くの大学キャンパスの設計実績がある日建設計チームとともにヴォーリズの思いを継承し、重要文化財を未来につなぎ、市民にも開かれたキャンパスづくりを目指す。
9月11日には報道関係者を対象とした取材会を実施。当日は「重要文化財と街とが調和するこれからの神戸女学院について」と題し、西宮を代表する重要文化財としての、街に開かれた新たな学び舎づくりについて考察。また、再整備の現場も含め、現状のキャンパス全体を案内・説明する。
◆「神戸女学院 改修前キャンパス取材会」概要
《新マスターアーキテクトが「もしもヴォーリズが生きていたら」に思いを馳せて考える
西宮を代表する重要文化財として、街に開かれた''新たな学び舎づくり''とは》
【日 時】 9月11日(月) 15:30〜17:30 (受付開始:15:00)
【場 所】 神戸女学院大学 (〒662-0827 兵庫県西宮市岡田山4-1)
【プログラム】
・「重要文化財と街とが調和するこれからの神戸女学院について」
田原幸夫氏(京都工芸繊維大学客員教授、神戸女学院文化財保存活用委員会委員)
山形政昭氏(関西学院大学客員教授、神戸女学院文化財保存活用委員会委員)
大澤智氏(日建設計、神戸女学院「キャンパス再整備マスタープラン」設計チーフ)
・現キャンパスツアー
・関係各氏への個別取材(要事前申込)
《取材可能事項》
・田原幸夫氏
「重要文化財における保存活用の理念について」
「文化遺産としての大学キャンパスの未来への継承と現代の貢献について」
・山形政昭氏
「神戸女学院学校建築の現代における価値について」
「神戸女学院がヴォーリズ建築を守り、活かしていくためには何が必要か」
・大澤智氏
「今回の再整備計画の概要」
「ヴォーリズ建築の模倣にならない、時代に即したキャンパス整備について」
●ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880-1964)
アメリカ合衆国に生まれ、来日後は関西を拠点とし、数多くの西洋建築を残した。建築家としての活動のほか、社会事業家、キリスト教の信徒伝道者、実業家としての顔も持つ。居住した滋賀県近江八幡における各種建築物、心斎橋大丸、関西学院大学などを手掛けた。
神戸女学院には妻の母校という縁があり、岡田山現キャンパス移転時に建築を担当。
■神戸女学院岡田山キャンパスの変遷
【岡田山キャンパス移転当初】
神戸女学院は1875年に設立され、1933年に岡田山キャンパスに移転した。ヴォーリズが手掛けた岡田山キャンパスの中心となるのは中庭を囲む4棟の校舎で、文学館ならびにそれと向かい合う理学館、反対の対角線上には芸術を象徴する音楽館を背景に、智を象徴する図書館があり、その正面に精神を象徴するソールチャペルと講堂を有する総務館が建っている。
ヴォーリズによる「(略)建物それ自身が生徒の上に積極的影響を及ぼすと言ふ事である。(略)真の意味に於いて芸術的なるもののみがよき感化を与え得るのである。よく均整のとれた調和のよい設備の施された建物に住ましめると言ふ事のみにても真の教育となるのである。」という思想と、建学の精神を具現化したキャンパスだといえる。
【阪神淡路大震災による被害】
1995年の阪神淡路大震災は、神戸女学院にも甚大な被害をもたらした。2棟が全壊したほか、半壊のために取り壊しを余儀なくされたヴォーリズ建築もあったが、文学館は屋根部分が損傷したものの無事復旧。キャンパスの中心である中庭を囲む4棟を始め、12棟のヴォーリズ建築は震災を乗り越えた。2014年には、これら12棟の建築とパーゴラ(藤棚)が国の重要文化財の指定を受けた。
【キャンパス再整備マスタープラン実施へ】
2023年、神戸女学院は日建設計の提案したキャンパス再整備マスタープランに基づき、その嚆矢として「理学館西側地域再整備計画」に着手。ヴォーリズによるオリジナルの校舎群と調和し、新しい時代の開かれた神戸女学院を具現化する新棟の設計が進められている。
重要文化財保存活用委員会では、本物の価値を備えたオリジナル建築群と調和しつつ、社会に向けて開かれた新たな神戸女学院のイメージを創り出すデザインはどうあるべきかについて議論。学校建築のデザインが重要視され、それについて議論が行われること自体が異例であり、意義が大きいといえる。
(関連記事)
・神戸女学院のヴォーリズ建築群がテレビ大阪・テレビ東京系のドラマ「名建築で昼食を 大阪編」で紹介 -- 池田エライザさんと田口トモロヲさんが講堂やチャペルなどを見学し、新社交館食堂でランチ(2022.12.20)
https://www.u-presscenter.jp/article/post-49665.html
▼取材会に関する問い合わせ先
神戸女学院PR事務局(プラチナム内) 担当:久保田
TEL:03-5572-6071
FAX:03-5572-6075
E-Mail:kobeclollage-pr@vectorinc.co.jp
▼本件に関する問い合わせ先
神戸女学院大学 入学センター・広報室
三枝(さえぐさ)
住所:〒662-8505 兵庫県西宮市岡田山4-1
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