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プレスリリース
9月3日開催「すいたフェスタ2023」の「子ども・健口スタンプラリー」で、まだあまり知られていない子どもの「お口ポカン」等を楽しく意識付け -- 大阪大学(歯)×吹田市×健都共創フォーラム・オーラルヘルス研究会
大阪大学大学院歯学研究科(研究科長:西村理行)は、9月3日(日)に万博記念公園で開催される「すいたフェスタ2023」において、約600人を対象とした「子ども・健口スタンプラリー」を実施します。産学連携・社会貢献等を担う歯学研究科イノベーティブ・デンティストリー推進センター(センター長:今里聡)を中心とし、吹田市ならびに健都共創フォーラム・オーラルヘルス研究会との共同主催で、公的な医療保険では「口腔(こうくう)機能発達不全症」といわれる、国民にまだまだ知られていない病気を''楽しく意識付けする''イベントになります。
【主催:大阪大学(歯)×吹田市×健都共創フォーラム・オーラルヘルス研究会、後援:吹田市歯科医師会、民間企業5社】
子どもの口が閉じていない「お口ポカン」は「口唇閉鎖不全症」といわれ、約30%がかかっています 1)。そんな「お口ポカン」は気づきにくく、放置すると知らないうちにさまざまな病的状態に悪化するといわれています 2-4)。しかし、保護者の約70%が「知らない」「病気になる可能性を知らなかった」と答えています 2)。
食べる、話す等の子どもの口の機能が十分に発達していない状態、または正常な機能が獲得できていない状態を「口腔機能発達不全症」といいますが 5)、お口ポカンを含めて「口腔機能発達不全症」は日本国民に認知度の低い病気です。
このようにあまり知られていない「口腔機能発達不全症」を、少しでも多くの人に楽しく意識してもらうために、2023年9月3日(日)に開催される「すいたフェスタ2023」にて、小学生から高校生までの約600人を対象に「子ども・健口スタンプラリー」と銘打った''体感型イベント''を開催します。
◆子ども・健口スタンプラリー(「すいたフェスタ2023」において開催)概要
【日 時】 9月3日(日) 9:30 〜 19:30 (ただし、景品がなくなり次第終了)
【場 所】 万博記念公園 お祭り広場 テント#24 (〒565-0826 大阪府吹田市千里万博公園)
【主 催】 大阪大学大学院歯学研究科 × 吹田市 × 健都共創フォーラム オーラルヘルス研究会
【後 援】 吹田市歯科医師会、民間企業5社(五十音順):アース製薬株式会社(東京都)、株式会社アイキャット(大阪府)、株式会社松風(京都府)、サンスター株式会社(大阪府)、株式会社ロッテ(東京都)
【概 要】 3つのスタンプラリー:「パパパパ発音テスト」「お口ひっぱりテスト」「もぐもぐガムテスト」
■「口腔機能発達不全症」について
歯科医療は、''全ての日本国民''の子どもから高齢者に至るまでの''生涯''にわたる「お口の健康(健口)」を見守ることを使命としています 4)。
乳幼児期・学齢期は「食べる」「話す」等の口の機能が常に発達している過程にあり、正常な状態は変化しますが、機能の発達が遅れていたり誤った機能の獲得があれば、早い段階で修正・回復を行うことが重要です 4)。そういった口の機能が十分に発達していない、または正常に機能獲得ができていない状態を改善する目的で、2018年から公的な医療保険において「口腔機能発達不全症」の病名が新設されました。
しかしながら、そんな「お口ポカン」に代表される「口腔機能発達不全症」はまだあまり認知されておらず、「まぁそのうち治るだろう」といって放置されていることも少なくありません。その結果、口が乾燥して「むし歯」や「口臭の原因」となったり、また口を開け続けることで「出っ歯」になったり、さらには筋肉が発達せず噛む力が弱くなったりします 2,3,5)。長い目でみても、加齢による口腔機能の衰え、いわゆる「オーラルフレイル」の予防を考えると、子どものうちに「口腔機能発達不全症」に対処して口の機能を底上げすることが重要だといわれています 4)。
■「すいたフェスタ 2023」で「子ども・健口スタンプラリー」を開催
東京大学、京都大学にはない大阪大学ならではの特長の1つが「歯学部・歯学研究科」の存在です。このたび、吹田市(市長:後藤圭二)から歯学研究科の十河基文特任教授(健都共創フォーラム・オーラルヘルス研究会のリーダーを兼務)に、9月3日(日)に開催される「すいたフェスタ」のブース展示の企画・協力の依頼がありました。
「すいたフェスタ」は1970年から続いた「吹田まつり」を引き継いだお祭りで、今年で2回目。万博記念公園に比較的若い層やファミリー層が集うことが予想されるため、歯科ならではの「社会貢献」を考え、このたび、小学生から高校生までの約600人を対象に、あまり知られていない「お口ポカン」を含めた子どもの「口腔機能発達不全症」を楽しく意識付けをするための「子ども・健口スタンプラリー」を企画しました。
9月3日(日)には、歯学研究科イノベーティブ・デンティストリー推進センターのほか、歯学部附属病院の保存科(病院長 兼 教授:林美加子)と小児歯科(教授:仲野和彦)の協力のもと、吹田市と歯科関連企業5社が一緒になって、「口腔機能発達不全症」を楽しく意識してもらうイベントを展開します。
なお、すいたフェスタには、大阪大学公式マスコットキャラクター「ワニ博士」も登場します(17:30〜18:00 に登場予定)。
■3つのスタンプラリーと景品
具体的には3つの「子ども・健口スタンプラリー」を体感してもらいます。
【3つのスタンプラリー】
(1) パパパパ発音テスト(専門的には「オーラルディドコキネシス」:PaTaKaRUSH、アイキャット社)
高齢者の口を鍛える体操で有名なのは「パタカラ体操」。そのパタカラ体操と同じ「パ」「タ」「カ」の文字を連続的に5秒間発声させて、1秒間あたりの回数を数える検査を「オーラルディドコキネシス」といいます(パタカラ体操と異なり「ラ」がありません)。
高齢者では1秒間あたりの発声回数が4回以下になるとお口の機能が劣った「口腔機能低下症」と診断されますが、このたび、同じ検査を子どもに行います。なお、イベントでは遊び感覚で楽しめるように、「スマホゲーム(専門用語では「シリアスゲーム」※」にして、吹田市のゆるキャラ「すいたん」の「顔はめ」を行って楽しく体感してもらいます。
※シリアスゲーム:エンターテインメント性のみを目的とせず、教育・医療など社会問題の解決を主目的とするコンピュータゲームのジャンル。
(2) お口ひっぱりテスト(専門的には「口唇閉鎖力検査」:りっぷるくん、松風社)
ボタンのようなものをくわえてくちびるを引っ張ることで、「くちびるの力(口唇閉鎖力)」を診ます。同検査は歯科の健康保険で子どもに行われている検査で、既に報告されている子どものくちびるの筋力データ 4)を参考に比較します。
(3) もぐもぐガムテスト(専門的には「咀嚼能力測定」:キシリトール咀嚼チェックガム、ロッテ社)
咀嚼の評価を行う専用ガムを1分間噛むことでガムの色変化を見て、噛む能力である「咀嚼能力」を診るテストを行います。
【景品の健口グッズ】
「3つのスタンプ」がそろえば、お口のケア製品として「歯ブラシ(Do クリア ハブラシ 超コンパクト、サンスター社)」と「洗口液(歯科医院専売 モンダミン ハビットプロ、アース製薬社)」、さらに「お口のフレイル予防製品(りっぷるとれーなー、松風社)」を景品として持って帰っていただきます。
以上の体感型イベントに参加することで、子どもの「口腔機能発達不全症」を、少しでも多くの人に楽しく知ってもらえればと考えています。
1)「自然治癒は難しい」日本人の子どもの3割が''お口ぽかん'' 新潟大などによる大規模調査
https://www.youtube.com/watch?v=JTU7aRHr1Fc
テレ東BIZ,2021年2月18日
2) 子どものお口ぽかんは疾病の可能性。70%以上の親が知らないお口のリスクを専門家が指摘。むし歯・歯周病・口臭や学習能力の低下につながる可能性がある「お口ぽかん」について調査しました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001706.000002360.html
PRTIMES 株式会社ロッテ,2022年3月22日
3) 口腔機能発達不全症の診断に該当する成人の問題とは
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsg/37/3/37_198/_article/-char/ja/
田村文誉,老年歯科医学会 37(3), 198-200,2022
4) 子どもの「口腔機能発達不全症」...成長に悪影響 早期治療を, yomiDr.
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20200127-OYTET50037/
2020.2.8
5) 口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方
https://www.jads.jp/basic/pdf/document-200722-3.pdf
日本歯科医学会,令和2年3月
6) 加齢による口腔機能の変化のイメージ
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000013386.html
中央社会保険医療協議会 第246回,総-2,pdf28枚目,H25.7.31
【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/