プレスリリース
石川県が申請し、金沢工業大学の革新複合材料研究開発センター(ICC)を拠点として実施する研究開発プロジェクトが、内閣府の「令和5年度地方大学・地域産業創生交付金事業」に採択
採択された研究開発プロジェクトは「地域で培われてきた高度な繊維・機械加工技術を活かした環境適合型複合材料川中産業創出プロジェクト」(以下、本プロジェクト)です。本プロジェクトの実施により、金沢工業大学をハブとして、複合材料産業において高度な繊維・機械加工技術を有する地元中小企業群が連携し、デジタル技術による生産プロセスの高度化や素材の低環境負荷化に関する研究開発、素材・設計〜評価に精通した専門人材育成を実施。石川県内にある複合材料の「川中企業」群をクラスター化し、強靱なサプライチェーンの構築をめざします。
【内閣府「令和5年度地方大学・地域産業創生交付金事業】採択
「地域で培われてきた高度な繊維・機械加工技術を活かした環境適合型複合材料川中産業創出プロジェクト」について
複合材料は軽量、高強度、錆びないという特性から、自動車・航空機等への使用による燃費向上や、風力発電機のブレードへの使用による大型化の実現、土木分野への適用によるインフラの長寿命化などカーボンニュートラルへの貢献が大いに期待されています。しかしながら、国内産業での出口製品が航空機や住宅設備など一部の製品に限られているため、高い加工技術をもつ素材メーカー(「川上企業」)と最終製品メーカー(「川下企業」)をつなぐものつくりのサプライチェーンが構築できていません。
本プロジェクトでは、地域で培われてきた高度な繊維・機械加工技術を活かした複合材料の川中産業を核とし、世界的なカーボンニュートラルへの流れをチャンスととらえ、環境適合型複合材料に係る強靭なサプライチェーンを構築することで需要を獲得し、地域産業の出荷額増・雇用創出を実現します。そのため、川下企業のニーズもふまえて、具体的なアプリケーションを見据えた環境適合型複合材料の研究開発を行います。また、開発に必要な複合材料・デジタル技術に精通した専門人材の育成供給機能を金沢工業大学が担うことをめざして大学改革を実施します。
ICCを拠点とし、石川県内の川中クラスター企業群が強靭なサプライチェーンを構築し、環境適合型複合材料の開発・社会実装を果たすことで石川県産業の振興・雇用創出を実現するため、以下の 2つの事業に取り組みます。
(1)研究開発事業
1. 植物由来素材を活用した環境適合型複合材料にかかる研究開発
2. デジタルツイン等を活用した製造プロセスの高度化研究
3. 具体的なアプリケーションの適用研究
(2)大学改革事業
1. 社会実装教育推進体制の構築
2. 複合材料専門教育プログラムの新規策定・実施
主たる申請団体:石川県
大学改革の対象大学:金沢工業大学
参画大学:石川県立大学、国際高等専門学校
中核企業:津田駒工業株式会社、小松マテーレ株式会社、サンコロナ小田株式会社、株式会社ヤスジマ、カジレーネ株式会社、大同工業株式会社、澁谷工業株式会社、テックワン株式会社、丸井織物株式会社、谷口製紐株式会社、石川樹脂工業株式会社、株式会社ICEM
【地方大学・地域産業創生交付金事業について】
地方大学・地域産業創生交付金事業は、首長のリーダーシップの下、デジタル技術等を活用し、産業創生・若者雇用創出を中心とした地方創生と、地方創生に積極的な役割を果たすための組織的な大学改革に一体的に取り組む地方公共団体を重点的に支援するものです。
この交付金事業は、10年間の事業計画が認定され、原則5年間にわたり年間7億円を上限に支援が行われる大型の交付金事業です。
令和5年度は石川県が申請した【複合材料】分野と熊本県が申請した【半導体】分野の団体が採択されました。
【革新複合材料研究開発センター(ICC)について】
「革新複合材料研究開発センター(ICC)」は、金沢工業大学の附置研究所として文部科学省「国際科学イノベーション拠点整備事業」により平成26年3月に竣工、「地域科学技術実証拠点整備事業」により平成30年3月に増築されました。
金沢工業大学は平成25年に文部科学省の「革新的イノベーション創出プログラム(COI事業)」に採択され、ICCを拠点に、9年間で総額約80億円の大型研究開発に取り組み、産学連携で炭素繊維複合材料分野における要素技術の蓄積を図ってきました。
革新複合材料研究開発センター(ICC)ウェブサイト
https://www.icc-kit.jp/index.html
▼本件に関する問い合わせ先
金沢工業大学 広報課
住所:石川県野々市市扇が丘7-1
TEL:076-246-4784
FAX:076-248-7318
メール:koho@kanazawa-it.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/