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独立行政法人製品評価技術基盤機構

夏場の感電事故に注意!

(Digital PR Platform) 2023年07月06日(木)12時00分配信 Digital PR Platform

〜感電リスクが高く死亡事故も発生しています〜

 独立行政法人製品評価技術基盤機構[NITE(ナイト)、理事長:長谷川 史彦、 本所:東京都渋谷区西原]は、電気事業法に基づく電気工作物(発電、変電、送電、配電又は電気の使用のために設置する工作物)に関する事故情報データベー スを用いて、2019 年度から 2021 年度までの「電気工作物に係る感電死傷事故(以下、感電死傷事故という。)」の詳細分析を行いました。その結果、分析を行った 3 年間の感電死傷事故においては、夏場に発生件数が増加をはじめ、秋頃まで発生件数の高止まり状態が続くこと、さらには、高齢作業者が保守点検作業中に受 傷する死傷者数・事故率が高い傾向にあることが明らかになりました。







[画像1]https://user.pr-automation.jp/simg/2526/73465/600_270_2023070513584364a4f88318450.png





 夏場は感電死傷事故が多く、1 年を通して最も注意が必要な季節です。作業者、管理者(電気主任技術者)並びに設置者の皆様におかれましては、危険性が高まる夏場を迎えるにあたり、より一層の注意が必要です。

■作業者個人が行う安全対策として
 @常に検電器を所持し、作業前には必ず検電の実施を徹底してください。
 A絶縁用保護具を着用し、肌の露出を少ない服装を心がけてください。
 B作業手順方法を正しく理解した上で作業を行ってください。

■高齢作業者の方に特に行っていただきたい安全対策として
 @体調管理の徹底、体調不良時の作業は避けてください。
 A自分のペースで焦らずに作業することを心がけてください。
 B通電中の「電気工作物の点検」作業時の事故が多くなっています。
  点検を行う 際は十分注意して作業を行ってください。

■管理者(電気主任技術者)や設置者側の安全対策として
 @充電部に保護カバーを取り付ける防護措置の実施など、設備面の安全対策についてご検討ください。
 A予定外作業の実施はさせない、単独での作業を避ける、安全教育実施など、組織的に実施する安全対策
  についてご検討ください。
 Bセンサー類や常時監視システムなどの稼働など、作業者が現場での直接の点検作業を減らす新技術(ス
  マート保安技術)の導入についてご検討ください。


事故情報の分析結果


1.感電死傷事故の過年度推移

 全国の自家用電気工作物における感電死傷事故件数の過年度推移を示します(図 3)。
感電死傷事故件数は減少傾向にありますが、近年下げ止まりの傾向が続いています。


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2.1.感電死傷事故の発生状況(夏場の事故の発生状況)

 全国の自家用電気工作物における感電死傷事故は、2019 年度から 2021 年度の 3 年間で 133 件(死亡 14 件、負傷 119 件)報告されています。
 発生月別に見ると、6 月から感電死傷事故が増加をはじめ、7 月に最多となり、11 月頃まで高い発生傾向が続いています。また、6 月〜9 月の夏場においては、死亡事故も多く発生しております。(図 4、図 5)。  夏場に感電死傷事故が増加する理由としては、@暑さのため、軽装などで肌を露出する機会が増えること、A集中力の低下により、人為的ミスが発生しやすくなることや、 B高温・多湿の環境下での作業のため、作業者が発汗して人体の電気抵抗が低下し、皮膚の表面で電流が流れやすい状態になることなどが考えられています。
 そのため、感電死傷事故は夏場の電気設備において、起こりやすい傾向にあります。 また、作業者の感電被害は、高圧の受変電設備における「電気工作物の点検」作業中の被害が最多であり、次いで、「電気工事」、「電気工作物の修理」作業中の被害が多くな っています(図 6)。


[画像3]https://user.pr-automation.jp/simg/2526/73465/600_318_2023070511394464a4d7f0b4621.png




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2.2.感電死傷事故の被害状況(高齢者の事故の発生状況)

 2019 年度から 2021 年度に発生した感電死傷事故 133 件の年齢別の死傷者数・事故率 ※1 の分布を示します(図 7)。この分析結果より、60 歳台・70 歳台以上の高齢作業者における事故率が高いことが明らかとなりました。また、20 歳台の事故率も高くなっていますが、他の年代の作業者と比較して、現場での実務経験が浅いことなどが影響してい ると考えられます。
 次に、65 歳以上の高齢作業者の感電被害を見ると、発生設備では高圧の受変電設備(キ ュービクルなど)に集中しており、作業内容では通電中の「電気工作物の点検」作業時の感電死傷事故(17 件、うち 16 件が高圧以上)が高い割合を占めていることが分かります(図 8、図 9)。「電気工作物の点検」には、例えば、漏洩電流の測定中に誤って他の充電部に接触してしまったなどの事例が挙げられます。
 事故発生原因としては、「被害者(作業者)の過失」が最多(8 件)であり、次いで、「作業方法不良」、「作業準備不良」、「工具・防具不良」となっています。具体的には、作業中の不注意(作業手順の確認不足、検電の未実施など)、作業手順違反(絶縁用保護具の未着用、充電部に身を乗り出して測定作業を行ったなど)、身体的異常(作業中のふらつき、よろけなど)などが挙げられます(図 10)。
 高齢作業者の皆様におかれましては、通電中の「電気工作物の点検」作業時の感電リスクが高いことに十分ご注意ください。



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参考情報

〇詳報公表システムについて
 詳報公表システムは、電気事業法に基づく電気工作物に関する全国の事故情報(詳報)が一元化された国内初のデータベースです。2020年度からの事故情報について順次公開を行っております。本システムは、電気事業者をはじめ、どなたでもご自由にお使いいただけます。事故情報を条件やキーワードで簡単に検索することができ、抽出されたデータはCSVファイルとしてダウンロードすることも可能です。

詳報公表システム >>
 https://www.nite.go.jp/gcet/tso/kohyo.html



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〇NITE 電力安全センターについて
NITE電力安全センターは、経済産業省(原子力発電設備等以外を所掌)からの要請を受け、電気保安行政(電気工作物の工事、維持及び運用における安全を確保するため行政活動)を技術面から支援するために、2020年4月、電気保安業務の専従組織として発足しました。現在、NITEがこれまで培ってきた知識や経験を活用し、経済産業省や関係団体と連携しながら、電気保安の維持・向上に資する様々な業務に取り組んでいます。

NITE電力安全センターの業務紹介 >>
https://www.nite.go.jp/gcet/tso/index.html

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