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日本製鉄株式会社

日本製鉄 環境にやさしい鉄鋼スラグ活用材料「カルシア改質土」の新工法の技術評価証を取得

(Digital PR Platform) 2023年07月05日(水)11時05分配信 Digital PR Platform

〜「バッチ式原位置混合工法」により用途を拡大〜

JFEスチール株式会社(本社:東京都千代田区、社長:北野嘉久)、日本製鉄株式会社(本社:東京都千代田区、社長:橋本英二)、五洋建設株式会社(本社:東京都文京区、社長:清水琢三)、東亜建設工業株式会社(本社:東京都新宿区、社長:早川毅)、および日本海工株式会社(本社:神戸市中央区、社長:山下聖一郎)の5社は、軟弱な海底地盤の表層改良を可能とする「カルシア改質土のバッチ式原位置混合工法」の共同開発を進めてまいりました。このたび、2022年7月〜8月に実施した実海域での施工試験(図1)で得られたデータをもとに、一般財団法人沿岸技術研究センターの「港湾関連民間技術の確認審査・評価事業(※1)」による厳正な審査の結果、評価証(第22006号)を7月4日に取得いたしました(図2)。

カルシア改質土は、軟弱な浚渫土(しゅんせつど)(※2)に製鋼スラグを原料としたカルシア改質材(※3)を混合することにより、物理的・化学的性状を改質したものです(図3)。強度が発現して固化する、施工時の海域環境への影響(濁り)を抑制するなどの特性を有しており、浚渫土を処分することなく有効活用できます。埋立て材のほか、海域環境修復のための浅場・干潟・藻場などの造成材としても適用可能であり、ブルーカーボン生態系(※4)の創出に貢献する材料です。

現行の工法は、バージ船(※5)や土槽内であらかじめ製造したカルシア改質土を所定の施工エリアへ運搬して、海中投入する事前混合処理が主流です。これに対し、今回開発した「バッチ式原位置混合工法」は、既存の海上地盤改良工法であるサンドコンパクションパイル工法(※6)の専用船に取り付けた密閉式バケット(図4)を用いて、バケット内で粘土とカルシア改質材を混合し、その場(原位置)において軟弱な海底地盤の表層をカルシア改質土に改良する工法です(図5)。一連の施工を海底近傍で実施することから、今回の審査においては、周辺海域の水質への悪影響が生じない工法としても評価されました。

本工法の開発により、浅場・干潟の造成に必要な土留め潜堤の築造(図6)、航路内への土砂流入防止堤の築造(図7)、岸壁・防波堤周辺の洗掘(※7)防止対策などへのカルシア改質土の用途拡大が考えられます。本工法の実事業化を進め、カルシア改質土の普及拡大を推進してきます。

今後とも、環境に優しい製品・工法の開発に注力することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

【カルシア改質土のバッチ式原位置混合工法の特長】
●海底地盤の表層2.5mをカルシア改質土に改良することが可能
・従来工法(陸上や船上で製造したカルシア改質土を海中投入する)とは異なる用途に適用できるため、カルシア改質土の用途を拡大できる
●施工工程の簡略化が可能
・原位置(海底)で一連の工程を実施するため、泥土やカルシア改質土の運搬を必要としない
●施工時における海域環境(濁り)への影響が非常に小さい
・密閉式バケット内でカルシア改質材と混合するため、粘土撹拌による海の濁りが発生しない
・カルシア改質土はもともと濁りが発生しにくい材料であるが、本工法では海底近傍でカルシア改質土を排出するため、海中投入に比べて改質土の落下高さが小さくなり、濁り発生を更に抑制できる
●カルシア改質土の品質向上に貢献
・バケットでの地盤の掘削時に余分な水分が含まれないため、強度・品質の向上が期待できる
・バケット内に取り込んだ粘土量とカルシア改質材の混合量をリアルタイムで管理できるため、カルシア改質材の混合率を安定制御することが対応可能
●大水深の施工が可能

【審査により確認・評価された内容】
●本工法には、現行の工法と同様のカルシア改質土の配合設計方法を適用可能
●本工法は、地盤の表層2.5mをカルシア改質土に改良することが可能
●本工法の施工による周辺海域の水質への悪影響は生じない

※1 依頼者の申請に基づき、各分野の専門家で構成される第三者機関で客観的・中立的な立場から申請された技術内容を確認・評価する制度
※2 港湾工事などで海底の掘削時に発生する水分や粘土分が多い泥土
※3 鉄鋼製造の副産物として生成される転炉系製鋼スラグを、成分管理・粒度調整した材料
※4 ブルーカーボンを隔離・貯留する海洋植物等の海洋生態系は「ブルーカーボン生態系」と呼ばれ、カーボンニュートラルの実現に寄与するものとして注目されています
※5 河川・運河や港湾内で重い貨物を積んで航行するために作られている平底の船舶
※6 強固に締固めた砂杭を地中に造成して地盤を改良する工法
※7 水流や波浪により、構造物のある水底などの泥や土が流されて削れること

【図1】バッチ式原位置混合工法の実海域での施工試験

[画像1]https://user.pr-automation.jp/simg/84/73444/350_326_2023070509305564a4b9bff043e.jpg


【図2】評価証

[画像2]https://user.pr-automation.jp/simg/84/73444/350_487_2023070509310364a4b9c7ddb87.jpg


【図3】カルシア改質土の外観

[画像3]https://user.pr-automation.jp/simg/84/73444/400_130_2023070509311564a4b9d3047dd.jpg


【図4】バッチ式原位置混合工法の施工船

[画像4]https://user.pr-automation.jp/simg/84/73444/700_304_2023070509312464a4b9dcbe4c5.jpg


【図5】バッチ式原位置混合工法の施工の流れ

[画像5]https://user.pr-automation.jp/simg/84/73444/700_297_2023070509313164a4b9e3acbbb.jpg


【図6】バッチ式原位置混合工法の適用例 @:浅場・干潟の土留め潜堤

[画像6]https://user.pr-automation.jp/simg/84/73444/400_214_2023070509313964a4b9eb67c4c.jpg


【図7】バッチ式原位置混合工法の適用例 A:航路内への土砂流入防止堤

[画像7]https://user.pr-automation.jp/simg/84/73444/400_182_2023070509314764a4b9f374817.jpg


以 上


本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。

JFEスチール(株)総務部広報室               TEL 03 (3597) 3166
日本製鉄(株)総務部広報センター               TEL 03 (6867) 2977
五洋建設(株)コーポレート・コミュニケーション部広報グループ TEL 03 (3817) 7550
東亜建設工業(株)経営企画部広報室              TEL 03 (6757) 3821
日本海工(株)事務部総務グループ               TEL 078 (391) 1792



[画像8]https://user.pr-automation.jp/simg/84/73444/250_31_2023070509304564a4b9b52166f.jpg


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