プレスリリース
京都産業大学文化学部 下出 祐太郎 教授が、京仏壇製造業従事者(伝統工芸業務)としての功績が評価され、瑞宝単光章を受章した。
京都産業大学文化学部 下出 祐太郎 教授は、伝統工芸の専門家として、大学で教鞭をとっている一方、京都市内で創業100年以上続く蒔絵工房の3代目として大嘗祭の神祇調度蒔絵、伊勢神宮式年遷宮御神宝に携わり、京都迎賓館の調度品蒔絵等の制作に従事してきた。京都府伝統産業優秀技術者表彰、現代の名工・卓越技能章等、多数の受賞がある。
このたび、伝統工芸士として伝統的工芸品産業に従事してきた功績が認められ、瑞宝単光章の受章に至った。
下出教授は、「伝統工芸について、たくさんの先輩方がおられる中、瑞宝単光章をいただくことになり大変恐縮ではありますが、漆一筋で進んできた道が評価され大変嬉しい。今後も、私ができること、成すべきことに取り組んでいき、日本のものづくりの根幹である伝統工芸のすばらしさを後の世に残していきたいと思っています」と語る。
プロフィール
1955年京都市生まれ。下出蒔絵司所3代目。伝統工芸士。詩人。同志社大学文学部卒業。京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士号取得。博士(学術)。京都産業大学教授。
経歴
(1)神仏具蒔絵の新調・修復
平成即位の礼・大嘗祭の神祇調度蒔絵(平成元年)、第61回・第62回伊勢神宮式年遷宮御神宝(平成4年、24年)、大石寺・蒔絵パネル(平成元年、静岡県)、高野山金剛峰寺・金堂大壇「光琳蓮」及び礼盤「獅子」(平成5・6年、和歌山県)、築地本願寺礼盤「唐獅子」及び経机「牡丹」(令和2年、東京都)など、
(2)各種蒔絵工芸品の制作
京都迎賓館の飾り台蒔絵「悠久のささやき」(平成17年、京都市)、皇居・飾り台制作・東宮御所調度修復(平成20・21年)、アメリカ大統領(平成21・26年)・ブータン国王(平成23年)来日時の献上品、35代木村庄之助氏の軍配(平成23年)、JLPGA京都レディースオープン優勝牌(平成25年〜)、京都産業大学サギタリウス館記念モニュメント(平成28年)、京都市名誉市民表彰盾(令和元年〜)、41代式守伊之助氏の軍配(令和元年)、京都産業大学OB・OG顕彰盾(令和元年〜)、など
(3)文化財等の保存、復元制作
高台寺蒔絵を代表する高台寺霊屋内陣・秀吉厨子の復元的制作(平成14〜23年、京都市)、蘆山寺宝物「降魔面(ごうまめん)」の復元制作(平成25年度、京都市)、大覚寺の嵯峨天皇御宸筆般若心経螺鈿箱の復元制作(平成30年、京都市)、水天宮の行厨(こうちゅう)の保存修理(平成29年、東京都)及び復元制作(令和2年、東京都)、富山県指定民俗文化財八尾町祭礼曳山の屋台修理(令和2年、富山市)など
主な受賞歴
2016 京都伝統産業優秀技術者表彰
2018 伝統的工芸品産業功労者近畿経済産業局長表彰
2021 現代の名工
2023 令和5年春の勲章:瑞宝単光章
著書
『京の美の継承』京都新聞出版センター(2021)
『京の美の巡礼』京都新聞出版センター(2023)
『京都迎賓館――匠の技とおもてなし』茜出版(2023)
むすんで、うみだす。 上賀茂・神山 京都産業大学
<関連リンク>
・京都産業大学文化学部 下出 祐太郎教授
https://www.kyoto-su.ac.jp/faculty/professors/fcsi/shimode-yutaro.html
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