プレスリリース
驚異的な取り組みが進行中:厳格なグローバルテストの最新段階で スペクターの走行距離が200万KMの大台に近づく
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2023年2月8日(水)、グッドウッド、ウエスト・サセックス
ロールス・ロイスが完全電気自動車、スペクターの250万kmテスト・プログラムを継続
世界中で200万km近いテスト走行が終了
現在、南アフリカで50°Cという高温な環境でのテストを実施中
全体を大幅に改善するために採用された「わずかな改善の積み重ね(marginal gains)」理論
スペクターは「最後の4シーズン」の条件サイクルを経て結果が承認される予定
スペクターのテストの締めくくりとして、最終的に「ライフスタイル分析」プロセスを実施
「スペクターは、ロールス・ロイス史上最も期待されるモデルとして、すでに地位を確立しています。この驚くべき斬新な車は、このブランドの革新的な電気自動車の時代の始まりを告げると同時に、スーパー・ラグジュアリー市場における当社の揺るぎない技術的リーダーシップを示しています。また、広範囲にわたる意欲的で厳格なテスト・プロセスは、スペクターをまず間違いなくロールス・ロイスの車にするという当社の約束を物語っています。この高級ブランドにおける手法のひとつは、根本的には、行うすべてのことにおいて偉大さを呼び覚ますことです。スペクターは、車の体験を比類ない高みへと引き上げ、卓越した新しいベンチマークをつくり出します。この約束を果たすことこそ、ブランドの継続的な成功を支え、また、たえずお客様の期待に応え、それを上回ろうとする私たちの姿勢の原動力となっています。」
ロールス・ロイス・モーター・カーズ最高経営責任者 トルステン・ミュラー・エトヴェシュ
「世界中でたゆまず驚異的なテストを実施している理由は単純です。これまでスペクターのような車は存在していなかったからです。ロールス・ロイス初の完全電気自動車であるスペクターは、技術の新しいパラダイムを示すだけでなく、ブランドの将来の方向性のすべてを示しています。この驚くべき旅を着想し、実行することができるのは、ロールス・ロイスのエンジニアだけでしょう。単に自動車をテストするのではなく、卓越した自動車のベンチマークを更なる高みに引き上げることが務めなのです。」
ロールス・ロイス・モーター・カーズ エンジニアリング・ディレクター ミヒヤー・アユービ
ロールス・ロイス スペクター:暑い気候でのテスト
新しいジャンルを開拓するロールス・ロイスの完全電気自動車のスーパークーペ、スペクターは、このブランドの118年の歴史において試行された中で最も厳しいテスト・プログラムの第3段階を終了し、現時点ですでに200万km近くを走破しています。これは、すでに過去にロールス・ロイスが実施したどのテスト・プログラムをも上回っており、しかもまだ継続中なのです。
現在、南アフリカの北ケープ州オーグラビーズと、ぶどう畑の広がる「フレンチ・コーナー」と呼ばれる西ケープ州フランシュフックの2拠点において、極度に暑い気候のもとでテストが行われています。ここでは、安定した対照的な気候条件(極度に高温で乾燥した北部、地中海性気候で湿度が高めの南部)により、世界屈指の夏のドライビングが可能となっています。最高気温は50°Cを超えることがあり、南部では砂利、塵埃、泥の多い曲がりくねった田舎道が多く、路面や地形が変化に富んでいることもあり、条件としては最適な環境となっています。
この段階では、200万km近い連続テストの間に開発されたあらゆるシステム、ハードウェア・アイテム、ソフトウェア・プロトコルをエンジニアが観察し、改良を加えていきます。こうした丹念な価作業を通じてのみ、ロールス・ロイスの技術エキスパートは、お客様に愛される乗り心地を厳密なレベルで実現し、ブランドの代名詞である「マジック・カーペット・ライド」を新しい完全電気自動車のパラダイムにうまく適合させることが可能になるのです。
ロールス・ロイスの真髄を体験できるよう、スペクターのテストを通じて、2万5,000件におよぶ性能関連機能が入念に調整されました。現在行われている改良は、「わずかな改善の積み重ね(marginal gains)」の原則に沿って行われています。これは、個々の漸進的な調整は非常に小さくても、累積すると全体として大幅に改善されるという原則です。この理論は、スポーツやハイレベルなビジネス分野では広く用いられ、実証されていますが、今回のスペクターの実証においては前例のない規模で採用されています。これは、社内で「ロールス・ロイス・フィニッシング・スクール」と呼ばれる、さらに広範囲にわたる検証プロセスの一環として行われます。
スペクターのプロトタイプに込められている細部へのこだわりは無数にありますが、長い経験を積んだ比類ない優秀なエンジニアの判断と直感が反映されているので、数値化は不可能なことがあります。たとえば、回生ブレーキに関しては、楽なフィーリングでありながら、しっかりとブレーキが効くよう、精緻化のためにすでに1,500時間以上が費やされています。制動力に伴って生じるセンサー入力をデータ・ロガーで処理することで、どのような走行状況でもスペクター全体の静粛性が損われないように調整していくのです。しかし、テスト終了時に比類ない基準をこの車が確実に満たし、ロールス・ロイスの体験を高次元で表現することを可能にするのは、長年にわたるロールス・ロイスのエンジニアたちの経験と判断だけなのです。
同様に、アンチロール・スタビライゼーションも、ダイナミックな走りを予感させるスペクターのドラマチックなスーパークーペ・デザインを反映し、同時にブランドの特徴である「マジック・カーペット・ライド」のクオリティを実現できるように調整が進められています。南アフリカでは、高温によってゴム製サスペンション部品の硬度が変化するので、このテストは特に重要となります。このパラメーターは、さらに極寒地でのテスト結果によって補われることになります。
こうした徹底的な手法は、スペクターのコーチドアを開けることで始まる「光の劇場」にふさわしい品質のカラーと明るさを実現するためにも用いられました。外光条件に関係なく車内での調和感を保つには、すべてのインテリア照明(定評あるビスポーク・スターライト・ヘッドライナー、インストルメント・クラスター、SPIRITインターフェースなど)を完璧に調整する必要があります。そのためには、世界各地の太陽の当たり方や種類を詳細に分析する必要があり、スペクターが世界のどこを走っても一貫したカラーの品質を確保できるようにしています。
徹底的なテスト・プログラムの後半にさしかかる頃には、ロールス・ロイスの名高い空力音響性能を実現するために、シーリング材のさらなる調整を実施する予定です。ゴム製シーリング材は温度分布によって異なる性能を示すので、このプロセスは欠かせません。たとえばスウェーデンのアリエプローグで行われたスペクターのテスト段階では、氷点下の気温でシーリング材の硬化が観察されました。逆に南アフリカでは、高温条件下で軟化したシーリング材の音響性能をロールス・ロイスのエンジニアが評価する予定です。こうして、どのような極端な気候でも車内が遮音されるような、最適なバランスを見出すことが課題となります。
南アフリカをはじめ、残りのプログラムでも、スペクターの17台のスピーカーが響かせるサウンドの品質を少しでも改善するために、オーディオ・システムの調整と精緻化が行われます。実験室での初期テストとキャリブレーションに続き、現在は実際の環境下で徹底的なテストが実施されています。あらゆる音への要求に応えられるよう、特別に編集した幅広いジャンルのプレイリストが使用されています。完璧な音響性能を確保するためのこの取り組みは、車の主要機能にも及んでいます。たとえば、自動開閉式コーチドアが閉まるときは、不快ではない最適なレベルの音が出るよう、閉まる速度までもが細かく調整されています。
ロールス・ロイス スペクター:驚異的な取り組みが終了間近
南アフリカでのテストと収集されたデータを十分に分析し、関連する作動と対策を盛り込めば、スペクターのテスト・プログラムは約80%完成したことになり、最終承認段階に入ります。この段階では、北極のような厳寒のアリエプローグと温暖なコート・ダジュールとを往復する「オール・シーズン」テスト・プログラムが実施されます。
スペクターの最後の50万kmのテストでは、ライフスタイル分析に焦点が絞られます。この独自のテスト・プロセスでは、ロールス・ロイスのお客様の使用ケースを想定してスペクターがテストされます。そして、世界の大都市の中心部でも、新興もしくは歴史ある高級観光地でも、またオーナーのニーズ、習慣、ライフスタイルに見合ったその他の条件下でも、求められる性能を発揮できることが確認されます。
ロールス・ロイス スペクター:テストの背景
2023年第4四半期に予定されている最初の納車に先立って、世界屈指の苛酷な条件下における400年間近い通常使用を再現するための徹底的な試験がスペクターに課せられました。走行距離は合計250万kmを超える予定です。地球62周分に等しい距離です。
テストがスタートしたのは、2021年冬のことで、北極圏からわずか55kmに位置するスウェーデンのアリエプローグにある特別な試験施設においてでした。マイナス40°Cの環境で、ロールス・ロイスのエンジニアたちは、雪道や凍結路でのスペクターの性能とハンドリング、長時間の極度の寒さがバッテリーや その他の電子システムに及ぼす影響について、あらゆる角度から検証し、改良を重ねました。
この試験を無事終えたスペクターは、2022年夏、仏コート・ダジュール周辺に移動しました。かつてグランプリ・サーキットだった歴史的なオートドローム・ド・ミラマス試験場でもテストが実施されました。現在、ここは60kmを超えるクローズド・ルートと20種類の最新のテスト・コース環境が整っています。しかし、テストの大半は南仏プロヴァンスの田舎で行われ、多くの市販車がその生涯を送ると思われる地域の実環境においてスペクターの能力が評価されました。
-以上-
スペクターのCO2排出量と電力消費量の数値
WLTP:
電力消費量:2.9マイル/kWh. / 21.5kWh/100km*
電気航続距離:323マイル / 520キロメートル*
CO2排出量 0g/km
*速報値(未確定)。今後変更される可能性があります。
燃料消費量、CO2排出量、電力消費量、電気航続距離に関する公式データは、型式認証時点で有効なEU規則715/2007に準拠し、必須の測定手順にしたがって特定されたものです。
WLTP情報は、ラインアップ内の特別装備を考慮に入れています。2021年1月1日以降に型式試験が行われた車両については、NEDCによる公式情報は存在しなくなり、WLTPによる公式情報のみとなりました。WLTPとNEDCの測定手順の詳細については、以下をご覧ください。WLTP: new times, new rules (https://www.rolls-roycemotorcars.com/en_GB/information/fb-dat-wltp.html
)
航続距離と消費電力の数値は、あくまで比較のためのものです。これらの数値は、バッテリー始動時の充電状態、(登録後に)装着されたアクセサリー、天候の変化、運転スタイル、積み荷の重量など、多くの要因によって異なるため、実際の運転結果を反映していない可能性があります。
新型乗用車の公式のエネルギー・燃料消費量および公式のリッターあたりCO2排出量の詳細については、「新型乗用車の燃料消費量、CO2排出量および電力消費量に関するガイド」をご覧ください。このガイドは、すべての販売店にて無料で入手できるほか、http://carfueldata.direct.gov.uk/
(英国)、http://www.dat.de/angebote/verlagsprodukte/leitfaden-kraftstoffverbrauch.html
(ドイツ)
およびお住まいの国の政府機関でも入手できます。
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編集者の皆様へ
ロールス・ロイス・モーター・カーズはBMWグループの完全子会社であり、航空機用エンジンや推進システムを製造するRolls-Royce plc(ロールス・ロイス・ピーエルシー)とは完全に別会社です。英国ウエスト・サセックス州グッドウッドにあるロールス・ロイス・モーター・カーズの本社および製造工場では2,500名の熟練した男女が働いており、世界で唯一、当社の極めて上質な自動車を手作業で製造しています。