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シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社

COP15が発した明確なシグナル

(Digital PR Platform) 2023年01月20日(金)10時00分配信 Digital PR Platform


COP15は、自然を大切にすることが急務であるという明確なシグナルを発しました。
世界は今、自然への投資に数十億ドルを動員しているかもしれませんが、それを数兆ドルにまで早急に引き上げなければなりません。

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ピーター・ハリソン
グループCEO

2023年を迎え、自然や生物多様性がかつてないほど脚光を浴びています。国連の生物多様性サミットである国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)は、2030年までに世界の自然喪失に歯止めをかけるための真の前進となりました。

しかし、野望を実現するためには、これが自然への投資のターニングポイントとなる必要があります。現在、私たちは自然への投資に数十億ドルを動員しているかもしれませんが、それを数兆ドルに、しかも迅速に増やさなければなりません。公的資金と並んで、公正で効果的な方法で展開される民間資金が重要な役割を果たすことになるでしょう。それは、ネイチャーポジティブな未来への道筋を描こうとする世界にとって、交渉の余地のないものです。

COP15が気候変動対策の兄弟のような存在であるCOP27に比べて「注目度が低い」と指摘するコメントもありますが、合意された枠組みは、ビジネスや金融にとって無視できないシグナルを発信しています。
「自然のためのパリ協定」が期待され、2030年までに地球上の30%の自然を保護する目標を含む成果が得られ、自然保護への取り組みに大きな節目となったのは間違いありません。

弊社のサステナブル投資チームグローバルヘッドであるアンドリュー・ハワードが言うように、投資家は自然リスクにさらされるか、自然リスクに関与するか、選択する権利はないのです。

簡単に言えば、自然リスクは投資のリスクとリターンに不可欠な要素であり、多国籍企業や金融機関は今後、自然リスク、依存度、影響についての情報開示を求められるようになると考えています。

まだまだやるべきことはたくさんありますが、1つだけはっきりしているのは、変化は訪れ、それは自然界に関するデータと実体経済への影響に左右されるということです。

一例を挙げると、アフリカでは、シュローダーが2021年に投資したNatcap Researchの研究者チームが、衛星データと機械学習を用いて、ガーナとシエラレオネ全域で炭素隔離・貯留の可能性が高い地域を特定しています。

英国では、同社の科学者が土壌の上部30cmと、5m四方の非常に細かい空間スケールに蓄積された炭素をモデル化する方法を確立しました。このモデルは、炭素市場のデータ収集の指針となり、コストのかかるフィールドサンプリングの必要性を減らすことができます。これは科学的に画期的なことであり、他の研究への取り組みと合わせて、自然を評価する全く新しい可能性を開くことができるのです。

どの木やマングローブをどこに植えるべきか?生物多様性を飛躍的に高めるために、どのように緑地をつなげばよいのか?環境再生型農業によって、どれだけの炭素を土壌に蓄えることができるのか、また蓄えることができたのか?花粉媒介者をサポートする機会と、サポートしない場合のリスクは?

これらの疑問とそれに答えるデータは、政治的な目標設定と財政的なコミットメントを、世界中の現場で実際のインパクトに変換する上で非常に重要です。研究者たちの協働により、これらの答えが明らかになりつつあります。

これらは、自然に影響を与える資産や企業へ投資しているシュローダーのような投資家にとって、受託者責任の問題でもあります。自然の背後にある投資は、リターンとインパクトの両方をもたらす可能性がありますが、自然リスクを考慮しないことは、企業やその投資家にとってマイナスに影響します。

この問題は、ビジネスにとって重要です。シュローダーが全社的な自然のための計画「Plan for Nature」をローンチしたのもそのためであり、私たちの投資が自然資本に与える影響をより適切に測定、報告し、改善します。

より良いデータは、科学と実践、政策と資本の展開の橋渡しをするものです。そして、より洗練されたインパクトに関する情報開示、企業とのより積極的なエンゲージメント、バリュエーションが難しいプライベート・アセットにおいて自然資本をサポートするための新しいプロダクトやソリューションの誕生に寄与します。

これらの情報開示を反映させるための自然や生物多様性に関する報告基準も急速に進歩しています。企業は、自然関連財務情報開示タスクフォース (TNFD) や自然に関する科学に基づく目標設定(SBTN) の使用を試験的に開始し、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB) は、これらの取り組みを基に、自然損失に関する国際基準の設定を支援する予定です。

私たちの経済と社会を支えている自然界を守るために必要な資金を、今日の私たちはまだ満たしていません。COP15での合意は、私たちが自然を守るために毎年費やしている金額と、2030年までに費やすべき金額との間にある7000億ドル規模のギャップを埋めることを目的としています。

投資家の意欲も高まっています。シュローダーが実施した「グローバル投資家調査」によると、63%の投資家がファンドマネジャーに対して、自然資本と生物多様性を重視したエンゲージメントの実施を求めており、これは気候変動の59%よりも高い数値となっています。

本当に必要な資金フローの規模に到達するためには、モントリオールで合意された枠組みが、気候変動で見られるように、政策とインセンティブ(およびディスインセンティブ)に関する迅速かつ深い連携に転じる必要があります。そして、企業の情報開示を含む、より大きなデータ共有に向けて推進されるでしょう。

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