プレスリリース
弘前大学から難関の細胞検査士資格認定試験に8名全員が合格 -- 北東北・北海道で唯一となる同大の細胞検査士養成課程が全国平均合格率を大きく上回る好成績
公益社団法人日本臨床細胞学会による第55回細胞検査士資格認定試験二次試験の結果が12月19日に発表され、弘前大学(青森県弘前市)医学部保健学科検査技術科学専攻から受験した4年生8名全員が合格した。同専攻には北東北・北海道で唯一の細胞検査士養成課程が設置されており、修了すると4学年在学中に細胞検査士資格認定試験の受験資格を得ることができる。同二次試験の合格率は全国平均で約3割とされる中、それを大きく上回る優秀な成績を収めている。
■北東北・北海道で唯一の細胞検査士養成機関
細胞検査士とは、人体から採取された多くの細胞の中からわずかな数のがん細胞を顕微鏡下で見逃すことなく見つけ出したり、それらの細胞ががん細胞かどうかを顕微鏡下で判断したりする細胞検査(細胞診)を担い、癌の早期発見や診断には欠かせない重要な専門職である。しかし、細胞検査士の数は年々減少傾向にあり、不足する細胞検査士の養成は重要な課題となっている。
そこで弘前大学では平成21(2009)年度、群馬県以北で初となる細胞検査士養成課程を医学部保健学科検査技術科学専攻に設置。2022年現在も4年制大学における細胞検査士教育課程は全国で14校しかなく、同大の養成課程は北東北・北海道で唯一となる。同課程を修了すると、4学年在学中に細胞検査士資格認定試験の受験資格が得られる。
公益社団法人日本臨床細胞学会が行っている同認定試験は、本来、臨床検査技師の国家資格を有し、1年以上の病理検査の経験を有する者のみに受験資格が与えられるもの。その合格率は毎年30%前後(今回も30%程度)と低く、かなりの難関資格である。同大では、平成24(2012)年度の1期生から令和4(2022)年度の11期生まで、計74名が合格(平均合格率88%)するという、非常に高い実績を挙げている。
■コロナ禍の苦境を乗り越えて
コロナ禍が始まった令和2年度以降、通常行われる15名用のディスカッション顕微鏡を用いた対面での実習ができず、webで画像を共有して行う実習に変更したり、数名ずつのチームを組んで時間ごとにローテートして広い実習室で個別に顕微鏡実習を繰り返したりすることで対処してきた。こうした十分ではない条件下であっても、学生たちの努力が実を結んだ。
今後、彼らは、青森、北海道、東北、関東など全国の医療の最前線で、臨床、教育、研究のリーダーとして活躍が期待される。
青森県は平成16(2004)年から18年連続でがんの年齢調整死亡率が全国最悪となっている。弘前大学医学部保健学科検査技術科学専攻細胞検査士養成課程では、これを解消することに大いに貢献できる細胞検査士を目指す学生の試験合格を後押ししていく。
●弘前大学医学部保健学科検査技術科学専攻
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▼本件に関する問い合わせ先
弘前大学医学部保健学科検査技術科学専攻
細胞検査士養成課程
教授 渡邉 純
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