プレスリリース
神戸女学院大学(兵庫県西宮市)では、「119番の日」である11月9日、緊急時の119番通報を円滑に行うための特別講義を1年生科目「クローバーゼミ」内で実施。119番通報の心理学的研究に取り組んでいる人間科学部心理・行動科学科の木村昌紀教授による講義と、神戸市消防局警防部の米田里美氏を招いての模擬通報体験を行った。
■「119番の日」特別講義
11月9日は市民の防火・防災意識の高揚を図ることを目的として、消防庁によって「119番の日」と制定されている。119番通報は消防活動や救急搬送、救助活動の初期対応であり、その迅速性や正確性が被害規模や人命を大きく左右するが、市民が通報に関する正しい知識を十分に有していない懸念がある。また、正しい知識を持つことが円滑な通報につながることも明らかになっている。
当日の特別講義の前半では、木村教授が119番通報における市民と通信指令員による緊急事態のコミュニケーションを心理学の観点から解説。状況が見えない緊急時の電話連絡という手段の中で、聞き手と話し手が共通の基盤(コミュニケーションの前提となる知識や情報)を持つことの重要性ならびに通報時の展開や聴取項目を予め把握していることによって、より円滑に情報を伝達することができる、という内容を伝えた。
神戸市消防局の米田氏を招いた講義の後半では、大学内で発生する事例動画を視聴し、119番に通報して通信指令員に救急を依頼するという模擬通報体験を実施した。
学生からは「体験でも焦った」「マニュアルを見て練習してもドキドキしたのに実際に起こったらどうなるんだろう」等の感想があげられた。米田氏からは「通報時は落ち着いて、まずは救急車や消防車に来てほしい場所や住所を伝える」ことや、「上手く話せなくても通信指令員が通報者に寄り添ってサポートしてくれるので躊躇わず通報することが重要だ」という説明があった。
一生のうちに一度あるかないかの119番通報だが、災害や急病など、いざその時に上手く助けを求められるかどうかで救える命がある。今後起こり得るかもしれない自分や大切な人の命を守るため、119番通報の仕組みや正しい通報の仕方を知って備えることの大切さを学ぶ貴重な機会となった。
■木村昌紀教授のインタビュー放送
同じ11月9日にABCテレビのニュース番組「news おかえり」内で放送された特集「119番通報の現実」の中で、木村教授による大阪府消防学校での授業風景とインタビューが放送された。
木村教授は「(通信指令員が)通報者の気持ちを考えるのが大切だ」ということや、「通報者と指令員のコミュニケーションなので両者が努力する必要があり、119番通報のルール・基本的な流れ自体を通報者がわかっていないかもしれなので、伸びしろとしては住民側の方が多いのではないか」といった内容を語った。
(参考リンク)
●ABCテレビニュース
【台風時に7割】「電気が切れて困っている」緊急性の低い119番通報でパンク状態≠ノ 救える命救うためにできることとは?【大阪・泉州南広域消防本部 通信指令センター】
https://www.youtube.com/watch?v=_M5LHGklr8o
※木村教授のインタビューは4:40〜
●木村教授の研究室
https://h.kobe-c.ac.jp/p/lab/kimura
https://h.kobe-c.ac.jp/p
▼本件に関する問い合わせ先
神戸女学院大学 入学センター・広報室
三枝(サエグサ)、安野(ヤスノ)
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【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/