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シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社

プライベート・アセット:投資家のための投資オプション

(Digital PR Platform) 2022年11月01日(火)16時14分配信 Digital PR Platform


プライベート・アセットへの投資は、多くの投資家が恩恵を受ける可能性があり、またプライベート・アセットの民主化が進むにつれ、投資家の選択肢は広がってきています。同セクターの経験豊富なスペシャリストであるウェルスマネージャーが解説します。

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ナタリー・クレキス
ポートフォリオ・ディレクター

プライベート・アセットの民主化に関しては、これまでに多くの議論がなされてきました。民主化とは、従来プライベート・アセット投資の主体であった機関投資家という顧客基盤を超えて、プライベート市場へのアクセスを拡大する様々な変化を総称したものです。一方で、テーマとしての民主化についての議論は適切な形で行われておらず、一部の投資家を混乱させている可能性があります。

民主化について書かれたものの多くは、それが革命の幕開けであるかのように述べていますが、私たちは、民主化はむしろ進化だととらえています。小規模な投資家は何十年も前から投資信託を通じてプライベート・アセットに投資してきました。しかし近年は投資方法の選択肢が増えており、今後もその傾向は続くでしょう。

多くの投資家はプライベート・アセットへの投資で利益を得ることができると確信しており、その資産配分の適切性が最も重要であることに変わりはありません。民主化とは単に、プライベート・アセットへの投資が、難しくなくなってきたことを意味しています。

プライベート・アセットに投資するための様々な方法とは?
続いて現在、プライベート・アセットに投資するために利用可能な、主なストラクチャーの概要を説明します。各ストラクチャーによって独自の流動性プロファイルがあり、それに応じて投資内容、手数料、最低投資金額も異なります。これはあくまで情報提供を目的とするものであり、いかなる投資推奨等を意図するものではありません。

上場クローズドエンド型
前述の通り、上場クローズドエンド型(または投資信託型)プライベート・アセット・ビークルは、民主化された最初の選択肢として、長い間君臨してきました。しかし、その後商品の開発がすすみ、ストラクチャーは近代化され、このストラクチャーが従来抱えていたいくつかの問題の解決がすすんでいます。

通常の市場環境における伝統的な投資信託(IT)の流動性は良好で、日中取引も可能です。この流動性の高さが、従来、多くの個人投資家や準富裕層の投資家への適合性を高める要因となってきました。

伝統的なITは、価格が純資産価値(NAV)とは無関係に変動する可能性があります。投資家は、売却する場合、価格がNAVに対して(潜在的に大幅な)ディスカウントとなる状況に直面する可能性があります。多くの投資家は、取引価格と本源的価値の不一致を利用できる可能性に魅力を感じ、まさにこの理由からITストラクチャーを好みますが、これらの資産へ投資を決定する際には、この点を考慮する必要があります。

流動性を確保することは、過去にいくつかの問題を引き起こしました。不利な市場環境のために売手が反対サイドの買手を見つけることを妥協した例もあります。このような問題は、適切なポートフォリオ構築と、時間軸やリスク選好度、流動的な資金アクセスの必要性など、個々の顧客の状況を十分に考慮することによって管理されるべきです。しかし、ここでは前述したように、重要な進展が見られてきました。

フィーダーファンド
テクノロジーの進歩により、流動性がない、あるいは定期的な流動性を持つフィーダーファンドがウェブプラットフォームを通じて利用できるようになりました。これらの新しいクローズドエンド型ファンドは、キャピタルコールスケジュールの仕組みや、機関投資家向けファンドよりも短い運用期間、低い最低申込金額など、特に個人投資家向けに設計されています。

セミリキッド
多くの重要な戦略開発がこの分野で行われており、セミリキッドの投資方法は、現在、プライベート・アセットの民主化において脚光を浴びているファンドストラクチャーです。

セミリキッドファンドが上場ファンドと一線を画すのは、申込金額の点です。これらのファンドでは、専門的なアドバイザーを通じて投資をする場合、最低申込金額が設定されていないことが多くなります。申込と解約は、ファンドの純資産価値(NAV)ベースで行われます。そのため、流動性をセカンダリー市場に依存するクローズドエンド型ファンドに比べ、ボラティリティや市場ベータが排除され、取引価格が需給のダイナミズムに左右されることがありません。

また、ファンドには一定の閾値を超えると解約に制限がかかるゲート条項があり、上場クローズドエンド型ほどには流動性が高くありません。セミリキッドストラクチャーに関心がある顧客は、非流動性に対する懸念が強く、投入金額も少額となる傾向がみられます。ファンドが流動性を提供する仕組みを明確に理解することは、このファンドストラクチャーに顧客の資金を配分するウェルスマネージャーにとって極めて重要です。

ファンド・オブ・ファンズ
ファンド・オブ・ファンズは、一時に比べると人気に陰りがみられますが、個人投資家がプライベート・アセットで十分に分散したエクスポージャーを得るための手段としては、依然として有効です。

最低投資金額は、規制動向によって異なります。一般的にはクローズドエンド型であるため、投資家は上場ファンドのような柔軟性は犠牲にしなければなりません。その性質上、投資期間は最長で5年程度あり、資金展開に時間がかかることが多くなります。

ファンド・オブ・ファンズもセミリキッドファンドも、ベンチャー・キャピタル、中小型バイアウトおよび大型バイアウトに投資することができます。大規模な投資家は、内部リスクコントロールなどで、中小企業への投資に苦労することがありますが、ファンド・オブ・ファンズは「投資家の規模を縮小」することができます。逆に小規模の投資家は、「規模を拡大」し、通常投資できるファンドよりも、多くの、大型ファンドにアクセスすることが可能になります。

ファンド・オブ・ファンズの分散効果は当然ながら高いため、オール・インコストも高くなります。ファンド・オブ・ファンズに関心があるのは、長期間にわたる資金運用が可能で、プライベート・アセットに幅広く分散投資を行いたい投資家になります。

シングルファンド投資
顧客がプライベート・アセットにアクセスするための最後のファンドストラクチャーの選択肢は、シングルファンドへの投資です。シングルファンド投資は、最低申込金額は他の選択肢と比べて高くなりますが、近年はその金額が低下してきています。

一方で、流動性プロファイルは大きく異なります。私たちは通常、投資家が10年以上の投資期間に対応できる場合にのみ、シングルファンドでのプライベート・アセット投資を提案しています。ファンドの期間は、投資期間と回収または分配期間から構成されます。投資家によっては、シングルファンド投資は、長期間にわたって資金が固定される投資であると思われるでしょう。しかし、私たちは長年にわたり、顧客が必要としない流動性プロファイルを大規模なポートフォリオで維持している例を数え切れないほど見てきました。

シングルファンドにおけるもう一つのリスク考慮点は、ファンド・オブ・ファンズやセミ・リキッド・ビークルに比べ、分散性が低いということです。しかしその分、全体的な手数料は低くなる傾向があります。大規模で洗練された投資家は、このシングルタイプのファンドに最も関心を示し、より高い投資収益率を得るために、より大きな集中リスクを喜んで引き受けることが分かっています。

なぜプライベート・アセットをポートフォリオに組み入れるのか?
本稿の前半で述べた説明を受けて、プライベート・アセットへの資産配分をためらう投資家もいるかもしれません。確かに、本稿執筆時点の市場環境は、警戒感を抱かせるものでした。
それでも私たちはマルチアセット戦略の一環として、プライベート・アセットに投資をすることで、ポートフォリオにおけるリスク・リターンのダイナミクスを向上させることができると考えています。
これには主に以下の3つの理由があげられます。

1.広範な投資機会 - プライベート市場への投資により、パブリック市場では得られない投資機会にアクセスすることができます。ハミルトン・レーンによる最新データでは、売上高1億ドル以上の米国企業の87%が未公開企業です。また、企業は長期的に非上場であるか、全く上場を選択しないことが示されています。このアセットクラスに投資配分を行わないことは、広範な投資可能ユニバースを逃すことになります。

2.リターンの向上 - プライベート市場は、手数料控除ベースでパブリック市場よりもプレミアムなリターンを生み出してきたことを示す、ヒストリカルに強力な根拠があります。これは、この資産クラスに見られる非流動性と複雑性プレミアムに起因しています。過去の実績は将来のリターンを示すものではありませんが、市場の厚みとマネージャーのスキルが、今後もこの傾向を促進すると考えています。

3.分散化のメリット - データによると、プライベート・アセットへの投資は、リスク・プロファイル全体の分散性を向上させることが示されています。プライベート資産の評価額は頻繁に更新されることはなく、「時価評価」、つまりパブリック市場の動きを反映した価格付けをされることはあまりありません。この特徴は、ポートフォリオのボラティリティを低下させるでしょう。

プライベート・アセットのポートフォリオから得られるリターンの性質が、株式や債券市場のリターンとは異なることを予想するのは合理的ではありますが、さらにポートフォリオがプライベート市場において、サブセクターやビンテージにわたって分散されている場合には、特に当てはまると言えるでしょう。




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シュローダーの視点
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