プレスリリース
北星学園大学環境経済学ゼミが「Seabinから始まる海のお掃除大作戦」プロジェクトを開始 -- 海洋ごみ削減のためのクラウドファンディングを実施中
北星学園大学経済学部(北海道札幌市)環境経済学ゼミナールでは、「Seabinから始まる海のお掃除大作戦」プロジェクトを立ち上げた。これは、北海道初の試みとして、苫小牧港勇払マリーナ(北海道苫小牧市)に海洋ゴミ回収装置「Seabin」を設置しようというもの。苫小牧市はリサイクル事業が活発である一方で、港周辺は不法投棄やポイ捨てなどによって海洋汚染と景観悪化が進行している。学生らは「海洋汚染を北海道から解決していけないか」という考えからプロジェクトを立ち上げ、現在、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で支援を募っている。
【プロジェクト実施の背景】
近年、世界的に海洋汚染問題が深刻化している。海洋汚染とは、人為的要因によって引き起こされる海の汚染のことであり、全体の7割が陸上起因の汚染であると言われている。
環境経済学について学ぶ中で海洋問題について興味を持ったゼミ生らは、不法投棄やマイクロプラスチックによる海洋生物及び人体への悪影響など、数多く存在している海洋汚染を「北海道から解決していけないか」と考え、このたび、北海道初となる「Seabin」の設置を計画した。
「Seabin」とは、オーストラリア発の海洋プラスチックゴミ回収装置。設置するだけで24時間365日、自動で海洋ごみを回収でき、その後は定期的にキャッチバックに溜まったごみを回収するだけでよいため、時間と手間をかけずにきれいな環境が維持できる。また、「Seabin」はプラスチックごみ以外の海洋ごみや海水に浮いた油も回収することができる。
【プロジェクト実施概要】
●Seabinの設置場所:苫小牧港 勇払マリーナ(北海道苫小牧市字勇払376番地)
●回収した海洋ごみは分別し、その組成調査と含有物の分析を行う。分析後の海洋ごみは、廃棄物発電や木質発電に用いるなど、資源循環を見据えた有効活用を行う(具体的な活用方法は現在検討中)。
●Seabin設置に関わるイベントの開催
●今後のスケジュール
・2022年8月〜11月:クラウドファンディングの実施、Seabinの購入
・2022年12月:Seabinプレ稼働(約1ヶ月)
・2022年12月〜2023年:Seabin本格稼働
【苫小牧港に設置する理由】
(1)苫小牧港周辺のごみの多さ
国際拠点港湾である海の玄関・苫小牧港は入り組んだ構造になっているため、ごみが溜まりやすい。また旅客フェリーの発着点となっているため多くの観光客が訪れ、港に面した公園や広場には不法投棄やポイ捨ても多く見られる。
(2)リサイクル事業が活発
苫小牧港周辺にはリサイクル施設や処理施設が多くあり、リサイクル事業が活発に行われている。苫小牧市がまとめた 2019年度のごみのリサイクル率は31.2%で、人口10万人以上の道内主要都市9市のうちでトップだった。
(3)環境先進自治体としての苫小牧市
苫小牧市では行政が環境問題の解決に向け活発的に動いており、人間環境宣言を採択している。それに比例するように、市民もNPO法人やNGOとして浜辺の清掃など環境意識が高い。また、回収したゴミを完全燃焼させ、エネルギーに変える処理施設があり、市内で完結的な循環型社会が存在している。
(4)なぜ苫小牧市で取り組むか
苫小牧市はリサイクル事業が活発で環境先進自治体でもある一方、苫小牧港周辺は不法投棄やポイ捨てなどによって、海洋汚染と景観悪化が進行している。
しかし多くの人がこの現状を認識しておらず、海洋汚染問題そのものへの理解度も低い。海洋汚染は日常生活で生じる廃棄物が原因で引き起こされることが多く、社会生活と密接につながっていることを認識してもらう必要がある。
海洋ごみを有効活用し、マイナスの価値をプラスの価値に変換することができれば、循環型社会の実現に大きく近づくと考え、リサイクル事業が活発な同市で取り組むこととした。
【プロジェクトによって見込まれる効果】
(1)北海道で初の「Seabin」設置を通じて、海洋ごみ問題を道内の多くの人々に知ってもらい、廃棄物の排出責任や3Rの重要性を理解してもらう。
(2)Seabin設置によって、綺麗で美しく、「また来たい!」と思ってもらえるような海にする。
(3)Seabinで回収した海洋ごみというマイナスの価値をプラスの価値に変換するという、環境経済学的な視点での研究を行い、循環型社会の構築を目指す。
【クラウドファンディングについて】
●プロジェクトページ: https://camp-fire.jp/projects/view/607427
プロジェクトはAll-in方式で実施。目標金額に満たない場合も計画を実行し、リターンを送付する。リターンは感謝状や海洋ごみの調査報告、ステッカーなど。
そのほかプロジェクトの詳細については上記のURLを参照。
▼本件に関する問い合わせ先
北星学園大学
住所:〒004-8631 北海道札幌市厚別区大谷地西2-3-1
TEL:011-891-2731(代表)
【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/