プレスリリース
〜 データセンタでの通信トラフィック増大・エネルギー消費量削減に対応 〜
● DFBレーザダイオードチップで業界最高水準にあたる100mWの高出力化に成功
● データセンタにおける光トランシーバの高性能化要求に対応
● 高出力化による光トランシーバの消費量を抑え、データセンタのエネルギー消費量削減に貢献
古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:小林敬一)は、業界最高水準にあたる高出力 100mW のDFBレーザダイオードチップを開発しました。
■背景
クラウドサービスや5Gなどの情報通信サービスの普及に伴い、通信トラフィックは増大し続けています。データセンタにおいては、強度変調方式の光トランシーバが広く用いられ、近年では、小型・高集積、かつ低消費電力、低コストの面で強みを持つシリコンフォトニクス技術(注1)が広く採用されており、単一波長で高出力な光源としてDFBレーザダイオードチップが多く搭載されています。
通信トラフィックの増大に伴い光トランシーバの高性能化が進み、従来の伝送速度は400Gbpsでしたが、800Gbps超、さらには1.6Tbpsへと高速化の要求が高まっています(図1)。この伝送速度の増加により高速強度変調時の光損失が大きくなり、搭載されるDFBレーザダイオードチップについてはさらなる高出力化が望まれています。一方でデータセンタやネットワーク基地局においては、ネットワーク機器で使用される光トランシーバ等の使用量が増加しており、エネルギー消費量の増大が社会問題となっています。
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図1 イーサネット向け光トランシーバ需要予想(LightCounting社)
■内容
GAFAMをはじめとする大手IT企業の旺盛なデータセンタへの投資を背景に、当社ではこれまで光トランシーバメーカをはじめ多くのお客様にDFBレーザダイオードチップを納入しており、世界トップクラスの高出力特性と高信頼性技術で好評を得ています。
このたび、当社は長年培ってきたInP (Indium Phosphide、注2)半導体チップ技術により、世界最高水準にあたる100mW 高出力DFBレーザダイオードチップの開発に成功しました(図2)。これにより、従来では対応できなかった800Gbps超の大容量通信をサポートする高性能光トランシーバを実現でき、今後の通信トラフィック増大に対応することが可能になります。また、当社製高出力DFBレーザダイオードチップがキーデバイスとなって高性能トランシーバを実現することで、使用される光トランシーバ台数の増加を抑え、データセンタのエネルギー消費量の削減が期待できます。
なお、本製品は本年9月19日から22日にスイス・バーゼルで開催される世界最大級の光技術関連国際会議(ECOC 2022)に展示予定です。
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図2 開発品の電流ー光出力特性、チップ温度75℃
主な製品仕様
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当社はレーザ事業のリーディングカンパニーとして今後も高性能な半導体レーザ光源製品の研究・開発・製品化を行い、光通信の発展を通じて真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
(注1)シリコンフォトニクス技術:シリコン電子デバイスの製造技術をベースとした高密度光デバイス集積プラットフォームの形成技術。広く普及しているシリコン電子デバイスの製造技術を応用できることから低コスト・高密度化を実現できる。
(注2)InP (Indium Phosphide):レーザダイオードチップ、高速トランジスタの製造に使用されるIII-V族半導体の一種。
■古河電工グループのSDGsへの取り組み
当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。
古河電工グループのSDGsへの取り組み
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