プレスリリース
日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)は、2023年度上期から、鉄鋼製造プロセスにおけるCO2排出量を削減したと認定される鉄鋼製品「NSCarbolex(TM) Neutral(エヌエスカーボレックス ニュートラル)」の販売を開始します。
日本製鉄は、「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050」を掲げ、経営上の最重要課題としてCO2排出量の削減に取り組んでいます。NSCarbolex(TM) Neutralは、これらの施策により日本製鉄が自社で削減したCO2排出量を割り当てることで、鉄鋼製造プロセスにおけるCO2排出量を削減したと認定される鉄鋼製品です。社会における脱炭素化ニーズが急速に高まる中、お客様にとって、脱炭素化の遅れは競争力を失う要因にもなりうると想定されます。日本製鉄は、NSCarbolex(TM) Neutralの安定的な供給体制を早期に構築することで、お客様の脱炭素化に貢献してまいります。
CO2排出量削減の認定手法としては、製造プロセスの変革・改善等によって日本製鉄が実際に削減したCO2排出量の総量を把握し、それを任意の鉄鋼製品に割り当てる方式(マスバランス方式)の採用を検討しています。鉄鋼業は、さまざまな鉄鋼製品の製造に欠かせない上流工程(高炉等)でのCO2排出量が大きく、脱炭素の技術開発には時間を要すると見込まれますが、この方式の活用により、CO2排出量を削減した鉄鋼製品に対するお客様のニーズに早期に応えることが可能となります。また、排出権取引によるCO2排出枠の調達とは異なり、鉄鋼メーカー自身のプロセスの変革・改善等による実際のCO2排出量削減効果にもとづくことから、CO2排出量削減を推進するための手法としても注目され普及し始めています。なお、NSCarbolex(TM) Neutralには日本製鉄が発行するCO2排出量の削減証明書に加え、第三者による認証を付与することで、公正さを担保する予定です。認証機関としては日本検査キューエイ株式会社(JICQA)を予定しており、既にマスバランス方式の妥当性について確認済みです。
日本製鉄は、研究開発を通じて先進的・革新的な製造プロセスを実用化し、CO2排出量削減に取り組んでおり、これらの成果をNSCarbolex(TM) Neutralの供給に活用していきます。期近なところでは瀬戸内製鉄所広畑地区の新電炉(2022年内に商業運転開始予定)によるCO2排出量削減効果を活用する予定であり、その他のCO2排出量削減施策の効果についても順次活用し、NSCarbolexTM Neutralの供給量を拡大していく予定です。
【販売開始時期】
2023年度上期(CO2排出量削減効果が確定し、第三者による認証が得られた時点で供給を開始する予定)
【供給数量】
CO2排出量を実質ゼロと認定された鋼材換算で、2023年度の供給量は年率30万t程度を予定
※供給量は、日本製鉄のCO2排出量削減規模に応じて変動します。
具体的な販売条件については、今後、お客様と個別にご相談を開始させて頂きます。
【販売対象品種】
日本製鉄が製造する全ての鉄鋼製品(品種)
品種・製法の制約はありません。
【販売価格】
相応のプレミアムを取得することを検討していますが、現時点では未定です。
(社会の諸制度やCO2排出量削減に関する価値・コスト等の諸要素は現時点では不確定要素が多い
ことから、プレミアムについても環境変化に応じて変動するものと考えています)
【CO2排出量削減効果の割り当て方式】
(1) 鉄鋼業における割り当て方式
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(2) CO2排出量削減効果を割り当てる前後でのCO2排出量とCO2排出原単位の関係(概念図)
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なお、当該方式はISO(国際標準化機構)規格でも規定されている手法であり、既に化学業界や一部の鉄鋼メーカーにおいて採用されている手法です。
以 上
お問い合わせ先:日本製鉄 総務部広報センター TEL:03-6867-2977、2135、2146、3419
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