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プレスリリース

【東芝】AIガバナンスステートメントを策定し、「信頼できるAI」の提供を推進

(Digital PR Platform) 2022年08月30日(火)10時05分配信 Digital PR Platform

2022−8−30
株式会社 東芝


AIガバナンスステートメントを策定し、「信頼できるAI」の提供を推進
〜 当社グループのAI技術者が目標を超える2,100人に到達。
AIリテラシーを備えた人材を拡大、AIシステムの品質を保つ仕組みづくりを強化 〜


 当社グループは、信頼できるAIシステムの開発・提供・運用を推進するために、当社グループの理念体系に基づき、AIに対する理念を7つの観点でまとめた「東芝グループAIガバナンスステートメント」を策定し、本日公開しました。
 当社グループはデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速しており、重要インフラ等に対してAIを適用し様々な社会課題の解決を推進しています。当社グループは、本ステートメントの考え方に基づき、AIを開発・提供・運用できる人材の幅を広げ、AIシステムの品質を保つ仕組みづくりを強化し、当社グループのAIガバナンスの構築を進めてまいります。

 現在、DXは世界的な潮流であり、デジタル化に合わせて、AI技術の開発・活用の重要度が高まっています。当社グループにおいても、デジタル化を通じて、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に貢献することを目指しており、様々な社会課題の解決においてAIの適用を進めています。
 そのような中、これまで当社グループでは、教育機関と連携した独自の教育プログラムを開発し(*1)、2019年に750人だったAI技術者は、本年度中の目標として掲げていた2,000人を超え、この度2,100人に達しました。また、AI技術資産をまとめた技術カタログを構築し、当社グループ保有のAI技術資産の利活用を促進する取り組みを進めてまいりました。現在200以上のAI技術が登録され、この中から約50の技術に関しては当社の社外公開サイト(*2)で公開しております。
 しかし、AIによる利便性が高まる一方、AIの悪用や意図しない動作でトラブルが発生するといった問題が社会全体で取りざたされるようになり、AI活用に関する倫理やガバナンスの必要性の声が高まってきています。国内においては、内閣府の「人間中心のAI社会原則」(*3)、総務省の「AI利活用ガイドライン」(*4)、経済産業省の「AI原則実践のためのAIガバナンス・ガイドライン」(*5)などといったAI原則の検討が進んでいます。海外においても、欧州AI規制法案をはじめとして、法規制の流れが加速しており、AIガバナンスへの対応は、AIを積極活用する企業にとって必要不可欠なものとなっています。

 当社は、AIの社会実装の促進に必要なAIガバナンスを推進するために、本年4月に当社グループ横断のAI施策を先導するAI-CoE(*6)プロジェクトチームを発足し、AIに対する理念を明文化することを目的として、「人間尊重」、「AIの発展と人材の育成」、「公平性の重視」など7つの観点でまとめた「東芝グループ AIガバナンスステートメント」を策定しました。本ステートメントで示した考え方をベースとして、信頼できるAIシステムの開発・提供・運用に向けて、AIガバナンスを構築し、様々な取り組みを進めていきます(図1)。





[画像1]https://user.pr-automation.jp/simg/1398/62269/700_305_202208251040406306d31831777.png

図1:当社グループのAIガバナンスの全体像



 AI人材の育成に関しては、これまでAI技術者の強化に取り組んできましたが、信頼できるAIシステムの開発・提供・運用を推進するためには、全員がAIに関する理解を深めた上で、ともに取り組むことが重要です。そこで、この度、非技術者のマネジメント層に向けたAIリテラシー講座を開発しました。AI専門家以外のリテラシーを向上させることで、お客様に「信頼できるAI」を提供するための人材の幅を拡げます。当社は今後、非技術者のマネジメント以外の層に向けた講座も開発していく予定です。
 また、AIシステムの品質を保つ仕組みづくりにも力を入れていきます。当社独自の「AI品質保証ガイドライン」を策定するとともに、お客様目線で整理した「品質カード」を用いて、品質保証を可視化する取り組みを始めています。例えば、AIシステムの性能を認識率や正解率で示すだけでなく、学習や評価に利用したデータの傾向から、AIシステムが得意とする領域や苦手とする領域を示すことで、お客様がAIシステムの特徴を理解した上で利用できるようにしています。さらに、AIシステムの運用開始後の環境変化による性能劣化などを起こさないように、継続的に性能を保つ仕組みとして、MLOps(*7)の導入を進めています。現在、社内外の製造現場や社会インフラなどを対象にしたAIシステムへの適用を進めており、今後も適用先を拡大していく予定です。

 当社グループは、AIガバナンスステートメントを定め、これに基づいたAIガバナンスを構築することで、社会や地球に対する責任を自覚し、当社グループに脈々と受け継がれるベンチャースピリットを胸に、信頼できるAIシステムの開発・提供・運用を進め、社会課題の解決に取り組んでまいります。


■ 東芝グループAIガバナンスステートメント ウェブサイト
https://www.global.toshiba/jp/technology/corporate/ai-statement.html
 


*1 東京大学大学院情報理工学系研究科と共同でAI技術者育成プログラムを開発、AI技術者を現在の約3倍に増強
https://www.global.toshiba/jp/news/corporate/2019/11/pr0702.html
*2 東芝AI技術カタログ ウェブサイト
https://www.global.toshiba/jp/technology/corporate/ai.html
*3 人間中心のAI社会原則(内閣府)
https://www8.cao.go.jp/cstp/aigensoku.pdf
 
*4 AI利活用ガイドライン(総務省)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000637097.pdf
*5 AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/ai_shakai_jisso/pdf/20220128_1.pdf
 
*6 CoE (Center of Excellence):組織横断の取り組みを継続的に行う中核組織
*7 MLOps (Machine Learning Operations):機械学習モデルのライフサイクルを管理する枠組み

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