プレスリリース
〜 目先の不具合根絶から、将来的なリスク要因の解消まで、経営層も巻き込み課題解決をリード 〜
システム開発・運用の現場は、専門性の高い仕事が多く、従事期間の長い担当者も多いため、個々のスキルや知見に依存し、属人化してしまい、結果として組織にノウハウが残らないといった課題が生じがちです。NTTデータ ニューソンは、お客様の業務改善、システム開発を行っており、その中で属人化している開発現場に対する業務改革も支援しています。先方の経営者層や管理者層を巻き込みながら、問題に対する課題の抽出から改善に取り組み、安定した品質が担保できるようになった事例について2種類ご紹介します。
■事例1: 不具合根絶を目指して、プロセス面と技術面の両面から構造改革
顧客のIT企業では、社内システムの品質改善プロジェクトを行っていく中、「シェア拡大の阻害・シェア縮小のリスク」、「不具合の対応によるコスト圧迫」、「システムリリースまでのリードタイムが短縮できない」といった課題を抱えていました。そこで、NTTデータ ニューソンは開発プロセスと技術の両面から改革を行うことを提案し、一緒に進めていきました。
開発プロセス面の課題として、テストを進めるうえでのバグによる手戻りがスケジュールを圧迫していました。テストの実施方法についても担当者の属人的なスキルに依存しており、テストの観点や確認項目についても各担当者が各自の経験に基づいて作成していたために、品質にばらつきが発生していました。そこで、当社はTERASOLUNA(※1)の基本概念(業務・機能・処理)による段階的な品質確保の進め方を導入し、開発プロセスを標準化しました。テスト設計については、テスト項目の抽出方法を標準化し、誰が担当しても同じ観点で確認項目を作成し、品質のばらつきをおさえたテストを実施できるようにしました。更に、整備した開発プロセスを顧客自身が他の開発プロジェクトでも活かせるようにするため、開発プロセスを展開する人材の育成も行いました。新しいやり方に対し現場からは以前の慣れた方法で行うほうがやりやすいと言った声もありましたが、現在の状況を変え個人に依存しない仕組みへ変えたいと考えていた先方の管理者とも協力し、標準開発プロセスの考え方を浸透させました。
技術面の課題においては、設計書がなく開発時の担当者も不在のプログラムコードに対して、他への影響を防ぐためにあえてコードクローンによってプログラムコードが作成され、プログラムが長くなり、保守性が低い状態となっていました。そこで業務の有識者と集中検討会を実施し、共通化可能な箇所の特定と、オブジェクト指向設計による保守性の高いリファクタリングを実現しました。また、変更箇所のコードを集約することで変更漏れを防止する構造に改良しました。
この両面から改善したことにより、従来あればシステムのリリース後2週間以内に複数件発生していた不具合報告もゼロになり、全体の品質が高まりました。その後も複数名で安定した運用ができており、個人に依存した状況から脱却し、組織として一定の品質を保った運用が可能となりました。
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■事例2:表面化していない深刻なリスクに対して、根本的な原因である属人化を解消
NTTデータ ニューソンは、業務系アプリケーションを開発している企業に技術提供をしています。当社メンバーがプロジェクトに参加する中で、「チームリーダーの不在」や「マニュアルが整備されていない」といった課題に直面しましたが、現場では当たり前のこととして問題が表面化していない状況でした。その他の様々な課題についても根本的な原因を先方のチームメンバーと協力しながら分析したところ、それらの課題が業務の属人化に起因していることがわかりました。しかし、深刻なリスクを抱えながらも、現状どうにかなってしまっているという状況のなかでは、現場のメンバーだけでは課題解決に向けて取り組むことが難しい部分もあります。そこで、トップマネジメント層へ開発スキーム改善のアクションプランを提案し、事前に協議をすることで、現場だけではなくチーム全体でプロジェクトを進めていきました。
まず初めに、「チームリーダーの不在」によって発生していた、担当者が作業を抱え込んでいる状況から脱却するために、新たな開発チーム編成を提案しました。また、再編されたチームの運用をマネジメントする立場も担うことで、「メンバーの業務の平準化、責任の分散」を推し進めました。
次に、「マニュアルが整備されていない」ことから起こっていた作業の個人依存状態から脱却するために、開発作業の中で不足している情報を探り、分析を行いました。そこで明らかになった共有不足の情報を、マニュアルとして整備し、プロジェクトの管理要綱などを作成することで、メンバーであれば誰でも対応できるよう作業の標準化を進めました。
今回のプロジェクトは、複数の課題があるなかで、一気に進めるのではなく段階的に進めることで、現場に無理がないように定着させることができました。開発スキームの改善後は、QCD(品質・コスト・納期)が向上しています。
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※1:TERASOLUNA(テラソルナ):オープン系システム開発のための、標準手順、開発ツール、
フレームワークなどを含んだ株式会社NTTデータの総合ソリューション(https://www.terasoluna.jp/
)
【NTTデータ ニューソンについて】
株式会社NTTデータ ニューソンは、 NTTデータ先端技術株式会社の子会社で、情報システムの企画、設計、開発、保守をしています。1974年に設立以来、システムインテグレータとしてソフトウェアとハードウェアの融合を行ってきました。 2005年にNTTデータと資本業務提携を行い、2017年にNTTデータグループの一員となりました。
NTTデータ ニューソンは、NTTデータグループの各社と連携し、”情報技術で、新しい「しくみ」や「価値」を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献すること”を目指しています。
NTTデータ ニューソンに関する詳細な情報については、https://www.newson.co.jp/
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株式会社NTTデータ ニューソン 営業推進室
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