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大阪ガス株式会社

SOECメタネーションに関するグリーンイノベーション基金事業の採択について

(Digital PR Platform) 2022年04月20日(水)10時30分配信 Digital PR Platform

〜世界最高効率の合成メタン製造技術の開発に挑戦〜

大阪ガスは、産業技術総合研究所と、新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)が公募した「グリーンイノベーション基金事業*1/CO2等を用いた燃料製造技術開発プロジェクト」の研究開発項目の一つである「合成メタン製造に係る革新的技術開発」に対して「SOEC*2メタネーション技術革新事業を提案し、採択*3されました。事業期間は2022年度から2030年度の9年間を予定しており、SOECメタネーションに関する技術を結集し、世界最高レベルのエネルギー変換効率*4を実現する合成メタン製造技術の確立を目指します。


従来のメタネーションは、水素と二酸化炭素(以下「CO2」)から都市ガスの主成分であるメタン(以下「合成メタン」)を合成する技術です。合成メタンは、都市ガスの既存インフラや消費機器をそのまま利用でき、都市ガスの円滑なカーボンニュートラル化と化石燃料の代替によるCO2削減に貢献できます。
今回取り組むSOECメタネーション技術は、まず再生可能エネルギー(以下「再エネ」)等により水やCO2をSOEC電解装置によって電気分解し、水素や一酸化炭素を生成します。次にそれらから触媒反応によってメタンを合成します。この技術の特徴として、原料として水素を調達する必要がありません。また、高温(約700〜800℃)で電気分解することにより、必要な再エネ電力等を削減できます。さらにメタン合成時の排熱を有効活用できるため、従来のメタネーション(約55〜60%)に比べ、約85〜90%という世界最高レベルのエネルギー変換効率を実現できる可能性があり、再エネ電力等が大きな割合を占める合成メタン製造コストの大幅な低減が期待できます。
加えて、SOEC電解装置は、メタン製造用途だけでなく、水素や液体燃料、化学品等の高効率製造にも活用可能と期待されています。


当社は2021年1月、SOECメタネーション技術の実現のキーとなる金属支持型*5SOECの実用サイズセルの試作に国内で初めて成功しました。
本事業では、その金属支持型SOEC技術やガス合成触媒・プロセス技術を有する当社を幹事企業とし、SOECやガス合成に関する世界有数の高度基盤技術等を有する産総研と共同で、2030年度のSOECメタネーション技術の確立を目指し、そのために必要な革新的な要素技術開発と小規模試験を行います。また、SOEC水素製造技術や大型電解設備の開発技術を有する東芝エネルギーシステムズ株式会社や、世界最先端の研究業績を有する各大学等にも参画いただくことで、SOECメタネーションに関する技術力を結集し、技術革新を推進します。
革新的な技術開発要素としては、SOEC電解装置の開発、ガス合成反応の制御技術の開発、プロセス全体の最適化や排熱の有効利用技術の開発を行う予定です。
また、小規模試験として、2022年度から24年度にラボスケール試験(合成メタン製造規模0.1Nm3/h、一般家庭2戸相当)を、25年度から27年度にベンチスケール試験(同10Nm3/h級、同約200戸相当)を、28年度から30年度にパイロットスケール試験(同400Nm3/h級、同約1万戸相当)を行う予定です。


1. 採択事業の概要

[画像1]https://user.pr-automation.jp/simg/2295/58170/550_335_20220419130830625e35be391ea.JPG


SOECメタネーション技術の概要


[画像2]https://user.pr-automation.jp/simg/2295/58170/500_265_20220419131214625e369edad67.png



SOECメタネーションパイロットプラントのイメージ図


[画像3]https://user.pr-automation.jp/simg/2295/58170/500_240_20220419131222625e36a6b689f.PNG



事業スケジュール






     [画像4]https://user.pr-automation.jp/simg/2295/58170/500_276_20220419181733625e7e2dcf796.png





事業体制


[画像5]https://user.pr-automation.jp/simg/2295/58170/500_286_20220419131256625e36c81e464.png



2. メタネーションによるカーボンニュートラル化


本来であれば大気中に放出されるCO2を回収し、メタネーションの原料としてカーボンリサイクルするため、合成メタンを燃焼させても、社会全体のCO2は実質的に増加しない(カーボンニュートラル)。
化石燃料の代替によるCO2削減効果は、水素と同じ。




[画像6]https://user.pr-automation.jp/simg/2295/58170/600_337_20220419131233625e36b1dacbc.png




*1:2050年カーボンニュートラルを実現するべく、エネルギー・産業部門の構造転換や、大胆な投資によるイノベーションの大幅な加速を目指して造成された2兆円の基金事業。政府の「グリーン成長戦略」で実行計画を策定している重点分野において、政策効果が大きく、社会実装までを見据えて長期間の継続支援が必要な領域に重点化して支援されるもの
*2:Solid Oxide Electrolysis Cell の略、固体酸化物を用いた電気分解素子。水蒸気やCO2を高温で電気分解するもの
*3:NEDO公開情報はこちら(https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101536.html

*4:投入した電力エネルギー量に対し得られる燃料のエネルギー量の割合
*5:低コスト化とスケールアップに適した技術で、従来のSOECに使われていた特殊なセラミックスの使用量を約1割程度にしたもの。2021年1月25日にお知らせ済
https://www.osakagas.co.jp/company/press/pr2021/1291456_46443.html



Daigasグループは、2021年1月に発表した「カーボンニュートラルビジョン」のもと、今後も脱炭素社会に貢献する技術・サービスの開発に取り組み、気候変動をはじめとする社会課題の解決に努め、暮らしとビジネスの“さらなる進化”のお役に立つ企業グループを目指してまいります。



関連リンク
Daigasグループ 技術開発情報
https://www.osakagas.co.jp/company/efforts/rd/index.html
NEDO公開情報
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101536.html
2021/1/25 SOECの実用サイズ試作について
https://www.osakagas.co.jp/company/press/pr2021/1291456_46443.html

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